tag:blogger.com,1999:blog-76656861282094949612024-03-14T05:24:23.361+09:00Life in Innovative Research Group, IPSR: 研究室での毎日岡山大 資植研 萌芽・学際新展開G公式ブログです。
毎週、私たちがどのような仕事をしているか、大学で研究するというのはどういう生活なのかをお知らせしていこうと思います。
どうぞよろしくお願いします。innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.comBlogger300125tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-45237934481352106572019-11-15T16:24:00.002+09:002019-11-15T16:25:51.246+09:00なかなか鎮まらず チリの社会騒擾、まだ続いているようです。<br />
大学は、授業は全てキャンセル、しかし、大学職員は半日勤務程度で機能中。大方は平和的なデモなれど、時々暴徒化した集団がスーパーを襲ったり。<br />
カウンターパートと話してみると、日中は良いのだけれど、夕方にかけてだんだんわさわさしてくる、、、だそうで。いわば社会は略正常状態、といったところ。<br />
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私自身は、11月に3週間チリ滞在を予定していたのですが、APECがキャンセルのニュースを聞いて、私自身のチリ行きも今回は見送ることとしました。<br />
依然としてあちらに張り付いてくれている研究員の3名の話を聞くと、重い気持ちに。身の危険を感じるというわけでもないようですが、とはいえ、いつもは使わないアンテナを常に張っていなければならないといったところでしょうか。<br />
<br />
オソルノには、来月半ばに岡山に着任してくれるスペイン人の研究員が張り付くことになっているのですが、彼に現地に出向いてもらうタイミングも、様子見といったところです。<br />
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チリは、スペイン語圏なんだな、というのを実感するのは、ネットで探しても、私が理解できる日本語・英語の検索では、最新ニュースが上がってこない時。言葉の壁って、大きいですね、と今更実感です。<br />
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日本でできることを少しでも進めようとしながらも、ついつい、手の空いた時にニュース検索する毎日です。innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-58597052526300981972019-10-25T13:18:00.003+09:002019-10-25T13:18:46.271+09:00心配ごと 日本ではあまり報道されていませんが、いま、チリが揺れています。<br />
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ことは、先週半ばあたりに、以前から検討されていた、チリの首都サンティアゴの地下鉄運賃が、ほんの数%上がったこと。<br />
あるニュースソースによると、片道日本円で4.6円程度の値上げだそうです。<br />
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ところが、この程度の値上げが、実はチリ国民のうち結構な割合を占める低所得者層には相当の打撃だそうで。この値上げに抗議する形で、大規模無賃乗車が呼びかけられ、そこに端を発して、デモがあれてスーパーマーケット打ちこわしや、道でものを燃やすなどが頻発し、サンティアゴに非常事態宣言がおりました。<br />
<br />
あれから1週間。この動きはチリ全土に飛び火し、私がいつもお世話になっているオソルノ市にも、プロジェクトで結びつきの深いアントファガスタ・テムコ・プエルトモン市のいずれもが非常事態宣言&夜間外出禁止が。<br />
<br />
まさに、燎原の火の勢い。<br />
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いつもの穏やかな、時に笑いを誘われるようなのどかさのある土地ですが、今は様相が変わっています。<br />
大学も閉鎖、サンプリングも中止してもらっています。<br />
日本から着任している研究員達は皆無事。とはいえ、やはり不安を感じながらの生活を思うと胸が痛い。<br />
<br />
このブログは、大学のサイトからぶら下がってるため、あまり政治的なことを書き込む場ではないのですが。<br />
なぜ、こうなったかというと、社会にある大きな所得格差と、富めるものが利益をあげやすいような社会にシステムに、人々がとうとう耐える気をなくした、ということでしょうか。ある場所で見つけた数字によると、チリの最低所得者層5%の年収は、モンゴルの同じ層とほぼ同じ、一方、チリの最富裕者層2%の年収は、ドイツのそれと同じ、だそうです。<br />
また、チリの最低賃金は、現在一月301,000チリペソ、現在、一円だいたい6.7ペソ、と考えると、一月5万円未満ということになります。<br />
チリのスーパーマーケットに行って、生鮮食料品の値段を見ると、だいたい、日本の1割〜2割引き、という感じ。そう、チリは物価は安くない。衣料品や家庭用品などは、ほぼ日本の安売りめなお店と同じです(100円ショップなどに限れば日本の方が絶対お買い得)。<br />
普通の家庭人は、スーパーではなくて、昔ながらの市場で買い物をするわけですが、こういうところではもっと安いけれど、しかし、日本の物価の3分の1よりは高いぐらいでしょうか。ちなみに、大学の一月の授業料は250,000チリペソだそう(公的扶助があるので、この部分はかなり抑えられるそうですが)。<br />
<br />
片道五円弱の値上げでなんで??と思ったのですが、それはすなわち、1日10円程度の値上げが耐えられない家計を営んでいる人たちがそれだけいるということ。<br />
日本語に限定するとなかなかニュースが入ってこないので、世界のあちこちの新聞サイトを拾い読みして、情報収拾に勤めています。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-36982561268644571212019-10-11T09:35:00.003+09:002019-10-11T09:35:53.855+09:00久しぶりの記事です大変時間が空いてしまいました。<br />
またしても、なんていう記事で<a href="https://innoveresg.blogspot.com/2019/09/">チリに来てます</a>、などと書きそれっきり。<br />
いえ、当然ながら、9月なかばには帰国し、種々の事柄に忙殺されておりました。<br />
<br />
まずは、雇用。<br />
チリに駐在していただく研究員、なかなか人が決まらずにいたのですが、結局、スペインから来てもらうことに。<br />
外国籍の研究員を雇って、しかもチリに出張してもらうって、手続き上はどうするの??と事務の皆様にご相談。実は、こういうケース、事務でもはじめてということで、いろいろとご面倒お手間をかけながら、とりあえず雇用手続きとビザの手続きまで終えたところです。<br />
終えども終えども無限かと思えるぐらいに湧いてくる書類仕事に呆然としながら、とにかく目の前のことを片付けていたら、ある日、突然終わりが来た。<br />
彼は、つい先日博士号を取得したところ、手続きが順調に行ってくれれば12月なかばには倉敷にやって来ます。<br />
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他にも、シーズンとしては、科研費申請の季節だったり、チリプロジェクトから面倒ではあれど必要な手続きが生じたり、ワタワタ、ワタワタ、している間に、1ヶ月以上経ってしまいました。<br />
<br />
