2017年1月27日金曜日

新年会

 今週は、なんと月曜日から、おくればせながらの新年会でした。

 考えてみれば、しばらく当所では忘年会というのをやっていません。
 忘年会がない年は、新年会をするのですが、今年もそんなわけで、新年会が開催されました。なんとなく、飲み疲れ、に直結しそうな忘年会、よりも、ぱりっとした響きを感じる新年会の方が良いような気もします。
 特に、今年は、年度末で退官される教員が3名いらっしゃいます。3名の先生方、長年のお勤め、お疲れ様でした、そしてありがとうございました、というわけで、ちょっと豪華に地元のホテルで。退官される方々に一番親しく、長いお付き合いのある方々による紹介のスピーチ、というより、パワーポイントを使ってのプレゼンテーションもあり、楽しくも心温まる会でした。
 終わった後は、幾つかのグループに分かれて2次会も。
 いつもならば農業研究所=早起きな人の多く、夏場など朝の7時に来てもぱらぱらと色々な方を見かける職場なのですが、こういう楽しい夜の集まりがあった次の日は、8時半近くまでいつになくひっそりしているのも、当所の特徴です。笑。

 楽しいイベントの一方では、例の数多くのPCR作業が進行中。いろいろトラブったサンプルも含め、なんとかすべて結果を出し、論文revisionも大詰め。
 査読者からの細部にわたるコメントにすべて答えるのは、考えてみれば「めんどくさい」とも言える仕事なわけですが、ここまでくると、どうやってすべてのコメントに綺麗に答えてまとめあげようか・・・と、実は結構闘志をたぎらせて文章練り直しています。
 ・・・・なんだかんだいって、結局、楽しいんじゃん。というのも実はホントだったり。
 こういうとき、研究者って(いや、私って)、ほんと、ただの被虐趣味のオタクだよね、と改めて確認してしまいます。。。

 

2017年1月20日金曜日

先週の続き tricky PCR

 先週からの、トリッキーなPCRバナシの続き。
 PCR1は、大概何をやってもうまくいくのが、PCR2の方は、まず、反応サイクルが、論文通りの古典的な94→55→72℃ではうまくいかず、94→70℃のシャトルPCRもうまくいかず、結局、アニーリング温度を最初高めに設定して、だんだん落としていくというtouchdown方でやっと産物が出てきました。
 ばんざい!と、その方法で増幅していたのが、さて、半分まできたところで、また詰まった。
 今度は、テンプレートの濃度の微妙な差がいけなかったらしく。ヘテロシグマは、変な多糖だか糖脂質だかを多く含んでいるらしいのですが、例えばRNAをとってきてもDNAをとってきても、これらが最後まで混入することが多いようです。去年のゲノム支援でのRNAseqは、このせいで多大なご迷惑をおかけしてしまいました。
 というわけで、希釈率が高すぎると、target DNAが少なすぎてかからず、しかし希釈率が低すぎると、残留成分が邪魔してかからず、という・・・。

 ああ、気難しい反応だ、さて、残りの4分の一を・・・・と思いきや、またかからない!

 実は、今年早々に、新しく購入した96wellのサーマルサイクラーがやってきたのです。使ってみると、温度の移行が前のサーマルサイクラーよりもかなり早い。すごいなあ!で、これで、PCR1の方はいくつかの反応をしてみて、当然ながら(?)うまくいく。
 というわけで、PCR2 をかけてみると、非常に産物が少ない・・・・。この中には、先ほどの希釈率設定の時にうまくいったサンプルもあるのに、前回増幅されたサンプルが、今回は増幅されなかったわけです。

 なんでなんでなんで??な、わけですが、あれ、これはひょっとして、新しいサーマルサイクラーを使ったせい??
 
