2019年8月2日金曜日

そして猛暑!

 梅雨がなかなか明けない....と思っていたところ、明けた途端に猛暑です。
 倉敷は、連日最高気温34度。
 というのですが、本当に34度かなぁ?もっとある気がしてしまいます。
 暑さに弱いので、水を飲んだり、ミネラルを摂るように気をつけてみたり。熱中症に気をつけて夏を乗り切りたいものです。

 サンプリングに出てから2週間、目的だった微生物単離を進めているのですが、その副産物で、『?』なことに気がついてしまいました。
 今まで、ヘテロシグマ培養には、市販の培地を使ってきたのですが、微生物単離に際して培地組成をいじってみたところ、ヘテロシグマの増殖速度に意外な結果が。
 え?ほんとに?というような結果なのですが、ひょっとしてこれって常識なのだろうか、と、過去の文献を引いてみるも、案外、「ヘテロシグマ増殖について」「培地各成分の影響を」「特に増殖速度や細胞サイズに着目して」調べてある、という仕事が引っかかってこない。
 実は、ヘテロシグマに限らず、赤潮原因藻の栄養塩濃度による増殖制御って、バッチリ調べられていると思い込んでいたので、こんなところに落とし穴、というか、はっきり調べられてこなかったニッチが存在するとは意外です。私がそこに気がついてやってみるべきなのですが、必要になったら文献で調べればいいや、と、敬遠していた部分だったので....。思い込みは禁物。

 とはいえ、この『?』な結果は、いろいろと考えてみると、ちょっと妄想が広がるような小さなきっかけを与えてくれました。
 ちょうど、共同研究者と一緒に、これまで解析しためたヘテロシグマのRNA-seqデータをまとめて、ヘテロシグマ発現遺伝子配列データベースを作ろう、仕上げよう!と、しているところなのですが、BLASTでちょこちょこ調べてみると、あら、こんな酵素も持っているのね?などと、上述の『妄想』をサポートしてくれたりして。
 暑くて動き回る気が失せる毎日の始まりですが、涼しくした室内でじっくり考えて作戦を練ろう、などという気分になっています。

2019年7月19日金曜日

乗船サンプリング

 ヘテロシグマ研究を始めて、始めて船に乗せていただいてのサプリングに行ってまいりました。
 兵庫県水産技術センターの赤潮調査船に同乗させていただき、半日がかりで播磨灘の8カ所を巡るという調査です。
 梅雨が長引いている今年ですが、当日は、良い天気。朝8時 50分に埠頭集合、というわけで、最寄駅から10分程度歩いて行くに、すでに暑い.....。乗船して、4、5時間程度、どんなことになるのか不安でした。
 幸いなことに、船はかなり新しい形のもので、船室には冷房付き。ほっ。

 今回は、初めての乗船で、「ブログに載せたいので写真とらせてください!」とは、ちょっといい出せませんでした 笑。

 各地点で、センサーを下ろして、異なる深さの塩度、水温、クロロフィル蛍光強度、pHなどの測定、また、決まった水深からの採水などが週に1回ずつ、近隣県と協調して行われているわけです。私は各地点から、少量ずつ海水をサンプリング。私の目的は、ヘテロシグマと生物学的な相互作用が見られる細菌の単離なのですが、上記のような環境データが伴った形でサンプリングできるのは、大変ありがたいことで、今回の調査に同行させていただきました。船の操作をされる方と、測定や採水を手がける方と、皆さん、各ポイントにつくと、さっと仕事にかかり、テキパキテキパキ。。。。。と各地点での作業は五分程度で終了。採水された海水は、フィルター濾過により濃縮して、含まれているプランクトンの数を当日中に数えて、他のデータとともに漁業操業者と共有するのだそうです。兵庫県ではないのですが、他県で、特に養殖が盛んな水域では、朝から調査に出て、データを全て得て共有するのは、お昼時、午後3時を過ぎて共有すると苦情が出るとのこと。赤潮が発生した場合に、対策として、養殖魚への給餌を止める(餌止め)のですが、その水域での1日の養殖魚餌代が数百万円に上るため、餌止めの必要がある場合には一刻も早く周知の必要があるのだそうです。
 こういう活動で、日本の水産業が守られているのですね。この仕事をしてなかったら知り得なかったことです。

