2015年10月30日金曜日

盛りだくさんの1週間

 月曜日は、1日かけて、所内発表会でした。
 毎年恒例の、所内の若手〜中堅の研究者が中心となって、自分の研究の発表をする会です。
 いつも隣同士で働いていても、案外知らないお互いの仕事について話を聞けるというもの。楽しいし、面白い、良い会なのですが、実は、私は学外での発表よりも、所内発表のほうが緊張したりします。
 私たちの仕事は、今の所大きく分けて3つのプロジェクトに分かれるのですが、主に一つについて発表し、他の二つについてはざっと紹介しました。
 所内のどのグループと比べても、かなり変わりダネな題材で働いているわけですが、赤潮というわかりやすいキーワードのおかげもあり、興味を持ってくださった方もいらして、よかったよかった。
 地味な結果ながら、私たちが、『これって、すっごく面白くない?!』と思っていることについて興味を持っていもらえると、嬉しいし、うん、やっぱりこれでいいのよね♪と改めて思ったり。
 発表会の後の親睦会も含め、楽しい1日でした。

 という、上向きなスタートを切った1週間ですが、あらら、投稿した論文が、リジェクトされて帰ってきた。確かに、その雑誌が掲載しているほとんどの論文の重心と、私たちの仕事とのズレは自覚していたので、自信満々で投稿したわけではなかったのですが、ううむ、そうか、それでは次にどこに出そう?
 月曜日の所内発表会でもらった、同僚たちからの温かいコメントを思い出し、リジェクトされたくせに妙に強気(笑)。もう少しデータを足して、角度を変えた論文にしようかしらん。数日、しっかり考えようと思います。

 実験もしたいし、改築に際しての引越しはもうすぐだし、しかし、先々週から格闘しているUNIXもどうにかしたい。いえ、考えてみたら、先々週突き当たった壁は、ちゃんと乗り越えたのでした♪トライアルのデータを入れて、綺麗な図がかけた時は感動しました(笑)。

 で、気を良くして別のパッケージを入れようとしたら、ううん、ここでもまた壁に…。

 とはいえ、さすがにここまであちこちに頭をぶつけると、だんだんトラブルシューティングが早くなってきた気もします。GUIだのみユーザーとして、長年コンピューターに相対してきた私にとって、Windows・Macに関わりなく、エラーメッセージに遭遇=『わかんないから撤退』だったのですが。エラー『メッセージ』は解決のヒントを提供してくれていて、これを読んで言われたとおりにすれば良いのだ、と納得がいっただけ進歩です。←上級者が読んだら、苦笑間違いなし。
 こんなにいちいちひっかかって、いつになったら道具として使えるようになるんだろう…という疑問もないではないのですが、私がこの手のことに興味を持つきっかけを作ってくれた友人であり共同研究者の、『毎日少しずつ、使ってみることです。積み重ねは大切です。』という言葉を糧に、しばらく続けよう。そもそも、ここまでどこすこ突っかかるのに、妙に楽しい、やめたくない、ということ自体、めっけものなのかもしれません。

 

2015年10月23日金曜日

賑やかな5日間

 後1週間で10月も終わりですね。
 先週末から、お付き合いが始まったばかりの共同研究者のラボ訪問&学会出張で、4泊5日の旅に出ておりました。
 この、新・共同研究者、実は昔、うちの大学の本キャンパスにいらっしゃった方で、その別の大学に移られたのです。初めてご本人にお会いしたのは、2年半前の財団から頂いた研究助成の報告会にて。その時におしゃべりした縁で、今回声をかけていただいての共同研究開始です。
 勢いがある方で、声をかけていただいて2週間前後で、最初の訪問が実現。私達がいつも考えているのとは、全く違う角度からの興味から声をかけていただいたわけで、大変ありがたいことです。