 ぱらぱらとマニュアルを見ていると、PCR最適化方のコツ、というところに、場合によっては、温度移行をわざと遅く設定すると、増幅がかかりやすくなることがある、とのこと。特に、このサーマルサイクラーは、温度移行が他の機種より早いのが売りなのだそうです(値段と、他の大雑把なスペックしかチェックしていなかった・・・)。
 あたらしいサーマルサイクラーで苦労して設定するよりは、と、もう一度古い方を使ってみたところ、見事、すべてのサンプルが増幅されました。
 古い方のサーマルサイクラーは、ここに着任して購入した二つ目の備品。32, 48, 96wellといういくつかのタイプがあったのを、お財布と相談して購入した48well用最廉価版。これまで大変お世話になりつつも、一遍に96シークエンス反応を仕掛けたいような仕事が多くなると、古い方はあまり使わなくなるかも...などとチラリと思っていたのですが。今までうまくいったことを、新しい機械で再現するのには、実は結構手間がかかるのかも。古い方の機械にも、これからも大いにお世話になりそうです。

 この反応、とある論文を読んで採用したのですが、かれらは、古典的な3温度のPCR でうまくいっていたわけで。PCRなんて、今までに数百回はかけてきて、確かにサイクルのデザインの違いだの、希釈率だのがきいてくる、というのは経験したことがあったのですが、同じサイクルが機械の違いでこんなにちがうのを実感するのは、初めて。良い経験になりました。

2017年1月13日金曜日

あっという間に一週間

 新年明けたと思ったら、あっという間に1週間経ちました。

 最近、論文のrevisionに向けてPCR--> シークエンスの毎日なのですが、ここでPCRトラブル。
2種類のPCR(つまりTemplateは同じ、プライマーが2セットある)をかけるのですが、1セットはほとんど何をやっても成功するのに、もう1セットは、どうもうまくいかないとなると本当にうまくいきません。
 最初はさらさらと進んでいたのが、途中でいきなりトラブル続き。
 これらのPCRは、種を確認するためのPCR。40系統程度のヘテロシグマを使って実験をしたのですが、これらが本当にヘテロシグマか確認すべき、というお達しが。それぞれについて2セットのPCRを掛けて、一つについては2シークエンス反応、もう一つについては3シークエンス反応、全部で200シークエンスサンプル。きちんと進めば、たいした仕事量ではないはずが、ちょっと気難しいPCRの方が、ううん、引っかかる。

 しかも、これらは、問題なく全てヘテロシグマであると確信しており、で、実際シークエンスを調べてみると、当然ながら、低くて99.7%は一致するのです。
 全てほとんど同じシークエンスになる=何ら新しい発見は望めない、とほぼ分かっていながらこれだけの配列チェックは、ちと切ない。とはいえ、やらなきゃならぬのが、この、revisionってやつです。まあ、やればできることが分かっているのがありがたいと言えばありがたい。今週末で決着をつけてしまいたいものです。

 毎年、1月になると、年度末が近づいてそろそろ物品購入の〆が目に入るし、寒いし、なんだか活性が上がらない感じ・・・というパターンだったのですが、目の色を変えて単純作業に勤しんでいると、そういうだれた感じに陥らないのは、ま、ちょっと良いことかもしれません。
 

2017年1月6日金曜日

明けましておめでとうございます。

 明けましておめでとうございます。本年も、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
元旦の富士山を、新幹線車窓からパチリ。

 曜日と祝日の並び具合で、あまり長くないお正月休みでしたね。
 友人と話しても、業者さんとお話しても、皆、「今年のカレンダー休日の並びが悪いですよね〜〜、休みが続かないし、少ないし、祝日が結構土曜日にかぶってるんですよね〜〜。」とのことで・・・笑。

 まあ、そう言わずに、今年も元気にいきましょう!

 今年のグループとしての抱負は、すでに書き上げた論文3本をまずはpublishすること。
 そして、Heterosigma akashiwo virusの感染過程の解析をつめて、それもpublishにこぎつけること。
 Heterosigma akashiwo virusの感染過程の解析については、2年連続でゲノム支援にお世話になっていることからも、ここいらでビシッと締めなければなりません。末端一被支援研究者としては、この事業が続いていってくれることを心から願ってますので、遅ればせながらでも、謝辞にその旨表記したものを、できれば支援班の方々にも著者に入っていただいてまとめ上げなければ。((でないと、事業が続きませんよね。))

 ささやかながら、ちょっと無理して購入を決めた便利な備品も新年早々いくつか入ってくることになっていて、実験能率アップの見込み。楽しみです。新たな年って、やっぱり、ちょっと張り切った気持ちになっちゃいますね♪