 船酔いしたら困るな....というわけで、酔い止めを一応服用していったのですが、幸いなことに海は穏やかで、あまり揺れずに、その意味では無事。確かに、降りてからも妙に頭が重く、調子悪い気もしたのですが、あれは、船酔いの症状なのか、それとも薬の症状のなのかは、ハテナ、という程度で助かりました。

 海水を抱えて帰ってきて(持ち運べる程度とはいえ、流石に重かった)、いろいろと実験を仕掛けながら、さて、何が取れるか、楽しみです。

 ヘテロシグマ仕事を手がけ始めてそろそろ8年、実験室ベースの研究でわかることの限界が身にしみ始めています。少しでも、現場からサンプルを得る機会を増やして、研究の幅を広げたいと考えています。

2019年7月5日金曜日

研究報告:ヘテロシグマのミトコンドリアゲノム上の超可変領域に関する研究

さて、今回は、やっとの事で発表された論文の紹介です。

Phylogeographic characteristics of hypervariable regions in the mitochondrial genome of a cosmopolitan, bloom-forming raphidophyte, Heterosigma akashiwo.

 書くのに時間がかかったというよりも、むしろacceptされてからのeditorial processにやたらと時間がかかった気が。とはいえ、その手間のかけ方に良心的な雰囲気を感じるジャーナルでもありました。

 さて、内容です。
 私が偏愛している(?)ヘテロシグマ、学名Heterosigma akashiwoは、条件によって赤潮を形成する赤潮原因藻の一種です。ヘテロシグマは、以前は温帯にしか生息しないと考えられていましたが、ここ10数年の間に、寒帯から熱帯にわたる、世界中の浅海に生息することがわかってきました。
 ヘテロシグマのミトコンドリアは、ほぼ3万9千塩基対からなるゲノムを持っています。世界各地で見つかったヘテロシグマのミトコンドリアのゲノム配列を較べてみると、ほとんどの部分が全てのヘテロシグマで保存されているのに対して、3箇所だけ、非常に多様性に富んだ領域が存在することがわかりました。
 3箇所のうち、2箇所はタンパク質をコードする遺伝子であると考えられますが、このタンパク質はヘテロシグマ特有なもので、他の生物は持っていないようです。また、この二つのタンパク質は、よく似た配列を持っているため、似た機能を果たすものと考えられます。
 また、特に北半球の高緯度地域で見つかったヘテロシグマと、温帯〜熱帯で見つかったヘテロシグマが持つこれらの二つの遺伝子配列は明らかに異なることがわかりました。これらのタンパク質の機能はいまだに不明ですが、高緯度地方と低緯度地方の異なる環境――恐らくは水温や日照時間など――に適応するために必要な機能を持っているのではないかと考えています。

 実は、上で述べたタンパク質をコードする遺伝子二つのうち、一つについては、その配列多様性がヘテロシグマの”出身水域”に相関することを見つけて、すでに二本の論文として発表してあります。このタンパク質は、日本の株4株と北米高緯度地方産の株2株のミトコンドリア配列の全長を解読した際にその存在に気づき、mitochondria ゲノム上に存在するvariationに富んだOpen Reading Frame であることからMtORFvarと名付けて発表しました。

 その後、なぜ、今回になってさらに2箇所の多様性が高い領域が見つかったかというと、

1.  さらにヨーロッパ、北米低緯度地方、南米、シンガポール、ニュージーランドなどなどからいくつか選んだ株のミトコンドリア配列を比較したところで気がついた。

2. 以前は、ミトコンドリア上のORF配列を比較してMtORFvarに気がついたが、今回は、全ミトコンドリア配列の全長を比較して、初めて残り2箇所の多様性に気がついた。

