2017年11月24日金曜日

デモ

 今週は、お願いしていたとある研究機器のデモがありました。

 この機器、赤潮研究に使っている人がいることは知っていたのですが、その頃のものは1台ウン千万円してしまう、高額機器。とっても自分では買えない上に、一般的に言って植物の研究には使えないもので。お値段を考えると、自分で買うなんてありえない、しかも、研究所に共用機器として入れることもありえない。「それ」がなければできない実験は、いくつも考えられる、ということは、私には一生(?)その手の実験には手が届かないんだ。。。。と、ミジメな気分になったのが、ちょうど6年前。

 ところが、です。
 この機器、特に哺乳類を扱う細胞生物学では、かなりメジャーでみんなが使いたい機器。最近、この機器を小さく、メンテナンスも簡単に、そして安価に!の変化が進み、頑張れば私でも手が届く範囲に入ってきてくれたのです。

 世の中の進歩ってありがたい....。 
 できること、できそうなことをデモで教えていただきながら、じわっと嬉しい気分でした。
 今週は、他にも、ちらっと研究関係でちょっと楽しみなお知らせを共同研究者からいただきました。こちらが発展してくれたとして、、デモしていただいた機器とうまく組み合わせることができれば。。。結構いろいろなことができるはず。ヘテロシグマ研究、細胞分子レベルで大きく発展、の手がかりにできる、は、ず......!

 今年も残るは5週間。チリ・プロジェクトの準備で、「研究者らしからぬ業務」で新鮮な気分を味わわせていただいた1年でしたが、やっぱり本業は実験科学、ラボでの嬉しい・楽しい出来事が一番です。
 
 

2017年11月17日金曜日

気温急降下

 今年の秋は、雨降りが多かった気がします。ここしばらく、久しぶりにカラッとした青空が。しかし、この季節にカラッと晴れると、いきなり気温が落ちたりしますね。
東京や大阪の気温を見ているそうでもないようですが、今週末、倉敷は一気に寒くなるようです。
 金曜日の最低気温、予報では2度。
 ついこの間まで暑さであえいでいたような気がするのですが。

 暑さと寒さと言えば。
 特に春頃から始まったチリプロジェクトの調整、春から2回南半球に飛んだり、書類はたくさん提出するし、いろいろな人たちと話をするしで、振り返ると、なかなか激しい半年間でした。
 やっとそろそろ落ち着きを見せてきて、別件で科研費の申請書書きも終わったし、気温が落ちるととも「平常モード」に帰ってきた気が。頭が冷えたような気分です。

 というわけで、平常モードの実験と解析と書物の毎日。
 今年は、研究費不足な一年で、お金がかかる実験はなるべく避けておりますが、一方で、これまでにいくつかやっていた次世代シークエンスのデータをねちねち解析すると、思わぬ収穫があったり。せっかくの平常モード、腰を落ち着けて色々まとめて論文につなげようと、解析と論文書きを同時進行。こう言うことは、ちょこちょこ出張が入ったり、提出書類が山積みになったりするとなかなかできない。頭冷やして平常モードって、本当にありがたい。

 去年は、修行はじめのスクリプト書きでなんとか配列解析→論文につなげたわけですが、今年は、ささやかながらスクリプトをデポジットするような論文にできるとよいな♫などと思いながら筆を進めています。
 

2017年11月10日金曜日

意外な効能

 このブログ、そもそも始めたのは、「狼煙効果」を期待して。

 私自身がこの研究所に着任して、新しいグループを立ち上げて新しいテーマで研究を始めて。。。というチャンスをいただいたわけですが、空っぽの部屋から新しいテーマで研究を始めると、、、、学会では発表をしていたのですが、論文がなかなか出せず。
 また、この研究所は大学のメインキャンパスから外れた所にある飛び地研究所。大学での授業を持っているわけではなく、となると、そもそも授業を担当することにより、自分がここにいる、と言うことを示すチャンスもない。できれば学生さんに来て欲しい、興味を持って欲しい、と思うと、これはなんとかExposure の機会を獲得せねば。
 つまり、自分が、この大学のこの研究所にいて、こんなことやってます、をなんとか知らせる方法として、このブログを始めたわけです。

 狼煙、っていうのは、ワイルドな匂いがする言葉として気に入っていたのですが、無い無い尽くしのスタートから、なんとか研究を軌道に乗せて結果を発表して、という、サバイバルな過程で選んだ言葉としては妙に適切かつ切実ですね。
 なんとか生きてるんだよ〜〜、という証に、、、っていうあたりが。。。。

 で、振り返ってみればほぼ5年間、ほぼ毎週活動状況を細々と続けているわけです。学生さんに読んでもらえているかは疑問ですが、思いもかけしない方が目を通してくださっている、というのも経験していたりします。以前、お目にかかったことのない他大学の先生から、集中講義担当のお誘いをいただき、しかし、テーマ違いのような気がして、「実は今はこんなことをやっているのですが、、、」と、このブログに言及したところ、こちらをご覧になってお声をかけてくださったとのこと。
 思わぬことに感激し、狼煙って大事だわ、などと思いました。
 
 同業者に読んでいただいている一方で、いつも読んでいてくださる方のお一人は、なんと中学校の同級生。
 中学校の3年間同じクラスで、その後顔をあわせることもなく成人し、しかしひょんなことから、米国ニューヨーク近郊の町で再会し、その後はご家族も含めてお付き合いさせていただいています。ちなみに、彼は、ビジネスマン。今でも米国で元気にご活躍中なわけですが。
 この間、その彼からメッセージが。
 『このあいだの記事に書いてあった、レファレンスにショートリードをマッピングして。。。。て、分かりやすく言うと、どういうこと?』夜、お酒を飲みながら読んでいたら気になったので、とのこと。
 彼が読んでいてくれているのは知っていたのですが、そして、実は書きながらそのことが頭をかすめ、もう少し説明工夫しようかな、、、、と思いつつ、そのまま載せてしまったのですが。
 こうやって、興味を持ってもらえると、とてもうれしいですね。週末のくつろいだときに面白く読んでいただけるって、なんというか、一番光栄です。
 色々表現を考えてお答えしたところ、それに対しても、「おお!わかってもらえた!」と言う手応えを感じるさらなる質問をいただいたりして、それも、と〜〜っても嬉しかったです。

 というわけで、Tさん、いつもお読みいただきありがとうございます。励みになります♫

 実は、自分でこのブログを読み返すと、x年前にはそんなこと考えていたのか?とか、こんな状態にいたんだ??とか、びっくりすることもしばしば。
 細々とでも長く続けていると、思わぬところで意外な効能を感じます。継続はなんとやらって、ほんとですね。