本格的に始まったのは、2018年春、プロジェクト申請は2016年秋だったので、あれからなんと3年!一体チリと日本を何往復したのだろう、と、そろそろ記憶が曖昧になって来ています。<br />
なぜこんなに行ったり来たりしなければならなかったかというと、それは、やはり、行かないと仕事が進まないから。<br />
実際に行ってみて、あちらのラボのメンバーとたくさん話し合いを持ち、ラボの設備も見せてもらい、機材購入のための手続き送金、実際に購入しようとしたらここでも日本とは事情が違う、やっとの事で購入手続き取ってみたら、なんと<a href="https://innoveresg.blogspot.com/2019/05/blog-post_31.html">大学ストでペンディング</a>したり、さらに本当だったら今頃までには終わっているはずのラボ改修は始まってもおらず、せっかくの新品機材は箱の中に眠ったまま。。。<br />
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改修といえば、ラボより先に始まった居室改修は、契約を結んだ会社が、給与未払いと劣悪待遇で現場労働者に逃げられてしまい、45日で終わる!と豪語していた(<a href="https://innoveresg.blogspot.com/2019/05/blog-post_17.html">これこれ、この記事です!</a>)のがすでに5ヶ月途中で放置。<br />
いや、やることスケール違いますね 笑。<br />
<br />
正直、ここ2ヶ月ぐらいは、チリ、と思うたびに、。。。。どこまで続くぬかるみぞ。。。という気分でした。<br />
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でも、この1週間でちょっと気分が変わっています。<br />
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4月から、週例スカイプ会議を持つことにしたのですが、まずは、機材の設置がほぼ終わったとの報せ。ラボ改修終わらないと設置しても。。。と渋るあちらのボスに、でも、それでは、来年頭に着任する研究員が仕事ができない!若い研究者の人生の時間を無駄にさせるわけにはいかないよね?との必死のアピールに答えていただいた格好です。<br />
必死に訴えながらも、しかし、あれだけ大型な機材をラボに入れるには、既存のものをかなり動かさなければならず、それは気が進まないだろうなあ、、、、と思っていたので、このニュースには、じぃん、としました。<br />
<br />
そして、昨日の朝。朝8時過ぎの通勤中、スマホに連続着信。プロジェクトのリサーチアシスタント、カレンから。「サンプリングしてきた海水を顕微鏡で見てみたら、赤潮原因藻らしきのがいる!みてみて!」と。時差12時間、そしてあちら水曜日ということは、朝9時過ぎから機材を車に詰め込んで、1時間半近く離れたポイントにサンプリングに行って、帰って来て、海水ろ過して冷凍して。。。とサンプル処理に夜8時まで追われ、で、海水を顕微鏡観察して見つけたのを、メッセージ送ってくれたということでしょう。<br />
赤潮が出ることを祈ってはいけないのですが、しかし、出ると研究材料が手に入るね!タイミング逃さないように、あれを準備して、別機関と連絡とって。。。。と、徒歩通勤の信号待ちごとにコメントをかわしながらやりとり。<br />
度重なる長期出張と、なかなか進まないセットアップに、相当消耗、なんで、このプロジェクト始めたんだっけ?と分からなくなりかけていたのが、そう、『これ』をやりたかったから、このプロジェクトを始めたんだ!と、いきなり思い出した感じ。<br />
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『いきなり頭上の雲が破れてぱあっと光が差し込む』感を味わった一瞬でした。<br />
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実は、またしても来月より3週間足らずのチリ出張の航空機予約を終えたところです。今度は、良い季節だろうな🎵innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-48101801266178907782019-09-02T01:27:00.002+09:002019-09-02T01:27:46.610+09:00またしても ずいぶんご無沙汰してしまいましたが、またしてもチリにおります。<br />
今回は、年に一度のプロジェクト全体会議を中心に、いつもサンプリングをさせていただいている桟橋周辺で操業されている地元の漁業従事者へのご挨拶や、小学校を訪問してのアウトリーチ活動、をはさんで研究活動。<br />
<br />
時は8月おわりから9月、ということは日本の2月おわりから3月始め、氷点下にはならないものの、私のメインの滞在地であるオソルノではセーターと真冬のコートが必須です。<br />
寒い!<br />
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とはいえ、すでに定宿となったホステルの前の、花が小さな桜が満開、こちらの早春の花であるミモザも綺麗に咲いています。<br />
数日前にオソルノに入り、まずはアウトリーチ活動の打ち合わせ、その後、あちこちの団体を回るために車で1時間半ほど離れたプエルトモンへ。一度、プエルトモンの対岸にあるカストロという町に関係団体を訪ね、その後全体会議のために、車で4時間半ほど北上してテムコという市へ。旅の中ほどは結構移動で忙しく、その後オソルノに戻ってきて研究活動。<br />
この、「研究以外」の活動にかかる時間が多いのは、今プロジェクトの特徴ですね。<br />
本日、これからバスに乗ってプエルトモンに移動です。<br />
あちこち訪問の際にこれからはもう少し写真を撮ろうと、今回はスマホだけではなく10年以上前に購入したコンデジをもってきました。innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-20858386441996463372019-08-02T00:00:00.000+09:002019-08-02T00:00:04.918+09:00そして猛暑! 梅雨がなかなか明けない....と思っていたところ、明けた途端に猛暑です。<br />
倉敷は、連日最高気温34度。<br />
というのですが、本当に34度かなぁ?もっとある気がしてしまいます。<br />
暑さに弱いので、水を飲んだり、ミネラルを摂るように気をつけてみたり。熱中症に気をつけて夏を乗り切りたいものです。<br />
<br />
サンプリングに出てから2週間、目的だった微生物単離を進めているのですが、その副産物で、『?』なことに気がついてしまいました。<br />
今まで、ヘテロシグマ培養には、市販の培地を使ってきたのですが、微生物単離に際して培地組成をいじってみたところ、ヘテロシグマの増殖速度に意外な結果が。<br />
え?ほんとに?というような結果なのですが、ひょっとしてこれって常識なのだろうか、と、過去の文献を引いてみるも、案外、「ヘテロシグマ増殖について」「培地各成分の影響を」「特に増殖速度や細胞サイズに着目して」調べてある、という仕事が引っかかってこない。<br />
実は、ヘテロシグマに限らず、赤潮原因藻の栄養塩濃度による増殖制御って、バッチリ調べられていると思い込んでいたので、こんなところに落とし穴、というか、はっきり調べられてこなかったニッチが存在するとは意外です。私がそこに気がついてやってみるべきなのですが、必要になったら文献で調べればいいや、と、敬遠していた部分だったので....。思い込みは禁物。<br />
<br />
とはいえ、この『?』な結果は、いろいろと考えてみると、ちょっと妄想が広がるような小さなきっかけを与えてくれました。<br />
ちょうど、共同研究者と一緒に、これまで解析しためたヘテロシグマのRNA-seqデータをまとめて、ヘテロシグマ発現遺伝子配列データベースを作ろう、仕上げよう!と、しているところなのですが、BLASTでちょこちょこ調べてみると、あら、こんな酵素も持っているのね?などと、上述の『妄想』をサポートしてくれたりして。<br />