 特に、2.については、私の解析のスキルが足りなかったから見つけられなかった感があり、恥じ入るところもなくはないですね。全長を比較して、各塩基の多様性を数値化して図示するという解析、そんなのあちこちに転がっているよね??と思いきや、適切なパッケージなどが手に入らず、結局は自分でスクリプトを書いて、最終的にはSupplemental Materialとして発表することになりました。解析のプロが見たら「拙いスクリプト!」と笑われるんじゃないのかなあ、と思いつつ、でも、もしも自分が書いたものがどこかでだれかに便利に使っていただけたら嬉しいんだけどな(おずおず)、と、いう気持ちもあり。

 相同性が高いふたつのORFは、最初に見つけたものをMtORFvar --> MtORFvar1と改め、ふたつ目をMtORFvar2とすることにして、発表しました。

 全長情報が増えたのが大きな要因とはいえ、シビアにいえば、以前の論文の解析が拙いのを、今回の論文でやり直したようなところがあり。一人でウジウジ悩んで書き上げたため、結局、人生初の単一著者論文となりました。 とはいえ、大学で研究をしながら、まるで個人の趣味のような研究成果の出し方は、やはり理想とはいえない。 

 去年から本学からの学生さんたちとしている仕事をまとめようとしながら、また、以前からの共同研究をまとめるためのスカイプ会議をしながら、やはり一緒に仕事ができる人がいるというのは、ありがたいな、としみじみ感謝を感じるとともに、こういう仕事の仕方を増やさなければ、と思います。 





2019年6月28日金曜日

日常復帰

 一つ前の記事を上げてから、なんと2週間が経っている!とびっくりしています。

 今回のチリ滞在は、備品納入後のセットアップと、それらを使った実験と...のつもりだったのが、大学ストで大幅な遅れ。それでなくても、すべてのプロセスが遅れがちな(笑)お国柄で、頑張って手続きを進めてもらってもここで数日、あそこで数日、と待ち時間がかかります。結局、私の滞在中に備品は納入されず.....。

 最終日は、3時半ぐらいまでラボで仕事をして、その後大学から車で10分かからないところにあるオソルノ空港まで、カウンターパート教授に送っていただきました。車のトランクから大型スーツケースを引っ張り出していると、彼の携帯がなり、電話は秘書さんから。彼は何やら大笑い。
 なんと、私たちが名残を惜しみながらラボを発ったその5分後に、納入備品の第一陣が到着!したとのこと。いやはや、ついていないというか 笑

 とはいえ、実験はできたし、リサーチアシスタントのトレーニングもできたし、ま、頑張ったよ、と、満足感とともに無事に日本に帰ってまいりました。

 オソルノ→サンティアゴ→NY→東京という道筋で帰って来るのは4回目(ほか3回は、ロス経由だのパリ経由だのだった)なのですが、東京で荷物が出てこない!のは2回目!NY JFKで置き去りにされたらしく、次の日には見つかって、無事に送っていただいたのですが、やはり出てきた!という報告をいただけるまでは気が揉めますね。
 JFKで、サンティアゴから到着するのはTerminal 8,で、ここで一度荷物を拾って、すぐに出口ゲート横の乗り継ぎのカウンターに引き渡すのですが、ここから日本に向けて立つ飛行機が出るTerminal 1までの輸送がうまくいっていないんだ、きっと。
 一度目は、あのスーツケースにつける長い紙タグが破れたとのことでしたが、今回は、紙タグはちゃんとついており、単に置いてけぼりを食わされたらしいです。みなさん、乗り継ぎのある国際線は、スーツケースの特徴はしっかり把握し、内外に自分の名前を書き、紛失時に特定できるように手を尽くしておきましょう(と恨みがましく細かくご報告 笑)

