2015年10月9日金曜日

滅多に無い話

 ここは、基本的には研究三昧な環境の研究所なのですが、当然ながら、ときどき『雑用』がはいります。
 今週は、所の改築に伴い、今まで行っていた『屋上緑化』関係の仕事が入りました。
 屋上緑化=ある先生の呼びかけで、建物の屋上に、乾燥と熱暑につよい植物を、水やりを控えて育てることで、屋上のコンクリートをカバーすることで、特に夏の屋上の温度を下げようと言うわけです。
 何を隠そう、私も、『屋上緑化委員』の一人。殆ど役には立っていないのですが…。
 
 専用の栽培媒体をおいて、乾燥に強い多肉植物を生やして…と言う試みを行ってきていたのですが、とうとう、その部分の建物も改築と相成り、それでは、その設備を全て撤去しなければ、ということに。

 エクセルソイル、と呼ばれる、この栽培媒体、原材料は、デニム(倉敷の『名産品』の一つです)の裁ち屑に、肥料や成形するためのポリエステル(だったかな?)だのを加えて作られたもので、雨が降ると、その水分をしっかり蓄え、しかも、風で飛んだりせずに育てている植物の土壌として機能してくれていたものです。
 つまり、保水性のおかげで結構ずっしり重い。永年の栽培のあとで、ぼろぼろ崩れやすい。もちろん、植物の根っこがからみついています。

 こじんまりした研究所ではあるのですが、ううん、敷き詰めてあるこれらを切り分けて、ひっぺがして、ゴミ袋に詰めて、地上まで降ろすって…。
 招集に応じて屋上に上って見回したときには、ああああ、どうするんだよう、と目の前が暗くなるような思いが…。

 とはいえ、世話人の先生のご人徳で、17、8人集まりました。こういう活動は、大概教員で組織されることが多いのですが、かなり過酷な力仕事って分かっているにもかかわらず(いえ、多分、分かっているからこそ)、ボランティアで事務長初め事務からも何人も参加してくださるのがこの研究所の本当に素敵なところです。

 あああ、どうするんだよう、の思いには目をつぶり、各自適当に持ち場を決めて、作業を進めます。一応2時間程度の作業を2日予定しており、無理ならばもう一日…ということになっておりました。

 ううん、3日目は必須だな。

 と思いつつ、手分けして作業を開始。
 10月とはいえ、屋上って日差しが強く、結構暑いところで力仕事。なるべく効率よい方法をああだこうだと試しながら、45分ほど働いて、ふっと目を上げると、あれ、3分の1ぐらい終わっている気がする?!

 こうなると、俄然やる気がわいて参ります。
 結局、途中の休憩も含めて2時間働いて、あら、4分の3はおわったような?!

 これならば、来週の作業日に働けば、充分終わりそうではないですか。素晴らしい!

 来年度向けの科研費申請所書きのシーズンで、ご多分に漏れず、冴えた表現が浮かばず書きづまっていたのですが…こういう作業をしていると、別のことを考えていたはずが、ぽろっと突破口が見てたりして。

  足腰疲れたし、頭から土をかぶったし、ではありますが、日頃なかなかおしゃべりすることが無い方々と、おしゃべりしながら、というのも、悪くないものです。

 で、思ったんだけど、将来、もっとグループの人数が増えて、例えば遺伝子のスクリーニングかなにかをしたいな、と思ったときには、一人の研究として行うのではなくて、みんなでわいわいやるのもいいかも、と。手作業をしながらのおしゃべりって、愉快だし、ポジティブがでるまでのスクリーニング作業って孤独だけど、みんなでやれば、そこは救われる。何より、短時間でさっと終わるのって、素晴らしい。で、結果はみんなでうまく共有できるように考えて。

 というわけで、雑用もたまには楽しいものです。
 うん、ほんと、ときたまならね(笑。

 
 
 

 

 

 

 

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