暑くて動き回る気が失せる毎日の始まりですが、涼しくした室内でじっくり考えて作戦を練ろう、などという気分になっています。<br />
<br />innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-61454151385308519972019-07-19T13:00:00.000+09:002019-07-19T13:00:20.502+09:00乗船サンプリング ヘテロシグマ研究を始めて、始めて船に乗せていただいてのサプリングに行ってまいりました。<br />
兵庫県水産技術センターの赤潮調査船に同乗させていただき、半日がかりで播磨灘の8カ所を巡るという調査です。<br />
梅雨が長引いている今年ですが、当日は、良い天気。朝8時 50分に埠頭集合、というわけで、最寄駅から10分程度歩いて行くに、すでに暑い.....。乗船して、4、5時間程度、どんなことになるのか不安でした。<br />
幸いなことに、船はかなり新しい形のもので、船室には冷房付き。ほっ。<br />
<br />
今回は、初めての乗船で、「ブログに載せたいので写真とらせてください!」とは、ちょっといい出せませんでした 笑。<br />
<br />
各地点で、センサーを下ろして、異なる深さの塩度、水温、クロロフィル蛍光強度、pHなどの測定、また、決まった水深からの採水などが週に1回ずつ、近隣県と協調して行われているわけです。私は各地点から、少量ずつ海水をサンプリング。私の目的は、ヘテロシグマと生物学的な相互作用が見られる細菌の単離なのですが、上記のような環境データが伴った形でサンプリングできるのは、大変ありがたいことで、今回の調査に同行させていただきました。船の操作をされる方と、測定や採水を手がける方と、皆さん、各ポイントにつくと、さっと仕事にかかり、テキパキテキパキ。。。。。と各地点での作業は五分程度で終了。採水された海水は、フィルター濾過により濃縮して、含まれているプランクトンの数を当日中に数えて、他のデータとともに漁業操業者と共有するのだそうです。兵庫県ではないのですが、他県で、特に養殖が盛んな水域では、朝から調査に出て、データを全て得て共有するのは、お昼時、午後3時を過ぎて共有すると苦情が出るとのこと。赤潮が発生した場合に、対策として、養殖魚への給餌を止める(餌止め)のですが、その水域での1日の養殖魚餌代が数百万円に上るため、餌止めの必要がある場合には一刻も早く周知の必要があるのだそうです。<br />
こういう活動で、日本の水産業が守られているのですね。この仕事をしてなかったら知り得なかったことです。<br />
<br />
船酔いしたら困るな....というわけで、酔い止めを一応服用していったのですが、幸いなことに海は穏やかで、あまり揺れずに、その意味では無事。確かに、降りてからも妙に頭が重く、調子悪い気もしたのですが、あれは、船酔いの症状なのか、それとも薬の症状のなのかは、ハテナ、という程度で助かりました。<br />
<br />
海水を抱えて帰ってきて(持ち運べる程度とはいえ、流石に重かった)、いろいろと実験を仕掛けながら、さて、何が取れるか、楽しみです。<br />
<br />
ヘテロシグマ仕事を手がけ始めてそろそろ8年、実験室ベースの研究でわかることの限界が身にしみ始めています。少しでも、現場からサンプルを得る機会を増やして、研究の幅を広げたいと考えています。innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-47943760205007588682019-07-05T00:00:00.000+09:002019-07-05T00:00:00.517+09:00研究報告:ヘテロシグマのミトコンドリアゲノム上の超可変領域に関する研究さて、今回は、やっとの事で発表された論文の紹介です。<br />
<br />
<a href="https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jpy.12868">Phylogeographic characteristics of hypervariable regions in the mitochondrial genome of a cosmopolitan, bloom-forming raphidophyte, <i>Heterosigma akashiwo.</i></a><br />
<br />
書くのに時間がかかったというよりも、むしろacceptされてからのeditorial processにやたらと時間がかかった気が。とはいえ、その手間のかけ方に良心的な雰囲気を感じるジャーナルでもありました。<br />
<br />
さて、内容です。<br />
私が偏愛している(?)ヘテロシグマ、学名Heterosigma akashiwoは、条件によって赤潮を形成する赤潮原因藻の一種です。ヘテロシグマは、以前は温帯にしか生息しないと考えられていましたが、ここ10数年の間に、寒帯から熱帯にわたる、世界中の浅海に生息することがわかってきました。<br />
ヘテロシグマのミトコンドリアは、ほぼ3万9千塩基対からなるゲノムを持っています。世界各地で見つかったヘテロシグマのミトコンドリアのゲノム配列を較べてみると、ほとんどの部分が全てのヘテロシグマで保存されているのに対して、3箇所だけ、非常に多様性に富んだ領域が存在することがわかりました。<br />
3箇所のうち、2箇所はタンパク質をコードする遺伝子であると考えられますが、このタンパク質はヘテロシグマ特有なもので、他の生物は持っていないようです。また、この二つのタンパク質は、よく似た配列を持っているため、似た機能を果たすものと考えられます。<br />
また、特に北半球の高緯度地域で見つかったヘテロシグマと、温帯〜熱帯で見つかったヘテロシグマが持つこれらの二つの遺伝子配列は明らかに異なることがわかりました。これらのタンパク質の機能はいまだに不明ですが、高緯度地方と低緯度地方の異なる環境――恐らくは水温や日照時間など――に適応するために必要な機能を持っているのではないかと考えています。<br />
<br />
実は、上で述べたタンパク質をコードする遺伝子二つのうち、一つについては、その配列多様性がヘテロシグマの”出身水域”に相関することを見つけて、すでに二本の論文として発表してあります。このタンパク質は、日本の株4株と北米高緯度地方産の株2株のミトコンドリア配列の全長を解読した際にその存在に気づき、<u>mi</u>tochondria ゲノム上に存在する<u>var</u>iationに富んだ<u>O</u>pen <u>R</u>eading <u>F</u>rame であることからMtORFvarと名付けて発表しました。<br />
<br />
その後、なぜ、今回になってさらに2箇所の多様性が高い領域が見つかったかというと、<br />
<br />
1. さらにヨーロッパ、北米低緯度地方、南米、シンガポール、ニュージーランドなどなどからいくつか選んだ株のミトコンドリア配列を比較したところで気がついた。<br />
<br />
2. 以前は、ミトコンドリア上のORF配列を比較してMtORFvarに気がついたが、今回は、全ミトコンドリア配列の全長を比較して、初めて残り2箇所の多様性に気がついた。<br />
<br />
特に、2.については、私の解析のスキルが足りなかったから見つけられなかった感があり、恥じ入るところもなくはないですね。全長を比較して、各塩基の多様性を数値化して図示するという解析、そんなのあちこちに転がっているよね??と思いきや、適切なパッケージなどが手に入らず、結局は自分でスクリプトを書いて、最終的にはSupplemental Materialとして発表することになりました。解析のプロが見たら「拙いスクリプト!」と笑われるんじゃないのかなあ、と思いつつ、でも、もしも自分が書いたものがどこかでだれかに便利に使っていただけたら嬉しいんだけどな(おずおず)、と、いう気持ちもあり。<br />
<br />
相同性が高いふたつのORFは、最初に見つけたものをMtORFvar --> MtORFvar1と改め、ふたつ目をMtORFvar2とすることにして、発表しました。<br />
<br />