 さて、日本。
 1ヶ月も留守にすると、実験をしようにも「立ち上げ直し」の感あり。ヘテロシグマたちも、1ヶ月間継代しないという過酷な扱いに耐えてお留守番していてくれました。新しい培地に移して、そろっと育て直しています。
 今年一緒に実験する卒研生が本学から訪ねてきてくれたので、指導教員の先生と一緒に打ち合わせをしたり。
 
 そうこうしているうちに、一番最近に受理された論文がonlineされました。

 どうやって解析して、どうやって納得してもらおうか.....と悩んだ論文だったので、形になると嬉しいです。人生初のSingle author論文ですが、大学に籍を置きながらこれはちと寂しい。次に書く論文は、学生さんとの実験をまとめたものにしたいものです。
 
この論文、12月に投稿、3月に受理、と、クリスマス・お正月を挟んだことを考えると、結構順調に言ったように思うのですが、受理されてからの編集プロセスが長い長い。
 実は、すでにonlineされているのですが、color chargeの請求がきてない。。。。このまま逃げ切れちゃうのかしら?
 ともかくも、来週は、この論文の紹介をさせていただきます。
 

2019年6月14日金曜日

早くも最後の週

 1ヶ月滞在、来た時には「長いな。。。」と思っていましたが、毎度のことながら、すぎると短い。
 来週月曜日には帰国です。
 今回、こちらに到着して、大学スト!と聞いた時にはよろっとめまいがしましたが。
 物品購入のための公示入札もすみ、その中から納入業者を決め、とにかく発注は終了。
 先週直していただいた藻類培養器でもらってきたプランクトンを培養し、それを使った実験方法をアシスタントに教えたり。
 今後必要な細々した実験小道具を、チリ公立大独特なややこしい方法で発注かけてもらったり。
  ラボ専属秘書のヒルダさんとは、これまで言葉の壁からほとんどおしゃべりしたことがなかったのですが、大規模な居室部分改修の影響で、彼女と私は小さな部屋のデスクスペースで隣り合わせの席になりました。お陰で、毎朝毎晩ほっぺたをくっつけて挨拶を交わし、Google translatorを間に相談したり冗談言ったりして随分仲良くなれたのは、この時期ならではの僥倖です。物品購入その他多くの事務処理でお世話になっていることからも、仲良くなれたのは心強いしうれしいことです。居室スペースが出来上がったタイミングでやってきたらこれはなかったな.......。

 大学ストだの、長引いている改修工事だの、遅延要因は様々あったのですが、良い滞在になった気がします。

 とはいえ、チリというところは、この『ラボ発注から大学発注の間』に悪くすると1ヶ月!かかるようで。大学内での処理期間を短縮するために、カウンターパート教授に、購入部と話をしてくださるようにお願いしなければ。

 チリ公立大学は、とにかくなんでものんびりしています。
 『人が優しい』のと、『のんびりしている』のは、リンクしているんだろうなあ.....。逆に、テキパキと仕事が進むようになったら、こんなに誰もかれもが親切、とはいかないのでは。
 カウンターパート教授も大変お優しい方で、いつも私のチリ滞在中の安寧を気にかけてくださるのですが、私が半日かかると見る作業を三日後に....などと言われることが頻繁にあり、私が「今からやれば、今日の午後には終わるでしょ。できるんだったら、今やりましょっ」などと掛け声をかけるたびに、ちらりと苦笑い。
 日本からやってきてはせかせかとせっつく私が、一年間の共同研究ののちに彼から頂戴した冗談まじりのあだ名は、Your Majestyです。(女王)陛下....笑。

 仲良くやる、のはもちろん本当に大事ながら、効率も大事。5年あるプロジェクトの1年以上が終わってしまったことを考えても、仲良くを追求して単にのんびり、とはいきません。
 とはいえ、乗り込んいっては、あれやって!これやって!!....で、とうとう嫌われてしまったら、当然何も進まなくなる。

!!!.....というより、こんなに優しい人たちに、嫌われちゃったら悲しすぎる.....!!!