 その後、出席したのは微生物生態学会@土浦。ヘテロシグマは微細藻類、というわけで、微生物生態学会というと大変はまった感じもしますが、私自身微生物学を学んでいたわけではなく、初めて出席する学会。
 のはずが、いつも加えていただいてる勉強会のメンバーをはじめ、今年の3月末まで居室をシェアしていたoffice mate、赤潮会議常連メンバーに加え、ずいぶん昔にちょっとだけお会いしたことがある方々に次々に遭遇。
 全然アウェイ感なし!
 未だに、自分のホーム学会を決めかねていたのですが、雰囲気も好きだし、よし、ここを私のメインの学会にしよう♪と迷わず決定してしまいました。
 学会自体が急成長しているらしく、現在、所属学会員1000人程度、出席したのは600 人だそうで、賑やか。なんだか楽しそうな人が多かったという印象です。
 いろいろなセッションを聞き、ポスター発表を見て情報を集め…。情報収集するうちに、前から、やってみたいけど、どこから手をつければ良いのかな…と頭の隅にこびりついていた課題があるのですが、これにうってつけな手法を持っているグループを発見。今すぐ、とは言わずとも、来年度初めぐらいにどうか、教えてください、訪ねて行きますから!!とお願いして、快く引き受けていただきました。
 しかも、最後の夜の懇親会後、元office mateの出身グループの同窓会的集まりにくっついて2次会に行こうとしたら、上記の『ずいぶん昔にちょっとだけお会いしたことがある』方のお一人と、初対面のお二人が合流されることに。初対面のお一人に自己紹介をしてみたら、なんと!研究絡みで、以前、一度メールを差し上げて、それ以降お会いする機会が欲しいな・・・なんとか作りたいな…。と思っていた方でした!情報交換して、いろいろなことを教えていただいて、今後も連絡をとらせていただくということでめでたく繋がった!
 すごいなあ。ノートに書き込んだ情報とともに、見えないお土産が両手にいっぱい、という気分です。
 まあ、学会というのは、人に会いに行くのが目的なわけで、こういう風に使うのためにある、わけですが。なかなかこんな風にトントン拍子に行くものでない気がします。

 ヘテロシグマを初めて手にして3年9ヶ月ほど、これほどネットワークが広がるとは。

 と、思うにつけ……今、一番足りないのは、結果と実績だ。
 頑張らねば!
 と新たに肝に銘じて帰ってまいりました。

2015年10月15日木曜日

こんな時に限って

 今週末から来週にかけては、学会出張+共同研究者訪問。
 二つの用事をうまく合わせることができたので、一つの旅で二つの目的地を回ります。
 あの人にもこの人にもあっていろんな話を聞かせてもらお、という楽しみは結構ですが、発表の準備その他の必要があるのはもちろん。
 プラス、あと3週間ほどで、科研費の締め切りもあり。
 そして、こういう時に限って、楽しみにしていた結果が届きました♪

 と、楽しいことが続くのは良いのですが、しかし、ここで再び、UNIX環境で動くツールたちと格闘中。
 少し使えるようになって、嬉しくなって、さらに色々やってみたいことが出てきて、手を広げかけているのですが、ここで、さらに高い壁が。
 まずは、ウイルスゲノムの綺麗な図を描きたいな、とCircosというツールに手を出して、ううん、時間ばかりが過ぎていく・・・。確かに、インストールにトラブルが多くて難しい、とあちこちに書いてあるのですが、やってみたら、それらのウェブサイトが記述されたときに加えてさらに変化があったのもあるらしく、どうしてもうまく行きません。結局、学会発表に使う図は、いつも便利に使っているツールを使ってごまかしたのですが、くやし〜〜いい。

ま、これは高等らしいから仕方がない、楽しみにしていた結果を解析しよう、気を取り直して、ウェブ上のパイプラインを使えばいいんだよね、とワクワクアクセスしてみたら、あら、リードの前処理がいる・・・。
 本当に、ちょっとしたことをするのに、初心者は大騒ぎです。
 二日かけてあれこれ試し、多少の進歩はあれど、どうもスパッと解決しない。。。知っている人が近くにいたら一発解決、なのではないかということなのですが。

 とはいえ、インストール攻め状態のせいで必要が出て、MacOSを最新版に渋々アップグレードしたら、急に早くなりました。これはラッキー最新版にして、よかったです。

 この出張で出席するのは微生物生態学会。実はこの手の解析が強い人が結構いるはず。こうなったら、PCとデータ持って行って、知人を見つけて質問攻めにしてしまおう!と目論んでいます。

 

2015年10月9日金曜日

滅多に無い話

 ここは、基本的には研究三昧な環境の研究所なのですが、当然ながら、ときどき『雑用』がはいります。
 今週は、所の改築に伴い、今まで行っていた『屋上緑化』関係の仕事が入りました。
 屋上緑化=ある先生の呼びかけで、建物の屋上に、乾燥と熱暑につよい植物を、水やりを控えて育てることで、屋上のコンクリートをカバーすることで、特に夏の屋上の温度を下げようと言うわけです。
 何を隠そう、私も、『屋上緑化委員』の一人。殆ど役には立っていないのですが…。
 
 専用の栽培媒体をおいて、乾燥に強い多肉植物を生やして…と言う試みを行ってきていたのですが、とうとう、その部分の建物も改築と相成り、それでは、その設備を全て撤去しなければ、ということに。