全長情報が増えたのが大きな要因とはいえ、シビアにいえば、以前の論文の解析が拙いのを、今回の論文でやり直したようなところがあり。一人でウジウジ悩んで書き上げたため、結局、人生初の単一著者論文となりました。 とはいえ、大学で研究をしながら、まるで個人の趣味のような研究成果の出し方は、やはり理想とはいえない。 <br />
<br />
去年から本学からの学生さんたちとしている仕事をまとめようとしながら、また、以前からの共同研究をまとめるためのスカイプ会議をしながら、やはり一緒に仕事ができる人がいるというのは、ありがたいな、としみじみ感謝を感じるとともに、こういう仕事の仕方を増やさなければ、と思います。 <br />
<span style="font-family: "arial" , "helvetica" , sans-serif;"><span style="font-family: inherit;"><br /></span>
<span style="font-family: inherit;"><span style="font-family: "ms 明朝";"><br /></span>
</span></span><br />
<span style="font-family: "arial" , "helvetica" , sans-serif;"><br /></span>
<span lang="EN-US" style="font-family: "century" , serif; font-size: 12pt;"><br /></span>innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-33348170597075264682019-06-28T00:00:00.000+09:002019-06-28T00:00:02.360+09:00日常復帰 一つ前の記事を上げてから、なんと2週間が経っている!とびっくりしています。<br />
<br />
今回のチリ滞在は、備品納入後のセットアップと、それらを使った実験と...のつもりだったのが、大学ストで大幅な遅れ。それでなくても、すべてのプロセスが遅れがちな(笑)お国柄で、頑張って手続きを進めてもらってもここで数日、あそこで数日、と待ち時間がかかります。結局、私の滞在中に備品は納入されず.....。<br />
<br />
最終日は、3時半ぐらいまでラボで仕事をして、その後大学から車で10分かからないところにあるオソルノ空港まで、カウンターパート教授に送っていただきました。車のトランクから大型スーツケースを引っ張り出していると、彼の携帯がなり、電話は秘書さんから。彼は何やら大笑い。<br />
なんと、私たちが名残を惜しみながらラボを発ったその5分後に、納入備品の第一陣が到着!したとのこと。いやはや、ついていないというか 笑<br />
<br />
とはいえ、実験はできたし、リサーチアシスタントのトレーニングもできたし、ま、頑張ったよ、と、満足感とともに無事に日本に帰ってまいりました。<br />
<br />
オソルノ→サンティアゴ→NY→東京という道筋で帰って来るのは4回目(ほか3回は、ロス経由だのパリ経由だのだった)なのですが、東京で荷物が出てこない!のは2回目!NY JFKで置き去りにされたらしく、次の日には見つかって、無事に送っていただいたのですが、やはり出てきた!という報告をいただけるまでは気が揉めますね。<br />
JFKで、サンティアゴから到着するのはTerminal 8,で、ここで一度荷物を拾って、すぐに出口ゲート横の乗り継ぎのカウンターに引き渡すのですが、ここから日本に向けて立つ飛行機が出るTerminal 1までの輸送がうまくいっていないんだ、きっと。<br />
一度目は、あのスーツケースにつける長い紙タグが破れたとのことでしたが、今回は、紙タグはちゃんとついており、単に置いてけぼりを食わされたらしいです。みなさん、乗り継ぎのある国際線は、スーツケースの特徴はしっかり把握し、内外に自分の名前を書き、紛失時に特定できるように手を尽くしておきましょう(と恨みがましく細かくご報告 笑)<br />
<br />
さて、日本。<br />
1ヶ月も留守にすると、実験をしようにも「立ち上げ直し」の感あり。ヘテロシグマたちも、1ヶ月間継代しないという過酷な扱いに耐えてお留守番していてくれました。新しい培地に移して、そろっと育て直しています。<br />
今年一緒に実験する卒研生が本学から訪ねてきてくれたので、指導教員の先生と一緒に打ち合わせをしたり。<br />
<br />
そうこうしているうちに、一番最近に受理された論文が<a href="https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/jpy.12868">online</a>されました。<br />
<br />
どうやって解析して、どうやって納得してもらおうか.....と悩んだ論文だったので、形になると嬉しいです。人生初のSingle author論文ですが、大学に籍を置きながらこれはちと寂しい。次に書く論文は、学生さんとの実験をまとめたものにしたいものです。<br />
<br />
<div class="MsoNormal" style="font-family: Century, serif; margin: 0mm 0mm 0.0001pt; text-align: justify;">
<span lang="EN-US"><o:p></o:p></span></div>
この論文、12月に投稿、3月に受理、と、クリスマス・お正月を挟んだことを考えると、結構順調に言ったように思うのですが、受理されてからの編集プロセスが長い長い。<br />
実は、すでにonlineされているのですが、color chargeの請求がきてない。。。。このまま逃げ切れちゃうのかしら?<br />
ともかくも、来週は、この論文の紹介をさせていただきます。<br />
innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-79814742631103174332019-06-14T00:00:00.000+09:002019-06-14T00:00:00.608+09:00早くも最後の週 1ヶ月滞在、来た時には「長いな。。。」と思っていましたが、毎度のことながら、すぎると短い。<br />
来週月曜日には帰国です。<br />
今回、こちらに到着して、大学スト!と聞いた時にはよろっとめまいがしましたが。<br />
物品購入のための公示入札もすみ、その中から納入業者を決め、とにかく発注は終了。<br />
先週直していただいた藻類培養器でもらってきたプランクトンを培養し、それを使った実験方法をアシスタントに教えたり。<br />
今後必要な細々した実験小道具を、チリ公立大独特なややこしい方法で発注かけてもらったり。<br />
ラボ専属秘書のヒルダさんとは、これまで言葉の壁からほとんどおしゃべりしたことがなかったのですが、大規模な居室部分改修の影響で、彼女と私は小さな部屋のデスクスペースで隣り合わせの席になりました。お陰で、毎朝毎晩ほっぺたをくっつけて挨拶を交わし、Google translatorを間に相談したり冗談言ったりして随分仲良くなれたのは、この時期ならではの僥倖です。物品購入その他多くの事務処理でお世話になっていることからも、仲良くなれたのは心強いしうれしいことです。居室スペースが出来上がったタイミングでやってきたらこれはなかったな.......。<br />
<br />
大学ストだの、長引いている改修工事だの、遅延要因は様々あったのですが、良い滞在になった気がします。<br />
<br />
とはいえ、チリというところは、この『ラボ発注から大学発注の間』に悪くすると1ヶ月!かかるようで。大学内での処理期間を短縮するために、カウンターパート教授に、購入部と話をしてくださるようにお願いしなければ。<br />
<br />
チリ公立大学は、とにかくなんでものんびりしています。<br />
『人が優しい』のと、『のんびりしている』のは、リンクしているんだろうなあ.....。逆に、テキパキと仕事が進むようになったら、こんなに誰もかれもが親切、とはいかないのでは。<br />