この辺のバランスをとるためにも、今はこちらに合わせてほぼ全て英語でしていただいている会話のうち、日常会話、ラボでのおしゃべりぐらいは、せめてスペイン語でする、しようとしてみせる、のは、大事な気がしています。倦まず弛まず、Google Translator片手にコンタクトを取ってくれるラボメイトに応えるためにも、ここはやはり、少しでもスペイン語を身につけなければ。

 ところで。
 スペイン語で、YesはSiです。
 先週も出てきた研究員@隣町(これからYさんとしておきましょう)から教えてもらったのですが、チリの方言、というか、口語で、これにpoをつけてSi-poというのが結構多いそうで。確かに、耳を澄ましていると、チリ人同士の会話では、相槌打つのに連発しています。
 彼女は、このことをスペイン語の個人教師から教えてもらったそうなのですが、私たちが、『Si-po!』と返事をすると、不意を突かれるのか、チリの人はみんなすっごく笑ってくれます。今まで滑ったことなし。笑

 ひとことで、わっと雰囲気が和むのを見るにつけ、やっぱり言葉って偉大だ。。。。と思います。
 
 .....言葉がわかれば、週末、街に出てひとりでお昼ご飯、のときにも、美味しいもの食べられますしね。



 
 
 

2019年6月7日金曜日

遅々としながら、進捗も

 オソルノ滞在3週間目。
 未だ備品が手元に届かない.....とはいえ、進捗を見ています。
 頑張ってくれている研究室の秘書、ヒルダさん。一歩間違ったら、「それ、私の仕事なの?」と後回しされても仕方ない業務なのでは、と思う面もあるので、毎日大学部局に電話を入れて進捗チェックを怠らずにいてくれる彼女に、本当に感謝です。
 また、搬入が遅れている実験機器を補おうと、ラボに長らく故障したまま置いてある機材の修理を試みてくれるモウリシオさん。いや、もう眠っている機材とはいえ、素人が電気系統いじるのって・・・と半信半疑な私の眼の前で、あちこち開けては、電気伝導度調べたり、モーターの回転をチェックしたり、あらら。。。部品つぎはぎながら、使えるようになった!


 同じプロジェクトに、長く米国に住でいた研究員が一人いて、彼女はこのプロジェクトの中核を担うIFOPという機関(オソルノの隣町)に滞在しています。彼女はチリ滞在8ヶ月になるのですが、彼女と、チリと米国の違いについて、特に外国人の立場で感じる違いについてのおしゃべりで、盛り上がりました。
 なんといっても、チリ人って、優しい。とくに、言葉が通じないことにものすごく寛大。これは、米国、特に東西両海岸沿いの都市部では、ほぼありえないことです。
 英語しか話せない私たち、しかし、チリで英語を話す人は、大学だとまあ2割、船員さんとか、非常に特化した技術補佐員が職員の多くを占めるIFOPでは1割。
 なのですが、何とか通じさせようと、Google translator駆使しての会話に倦むことのない彼ら。そもそも、会話の9割方は、通じなくて困るのは当方のみ、なわけで、それでもコミュニケーションをとってくれる彼らに、感謝と尊敬であります。
 ヒルダさんは、このプロジェクトが始まるのをきっかけに、英語の勉強を始めたのだそうで、週に1回の大学の英語教室に通っているのだそう。彼女の英語と私のスペイン語は、いい勝負。とはいえ、Google translatorは、英語⇄スペイン語の翻訳は相当優秀で、これを使えば、時間さえかければ、備品調達の事務手続きなど、込み入った話も何とかなるのはすごい。技術の進歩に感謝です。このプロジェクトが3年前だったら、こうはいかなかった。
 これだけしてくれる人たちに、いつまでも英語で話しかけるのは、イカンでしょう。というわけで、やはりスペイン語を身につけよう、と決意。ここに書いたからには、やります。