 エクセルソイル、と呼ばれる、この栽培媒体、原材料は、デニム(倉敷の『名産品』の一つです)の裁ち屑に、肥料や成形するためのポリエステル(だったかな?)だのを加えて作られたもので、雨が降ると、その水分をしっかり蓄え、しかも、風で飛んだりせずに育てている植物の土壌として機能してくれていたものです。
 つまり、保水性のおかげで結構ずっしり重い。永年の栽培のあとで、ぼろぼろ崩れやすい。もちろん、植物の根っこがからみついています。

 こじんまりした研究所ではあるのですが、ううん、敷き詰めてあるこれらを切り分けて、ひっぺがして、ゴミ袋に詰めて、地上まで降ろすって…。
 招集に応じて屋上に上って見回したときには、ああああ、どうするんだよう、と目の前が暗くなるような思いが…。

 とはいえ、世話人の先生のご人徳で、17、8人集まりました。こういう活動は、大概教員で組織されることが多いのですが、かなり過酷な力仕事って分かっているにもかかわらず(いえ、多分、分かっているからこそ)、ボランティアで事務長初め事務からも何人も参加してくださるのがこの研究所の本当に素敵なところです。

 あああ、どうするんだよう、の思いには目をつぶり、各自適当に持ち場を決めて、作業を進めます。一応2時間程度の作業を2日予定しており、無理ならばもう一日…ということになっておりました。

 ううん、3日目は必須だな。

 と思いつつ、手分けして作業を開始。
 10月とはいえ、屋上って日差しが強く、結構暑いところで力仕事。なるべく効率よい方法をああだこうだと試しながら、45分ほど働いて、ふっと目を上げると、あれ、3分の1ぐらい終わっている気がする?!

 こうなると、俄然やる気がわいて参ります。
 結局、途中の休憩も含めて2時間働いて、あら、4分の3はおわったような?!

 これならば、来週の作業日に働けば、充分終わりそうではないですか。素晴らしい!

 来年度向けの科研費申請所書きのシーズンで、ご多分に漏れず、冴えた表現が浮かばず書きづまっていたのですが…こういう作業をしていると、別のことを考えていたはずが、ぽろっと突破口が見てたりして。

  足腰疲れたし、頭から土をかぶったし、ではありますが、日頃なかなかおしゃべりすることが無い方々と、おしゃべりしながら、というのも、悪くないものです。

 で、思ったんだけど、将来、もっとグループの人数が増えて、例えば遺伝子のスクリーニングかなにかをしたいな、と思ったときには、一人の研究として行うのではなくて、みんなでわいわいやるのもいいかも、と。手作業をしながらのおしゃべりって、愉快だし、ポジティブがでるまでのスクリーニング作業って孤独だけど、みんなでやれば、そこは救われる。何より、短時間でさっと終わるのって、素晴らしい。で、結果はみんなでうまく共有できるように考えて。

 というわけで、雑用もたまには楽しいものです。
 うん、ほんと、ときたまならね(笑。

 
 
 

 

 

 

 

2015年10月2日金曜日

はっと気がつくと

 あら、10月。

 シルバーウィークが入ったあたりから完全にリズムが狂っています。皆様、いかがお過ごしでしたでしょうか?お天気にも恵まれましたよね。

  私は…静かな職場で、実は結構実験&書き物を進めました。
こんなときに仕事なんてする人はそんなにいないだろう、と思っていたのですが、いや、圃場にちらほら人影が。イネの収穫が近いためか、イネの実験をする人は、書き入れ時なんですね。
 農場を使って実験するって、本当に大変。一年に一度しか行えないので、まず、計画性が要求される。タイミングを逃したりできない。その上、台風だの、大雨だの、天候に決定的に左右されるし…。イネとか、オオムギとかを研究対象に選んで、コツコツ結果を出す人たちを本当に尊敬しています。

 それに比べて実験室の仕事って、楽だよね。

 なはず、なのですが。

 書き物は、時間をかければそれなりに進む。一応、休みの間の『宿題』分ぐらいはこなせました。
 しか〜し、実験は…。

 数週間前に、「!!!これって、ひょっとして大発見!!!」という、すっごく冴えたデータを取って、よし、再現実験を!と取り組むのですが、なぜかうまく行かない。
 シルバーウイーク中も、朝の5時半にはがばりとおきだし、7時半からわくわく仕事を始めて、一日中働いて結果を見ても、ううううんんん、なぜ?!?!な再現性の無さ。

 とはいえ、再現実験の方は、標準偏差も大きく、いかにも信用できない値がでるのに、一度うまく行った実験は、非常にきれいなデータ。

 どうしてもどうしても、「いや、絶対きれいなデータがホントだって!」と実験ノートを前に一人でうなずいてしまいます。
 あれを見直し、これを見直し、しばらくは思案投げ首が続きそうです。く〜〜〜〜。。。。