カウンターパート教授も大変お優しい方で、いつも私のチリ滞在中の安寧を気にかけてくださるのですが、私が半日かかると見る作業を三日後に....などと言われることが頻繁にあり、私が「今からやれば、今日の午後には終わるでしょ。できるんだったら、今やりましょっ」などと掛け声をかけるたびに、ちらりと苦笑い。<br />
日本からやってきてはせかせかとせっつく私が、一年間の共同研究ののちに彼から頂戴した冗談まじりのあだ名は、Your Majestyです。(女王)陛下....笑。<br />
<br />
仲良くやる、のはもちろん本当に大事ながら、効率も大事。5年あるプロジェクトの1年以上が終わってしまったことを考えても、仲良くを追求して単にのんびり、とはいきません。<br />
とはいえ、乗り込んいっては、あれやって!これやって!!....で、とうとう嫌われてしまったら、当然何も進まなくなる。<br />
<br />
<div style="text-align: center;">
!!!.....というより、こんなに優しい人たちに、嫌われちゃったら悲しすぎる.....!!!</div>
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<br /></div>
この辺のバランスをとるためにも、今はこちらに合わせてほぼ全て英語でしていただいている会話のうち、日常会話、ラボでのおしゃべりぐらいは、せめてスペイン語でする、しようとしてみせる、のは、大事な気がしています。倦まず弛まず、Google Translator片手にコンタクトを取ってくれるラボメイトに応えるためにも、ここはやはり、少しでもスペイン語を身につけなければ。<br />
<br />
ところで。<br />
スペイン語で、YesはSiです。<br />
先週も出てきた研究員@隣町(これからYさんとしておきましょう)から教えてもらったのですが、チリの方言、というか、口語で、これにpoをつけてSi-poというのが結構多いそうで。確かに、耳を澄ましていると、チリ人同士の会話では、相槌打つのに連発しています。<br />
彼女は、このことをスペイン語の個人教師から教えてもらったそうなのですが、私たちが、『Si-po!』と返事をすると、不意を突かれるのか、チリの人はみんなすっごく笑ってくれます。今まで滑ったことなし。笑<br />
<br />
ひとことで、わっと雰囲気が和むのを見るにつけ、やっぱり言葉って偉大だ。。。。と思います。<br />
<br />
.....言葉がわかれば、週末、街に出てひとりでお昼ご飯、のときにも、美味しいもの食べられますしね。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-35792176679573571482019-06-07T00:58:00.001+09:002019-06-07T22:05:29.975+09:00遅々としながら、進捗も オソルノ滞在3週間目。<br />
未だ備品が手元に届かない.....とはいえ、進捗を見ています。<br />
頑張ってくれている研究室の秘書、ヒルダさん。一歩間違ったら、「それ、私の仕事なの?」と後回しされても仕方ない業務なのでは、と思う面もあるので、毎日大学部局に電話を入れて進捗チェックを怠らずにいてくれる彼女に、本当に感謝です。<br />
また、搬入が遅れている実験機器を補おうと、ラボに長らく故障したまま置いてある機材の修理を試みてくれるモウリシオさん。いや、もう眠っている機材とはいえ、素人が電気系統いじるのって・・・と半信半疑な私の眼の前で、あちこち開けては、電気伝導度調べたり、モーターの回転をチェックしたり、あらら。。。部品つぎはぎながら、使えるようになった!<br />
<br />
<br />
同じプロジェクトに、長く米国に住でいた研究員が一人いて、彼女はこのプロジェクトの中核を担うIFOPという機関(オソルノの隣町)に滞在しています。彼女はチリ滞在8ヶ月になるのですが、彼女と、チリと米国の違いについて、特に外国人の立場で感じる違いについてのおしゃべりで、盛り上がりました。<br />
なんといっても、チリ人って、優しい。とくに、言葉が通じないことにものすごく寛大。これは、米国、特に東西両海岸沿いの都市部では、ほぼありえないことです。<br />
英語しか話せない私たち、しかし、チリで英語を話す人は、大学だとまあ2割、船員さんとか、非常に特化した技術補佐員が職員の多くを占めるIFOPでは1割。<br />
なのですが、何とか通じさせようと、Google translator駆使しての会話に倦むことのない彼ら。そもそも、会話の9割方は、通じなくて困るのは当方のみ、なわけで、それでもコミュニケーションをとってくれる彼らに、感謝と尊敬であります。<br />
ヒルダさんは、このプロジェクトが始まるのをきっかけに、英語の勉強を始めたのだそうで、週に1回の大学の英語教室に通っているのだそう。彼女の英語と私のスペイン語は、いい勝負。とはいえ、Google translatorは、英語⇄スペイン語の翻訳は相当優秀で、これを使えば、時間さえかければ、備品調達の事務手続きなど、込み入った話も何とかなるのはすごい。技術の進歩に感謝です。このプロジェクトが3年前だったら、こうはいかなかった。<br />
これだけしてくれる人たちに、いつまでも英語で話しかけるのは、イカンでしょう。というわけで、やはりスペイン語を身につけよう、と決意。ここに書いたからには、やります。<br />
<br />
そして、一方、どこにいても変わることない実験については、本プロジェクト専属のアシスタントのカレンさんと。ちょっとトリッキーなPCRを使った実験がうまくいかない...と言っていたのを、一緒にやってみてポイントを教えたところ、うまくいったのを見て、彼女の喜ぶこと。染色したゲルの写真をを見て、大喜び、そして、次の日の朝、うまくいかなかった時に相談したラボメイトに「みてみて、できた!うまくいった!!」と報告するのを見て、あはは、よかったよかった!そのまま続けて、今週の実験で、条件検討も終えられそう。<br />
凸凹多くはありますが、手当たり次第できることから始めると、進捗も出るものです。今回はあと10日程度ひと頑張り、次の9月訪問に向けて(!)きりのいいところまで進めたいところです。<br />
<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-65669596721175913832019-05-31T00:00:00.000+09:002019-05-31T00:00:01.900+09:00オソルノ訪問、来てみたら。。。。 さて、何度目だかわからなくなったチリ訪問。岡山-羽田-NY-サンティアゴ-オソルノ、と出発地から最終目的地まで4本飛行機を乗り継ぐ旅にも大分慣れて参りました。<br />
これだけ長いフライトだと、とにかく疲れるだけだし、仕事はほぼ無理。というわけで、諦めて、飛行機に座ったとなるとあっという間に眠りに落ちる、これはもう、『芸』の域なのでは。ほとんど誇っております。<br />
<br />
そんなこんなで、比較的難なくたどり着いたオソルノで、しかし、「大学スト」が待っていた。<br />
<br />
しばらく前から、訪問先のロスラゴス大学の学生の一部が、大学に幾つかの要求をして、それが叶えられないと抗議活動をしていたらしいのですが、とうとう、大学が封鎖になったとのこと。<br />
なんだか、1960年代の日本を彷彿とさせるような....危ないなあ、と思いきや、やっていることは、あちこちの入り口に大きな横断幕を張って(スペイン語だし、調べなかったので、何を書いてあるかはわかりません)、建物の入り口という入り口に椅子をたくさん積み上げてバリケードが築いてある。<br />
以上。<br />
学生さんはほとんどいないし、それでも入り込むと、学食は空いていて、静かにご飯食べている人はいるし、アジテーションも、ビラまきも何もなし。いえ、どこからか、素人バンドが練習している音とか、サッカーに興じている歓声が聞こえてきます。<br />
しかし大学は閉鎖。<br />
<br />
なんとも呑気、というか、大学職員は、大学閉鎖に対抗する気はないのか?「だって、中にはいれないもん」とばかりにお休みを楽しんでいるのか?と勘ぐりたくなるような状態です。<br />
今回は、購入した備品が次々にやってくるハズ、というタイミングでこの訪問を入れたので、こういうのは困ります。<br />