 そして、一方、どこにいても変わることない実験については、本プロジェクト専属のアシスタントのカレンさんと。ちょっとトリッキーなPCRを使った実験がうまくいかない...と言っていたのを、一緒にやってみてポイントを教えたところ、うまくいったのを見て、彼女の喜ぶこと。染色したゲルの写真をを見て、大喜び、そして、次の日の朝、うまくいかなかった時に相談したラボメイトに「みてみて、できた!うまくいった!!」と報告するのを見て、あはは、よかったよかった!そのまま続けて、今週の実験で、条件検討も終えられそう。
 凸凹多くはありますが、手当たり次第できることから始めると、進捗も出るものです。今回はあと10日程度ひと頑張り、次の9月訪問に向けて(!)きりのいいところまで進めたいところです。
 
 
 

2019年5月31日金曜日

オソルノ訪問、来てみたら。。。。

 さて、何度目だかわからなくなったチリ訪問。岡山-羽田-NY-サンティアゴ-オソルノ、と出発地から最終目的地まで4本飛行機を乗り継ぐ旅にも大分慣れて参りました。
 これだけ長いフライトだと、とにかく疲れるだけだし、仕事はほぼ無理。というわけで、諦めて、飛行機に座ったとなるとあっという間に眠りに落ちる、これはもう、『芸』の域なのでは。ほとんど誇っております。

 そんなこんなで、比較的難なくたどり着いたオソルノで、しかし、「大学スト」が待っていた。

 しばらく前から、訪問先のロスラゴス大学の学生の一部が、大学に幾つかの要求をして、それが叶えられないと抗議活動をしていたらしいのですが、とうとう、大学が封鎖になったとのこと。
 なんだか、1960年代の日本を彷彿とさせるような....危ないなあ、と思いきや、やっていることは、あちこちの入り口に大きな横断幕を張って(スペイン語だし、調べなかったので、何を書いてあるかはわかりません)、建物の入り口という入り口に椅子をたくさん積み上げてバリケードが築いてある。
 以上。
 学生さんはほとんどいないし、それでも入り込むと、学食は空いていて、静かにご飯食べている人はいるし、アジテーションも、ビラまきも何もなし。いえ、どこからか、素人バンドが練習している音とか、サッカーに興じている歓声が聞こえてきます。
 しかし大学は閉鎖。
 
 なんとも呑気、というか、大学職員は、大学閉鎖に対抗する気はないのか?「だって、中にはいれないもん」とばかりにお休みを楽しんでいるのか?と勘ぐりたくなるような状態です。
 今回は、購入した備品が次々にやってくるハズ、というタイミングでこの訪問を入れたので、こういうのは困ります。
 『困ったね〜〜』と笑顔でのたまう受け入れ先教授に、さすがにむかっぱらが立ちますとも、はい。笑
 『そう、困るわね、このままほっておくわけにはいかないわね、何しろ国際プロジェクトで両国の外務省が関わっているんだから。両国の大使から学長に電話入れてもらう?大学にとってはとっては結構恥さらしよね。そうね、内部でなんとかするために、まずは研究理事に電話入れて、購入部に話をしてもらったらどうかしら。それともなに、彼女もバケーション中?(英語です、スペイン語ではこうはいかない)』と、笑顔(のつもり)で、目を据えてジリジリ迫る私に、その手があったか、という感じで電話を手に取る受け入れ先教授。

 結局、何回かの電話でのやり取りで、特例措置で備品購入手続きを進めてもらうことに。やれば難なくできるんじゃないの、ですが、まあ、進み始めたので良いとしましょう。。。。とにかく、一つでも、1日でも早く備品が欲しいの、というこちらの希望を組んで動いてくださる研究室の秘書さんに本当に感謝です。

 その一方で、実験アシスタントに実験教えたり、購入手続きがもう少し簡単な消耗品類の購入手続きをしたり、実験方法について相談をしたり。こういうところはホームもアウェイも同じなのがありがたいところです。まあ、物品納入なんて、遅くなることこそあれ早まることはまずないのはどこの国でも同じ。今後のこともありますし、チリで物事を動かす「ツボ」を抑えて、ごりごり進めたいものです。 笑