『困ったね〜〜』と笑顔でのたまう受け入れ先教授に、さすがにむかっぱらが立ちますとも、はい。笑<br />
『そう、困るわね、このままほっておくわけにはいかないわね、何しろ国際プロジェクトで両国の外務省が関わっているんだから。両国の大使から学長に電話入れてもらう?大学にとってはとっては結構恥さらしよね。そうね、内部でなんとかするために、まずは研究理事に電話入れて、購入部に話をしてもらったらどうかしら。それともなに、彼女もバケーション中?<span style="font-size: x-small;">(英語です、スペイン語ではこうはいかない)</span>』と、笑顔(のつもり)で、目を据えてジリジリ迫る私に、その手があったか、という感じで電話を手に取る受け入れ先教授。<br />
<br />
結局、何回かの電話でのやり取りで、特例措置で備品購入手続きを進めてもらうことに。やれば難なくできるんじゃないの、ですが、まあ、進み始めたので良いとしましょう。。。。とにかく、一つでも、1日でも早く備品が欲しいの、というこちらの希望を組んで動いてくださる研究室の秘書さんに本当に感謝です。<br />
<br />
その一方で、実験アシスタントに実験教えたり、購入手続きがもう少し簡単な消耗品類の購入手続きをしたり、実験方法について相談をしたり。こういうところはホームもアウェイも同じなのがありがたいところです。まあ、物品納入なんて、遅くなることこそあれ早まることはまずないのはどこの国でも同じ。今後のこともありますし、チリで物事を動かす「ツボ」を抑えて、ごりごり進めたいものです。 笑innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-83609473611049255142019-05-17T00:00:00.000+09:002019-05-17T00:00:06.994+09:00次のチリ訪問 ついこの間帰って来たばかりのような気もしますが、次のチリ訪問が迫っています。<br />
今回は、やっと、やっと、やっとの事で、研究に必要な備品が入ることに!<br />
極めて一般的なものばかりではありますが、逆に言えば、それらがない(というか、共同研究ラボが保有する設備を使わせていただく一方だった)というのは、致命的に不便だし、申し訳なかった。。。。<br />
<br />
今回は、すべてが揃う、はず!というわけで、こうやって書いているだけでも目の前がぱあっと広がる感じです 笑。<br />
<br />
実は、それに加えて、あちらのラボ改修も進んでいるはず。今までは、大学の一棟ではありながら、実はホストラボのGajardo教授が過去に獲得した研究費で少しずつ建て増したり改良したりして来たラボだったのですが、本プロジェクトが始まるのを機に、大学が予算を組んでくださり、ラボ一帯を大改造することに。<br />
4月第2週ぐらいから始まり、5月末ぐらいには終わる予定の大改装。<br />
彼らとは、4月初めから1週間に一度ずつ、スカイプでミーティングを持っていろいろ相談したり報告しあったりしているのですが、その際にも、毎回違う部屋を使ったり(部屋を順番に改装しているので)、ネット接続が極端に悪かったりと、かなり不便そうでした。<br />
とはいえ、大規模改装、のあとには、幸せが待っている!<br />
というのが、過去に2年以上にわたる研究所改装で3回引っ越しを余儀なくされた私めの体験です。笑<br />
どんなことになっているのか、どのぐらいまで改装が進んでいるのか、行ってみてのお楽しみ、です。<br />
<br />
今回の滞在は、1ヶ月。だんだん、長さの感覚にも麻痺して来ています。<br />
最高気温12、3度、最低気温5、6度、といえば倉敷の3月初めの気候でしょうか。<br />
4月の始めあたりに衣替えしてしまい込んだセーターを引っ張り出し、ドラッグストアでカイロを買い込み(寒がりなのです)、向こうで使うちょっとした実験消耗品や、お土産や、また、冬は雨季に当たるので、長靴とウィンドブレーカー上下などなど、スーツケースに詰め込む日が続いております。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-38250410527823434622019-05-01T13:50:00.001+09:002019-05-01T13:50:15.388+09:00令和元年です 大変お久しぶりです。<br />
ハッと気づいたら、元号切り替え10連休に突入しておりました。本日より元号令和、みなさま、いかがお過ごしでしょうか。<br />
<br />
倉敷は観光地、ちょっと出て行くと、さすが10連休、すごい人です。<br />
7年半前に着任した時には、ほどほどに活気がある観光地、だったのですが、年々パワーアップした感じ。とはいえ、最近は、歩いていると、日本語より外国語がより聞こえてくるような。<br />
倉敷って、京都大阪東京に比べれば、それはそれはマイナーな観光地なわけですが、2度目、3度目に日本を訪れるときの訪問地として、じわっと人気をあげてきているらしいです。今回は、10連休とあって、いつもよりは日本人が多いような気も。昨年の大雨の直後は、閑散とした時期があったのですが(美観地区はほとんど影響はなかったのですが)、何事もなかったかのようによみがえってくれたのは嬉しいことです。<br />
<br />
10連休の前半は、結構雨に降られました。今日もどんより曇り空。とはいえ、歩き回る観光客には、暑すぎなくてかえってよいかも、ですね。<br />
<br />
私自身は、いくつか仕事があり、半分ぐらいはゆるゆる働くかな....という連休を過ごしております。居室のPCに向かって書き物中。少数ですが、圃場では、黙々と畑仕事をする職員の姿が見られます。中に入れば、この連休中なのに、特に外国人研究員のおしゃべりする声がよく聞こえる。お隣ラボの短期訪問研究員のみなさんが、寸暇を惜しんで実験している模様。とはいえ、人が少ない分、みなさん、笑い声が多く、なんとなく楽しそうだったりも。そう、実験だろうと書き物だろうと、みんなが休んでいる時に働くというのは、ゆるゆる、のペースで良いのならば、リラックスして悪くない、気も、します。追いまくられていると、ちょっと悲壮ですけどね。笑innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-74346047278097340272019-04-12T00:00:00.000+09:002019-04-12T00:00:08.085+09:00さて新年度 新年度スタートですね。<br />
全国的に、気温が上がらない感があるようですが、倉敷も御多分に洩れず。桜が咲き始めたのが4月に入ってから、満開になるまで1週間以上かかったという、珍しく長い時間桜が楽しめた春でした。<br />
桜が咲いている横で、まずは4月1日発表分の科研費が採択されず、あらら。。。<br />
今年いただけると決まっている予算が既にいくつかあるため、予算が足りずに困っているわけではないのですが、新年早々、「外した」のは、がっかり。<br />
まだ結果が出ていない分に期待をかけつつ、別予算を申請する計画を立てたりしています。<br />
<br />
その一方で、投稿していた論文が受理されました♪ただいま最終的publish一歩手前の製版?中。自分としては、まとめ上げるのに苦労した論文なので、ほっと一息、嬉しいです。<br />
この仕事は、世界各地にいるヘテロシグマのミトコンドリアゲノムの配列を、詳しく調べたもの。2017年に、ミトコンドリアゲノム上の遺伝子、MtORFvarというのを見つけて、その配列多様性が、それぞれのヘテロシグマの由来水域と相関している、という仕事を発表しましたが、その発展版です。<br />
最終的に出版されたら、仕事紹介させていただきたいと思います。<br />
<br />
そして、今年度も、チリプロは続きます。 私も、5月あたりに再びチリ訪問の予定。今度は、初冬にあたり、よく雨が降るそうです。ネットで長靴をポチったり、準備を進めています。以前、<a href="https://innoveresg.blogspot.com/2017/06/2.html">6月に1週間程度、弾丸訪チリ</a>しましたが、確かにあの時は寒くて雨が多かった。。。。。今度は数週間行くわけで、今のうちに貼るカイロを買い占めておこうと思います。笑<br />
<br />
ところで。このプロジェクトに関連して、<a href="https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=0&id=D119021437&ln_jor=0">国内で研究の手助けをしてくださる方</a>と、<a href="https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=0&id=D119031373&ln_jor=0">チリでの活動に加わっていただく方</a>を募集中です。どしどしご応募ください!<br />
<br />
<br />
innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-84276909534965073912019-03-22T02:27:00.000+09:002019-04-01T08:26:25.544+09:00オソルノにて さて、今年度最後のポストになりそうです。<br />
現在、チリはオソルノにおります。<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%8E">オソルノって、こんなところ</a><br />
<br />
あら、市の中心にはこんなところがあるのね、という感じですが、私がお世話になるUniversidad Los Lagosは、市の中心からは数キロ離れたところにあり、そう、この小さな大学と、極めて好都合なことに、私が滞在しているホステルと、もう一つもう少し立派なホテル、そして、発着にお世話になる空港以外には何もない笑。<br />
<br />
日本を発つ前に、天気予報をチェックしながら、あら、オソルノは夏の終わりのはずなのに、日本の4月初めぐらいの気候なのね、と思ったのですが。<br />
きてみたら、あら、寒い。ホステルのご主人が、寒いだろうから、と、部屋に暖房を入れてくださり、私は日本を出る時までは必要だと思っていたセーターを着て過ごしました。<br />
朝9時に外に出てみたら霜が降りていたり、しかし日中は気温は17度ぐらいまでは上がり、午前と午後に結構激しく短い時間雨が降ったりします(とはいえ、日本の夕立、というのに比べれば弱い)。お世話になっているラボの技官さんによると、チリの南には典型的な気候、だそうです。<br />
<br />
さて、このプロジェクトも、本格的に予算がついて1年近く経っているのですが、特に、日本から供与する機材をチリで購入しようと、日本からチリの機関に送金する、というところが律速になり、その点は全く前に進まず。この送金が、今回の滞在中やっとの事で完了した!とのこと。カウンターパートの先生と抱き合って喜びました。で、あっという間に機材を発注、それらは5月には揃うとのこと。ほんの正味10日間の滞在の間に大きな進歩!です。<br />
<br />
この一年間、私たちの拠点は、様子見いみい、しかし実験が軌道に乗らない。。。。という感じだったのですが、モニタリングを本格的に行う他機関では、予算がまだ来ないけど、モニタリングを始めたい!ということで、駐在している日本人研究員が奮闘。無理を押して9地点でのモニタリングが本格的に開始しました。彼女の交渉力@英語と、二進も三進もいかないよ?な困難の中で、それでもなんとかプロジェクトを進めたい、という強い意志に基づいた努力がなければ実現しなかったことで、本当に頭がさがるとともに、心から感謝です。また、このプロジェクトのチリでの中心となるラフロンテラ大学で奮闘してくださった二人の研究員、本来ならば研究員におかけするはずではないご苦労をたくさんかけてしまい、こちらも心苦しい限りですが、送金も完了、今後は研究に集中してもらえるように、日本にいる私たちもサポートを強化しようと思います。<br />
<br />
実は、私たちの拠点に配属されていた日本人研究員は、パーマネントな仕事を見つけて、そちらに移籍。パーマネントな仕事をゲット、は、本当におめでたい、祝福すべきことですが、一方、しばらくオソルノは日本人研究員不在になります。しばらくは、私がチリ滞在を増やし、また、週1日はスカイプミーティングを持つ、ということで対応することになります。赤潮研究、特に、赤潮発生時に見られる赤潮原因藻とその他の微生物間の相互作用について興味がある方、ぜひ、<a href="https://jrecin.jst.go.jp/seek/SeekJorDetail?fn=0&id=D119031373&ln_jor=0">研究員ポジション</a>にご応募お願いします!<br />
<br />
最後に。今回は、考えてみたらプロジェクト開始後初めて、こちらでピペットマンを持って実験しました。ピペットマン持ってベンチの前に立って。。。って、この体制をとると自分本来の重心を取り戻す感じ。本当に心が落ち着きます。<br />
今後、長い滞在が増えるはずですが、こちらで実際に実験をしたり実験指導をしたり、が増えてくるはずで、プロジェクト本来の形に入るのだなあ、と、それが一番嬉しかったです。<br />
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<br />innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-6139438255322166602019-03-07T16:28:00.002+09:002019-03-07T16:28:44.507+09:003月です! さて、早くも3月上旬です。<br />
毎年、3月第1週月曜・火曜日に行われる所主催のシンポジウムと共同研究発表会。<br />
今年は、国際シンポジウムということで、ハイレベルな講演者がたくさん。いつもよりも聴衆もかなり多く、盛況でした。<br />
そして、今年一年お世話になった岡大工学部のS先生との共同研究も、初めての発表会を迎えました。<br />
実はギリギリになって、S先生が「おおっ」と思うような結果を出してくださり、それを巡ってあれこれ今後の方針を練ったり。本当に餅は餅屋、私から見たら、この展開はちょっとミラクル(笑)で、今年一年共同研究していただけたことを本当に感謝です。。発表会、というより、自分たちの間での今後の方向を確認する良い機会でした。あんなことやって、こういう風にまとめれば、、、などと、取らぬ狸の皮算用、とはいえ、これが楽しいんですよね🎵。<br />
ポジティブな展望を共有できる、頼りになる相手がいるって、いつも頭の中で一人ディスカッションしている身としては、本当にありがたい。<br />
少し前にここでも報告した農学部との共同研究とともに、大切にしたい結びつきです。<br />
<br />
ところで。<br />
話は少し戻って、先週、やはり始めたばかり・・・というより、未だ方向を模索段階の共同研究の最初のとっかかりをもとめて、こちらは広島大学の研究室をお邪魔しました。ちょっとした実験をさせていただきにお邪魔したのですが、思わぬポジティブな結果に、ちょっと舞い上がったり。<br />
とはいえ、予備知識が足りない私としては、勉強の必要が多々ある分野です。幸いなことに、弊所に、この分野にものすごく詳しい研究者が在籍しており、色々教えていただいて、、、というより、教材を提供していただきました。<br />
理解するのに時間がかかりそうではあるのですが、以前から気になっていた、攻めて見ないと、とおもっていたとっかかり実験が面白そうな結果を見せてくれたのは、やる気を引き出してくれます。<br />
新年度に向けて、ネタが色々上がってきている感じ。気分良い来年度スタートにつなげたいところです。<br />
<br />
予算締めたり、来年の展望に頭が引っ張られたり、、、と、年度末ならではの毎日をおくっていますが、実は、来週からまたしてもチリ訪問。そろそろ、何回めだっけ??とわからなくなっております。<br />
やっとの事で、プロジェクトに必要な機材導入の下地が整ったこともあり、進捗状況とカウンターパートとの連携を深めるための訪問です。2週間の出張、とはいえ、往復に1日以上ずつかかるわけで、正味滞在は10日程度。南米往復の労力を考えると、微妙に弾丸出張ですが、元気に行ってまいります。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-12608012067112168252019-02-22T14:11:00.001+09:002019-02-22T14:21:43.427+09:00卒論発表会@農学部<div>
今週は、今年度卒業研究をご一緒した農学部の学生さんの晴れ姿を見に、卒論発表会に潜り込んでまいりました。</div>
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弊所には、大学院生=修士・博士課程の学生さんは配属になるのですが、大学生の配属というのは、正式には認められておりません。そこで、他学部のグループと共同研究の形で卒業研究をサポートさせていただいておりました。</div>
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特に学部を卒業して就職する学生さんの場合には、4月からしばらく就職活動が入り、また、内定をもらった後でもある時期まで結構色々と就職先の会社からのイベントが入ったり、実は、じっくり卒業研究にだけ向き合える時間って、そうそう短い。</div>
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前々から、そんな話を聞いてはいたのですが、初めて実際を目にして、時代は変わったな。。。と感じました。</div>
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正直、まとまった結果を出すところまで行くかな?間に合うかな?と危惧もしていたのですが、年末からのスパートで着実に結果を出して、Hくん、卒論も発表も大変立派に仕上げてくれました。</div>
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弊所には大学院生のみが在籍、ということで、実は私、現在の職場に着任して、卒論発表会、というのに出席するのは初めてなのです。発表時間は短いものの、人数が多く、研究室の数も多いことから色々はトピックの発表を聴いて、なんとも久々に、大学らしい活気を感じた気がします。</div>
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毎年5月、弊所と農学部の間に交流会というのが開催されるのですが、ついこの間まで高校生だった大学一年生が百人近く訪ねてきてくれるたびに、「そうか、大学って本当はこういう感じよね」と、ちょっとびっくりするのですが、この度の卒論発表会も、同じ気分。</div>
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厚かましくも、発表会後のお疲れ様会にまで参加させていただいたのですが、卒業生全員が一言ずつ挨拶するという場面があり、無事に卒業に必要な要件を満たした満足感と今後の抱負とを聴かせていただき、良い一日でした。</div>
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そう、研究所は、『大人』ばかりである意味仕事は進めやすい温室ではあるのですが、大学って本当は、教育の場で、若い人たちの成長の場なんだ、という、とても当たり前のことを久々に思い出した感じ。</div>
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今後も、できるだけ、こんな風に学生さんの受け入れを積み重ねて行くことができたらいいな、と、しみじみ思いました。</div>
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最後になりましたが、学生さんを通して共同研究を引き受けてくださいました農学部の先生方、本当に感謝です。どうもありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願いします。</div>
innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-67324002884914999462019-02-08T00:00:00.000+09:002019-02-08T00:00:07.111+09:00まとめる季節 またしても2週間明けてしまいました。今年からは、週一更新ではなく、随時更新で行こうかとも思います。。。<br />
<br />
さて、そろそろ卒論修論その他諸々の提出の季節です。<br />
<br />
今年は、初めて農学部の四年生が一人、うちのグループで実験をしてくれています。こちらでの実験で卒論をまとめる、というわけで、私としては、岡山大学に着任して初めて....8年目にして初めて!....学生さんの卒論指導に非公式に関わることとなったわけです。<br />
<br />
ツイッターでフォローしている他大の先生方から、秋あたりにときに見るつぶやきとして『卒・修・博論シーズンのあるある』=コンピューターあるいはメモリスティックが壊れ、インフルにかかり、ノロに呪われ、彼女・彼氏と喧嘩する、ので、早くから備えられることには備えておくが良い、などというのがありますが、確かに、これ、一度でも聞いてみたことがあるかないかでかなりこの時期のQOLが違ってきそう。<br />
<br />
私自身、実は、decades agoの卒論発表前夜に、つたない500行程度のスクリプトを書き、最後に図を打ち出そうとしたところ、フロッピーディスク(若い人は知らないでしょう、各種アプリケーションの保存マークとしていまだにその姿を留める、removableなデータ保存媒体)が壊れて、後にも先にも聞いたことのないぴぴぴぴぴ〜〜!!というエラー音が深夜の学生部屋に鳴り響き、全てが失われ、、、、そうだったのを、スクリプトのプリントアウトを見ながら手作業で打ち込んでなんとかした、という恐怖の思い出が今でも鮮烈に....。笑<br />
<br />
あの時、手で打ち込む私の横でスクリプトを読み上げてくれた同級生のT島さん、今になってあらためて感謝です。本当にありがとう 涙<br />
<br />
という話は、しばらく前から卒論に取り組む学生さんにお話ししておきました。そう、バックアップは命を救います!<br />
<br />
彼は大変良くできる人で、そつなく手際よく秋から冬にかけて実験を進め、生データを揃えて、現在は最終段階、卒論要旨提出し、卒論発表と執筆にさしかかっています。<br />
このプロジェクトは、たくさんの遺伝子配列を読んで蓄積して、最後に一気に解析をして結論を出す、つまり、最後の最後になって色々な知見が一気に上がってきて、それをまとめ上げる、というタイプの研究なわけです。<br />
で、ざっくりした解析の末に、こんなかんじだね、と、データの感触を整理し、それから何が言える?というも少し突っ込んだディスカッションをほとんど初めてしたわけですが、ここで初めて、面白さに気づく、という具合の研究でもあるわけです。<br />
彼は、卒業したら就職ということになっており、卒業前に研究の面白さを味わえてよかったような、面白さに気づいたところで時間切れ、というのは残念なような。。。<br />
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うまくまとめればなんとか小さい論文になるかな?というところまで頑張ったのは、お手柄ですね。あとは、発表の場に出せるような図を書くという大仕事が残っています。そう、そこが意外に大変なんだよね〜〜、頑張れ〜〜、と、心でエールを送りつつ、私自身も、例のsingle author論文、revision最終段階で声に出さずに唸っております。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-21012719594996501232019-01-25T00:00:00.000+09:002019-01-25T00:00:00.340+09:00ダメ出され経験値 新年早々又しても1回お休みしてしまいました。<br />
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先週・今週と、投稿した論文のrevisionで唸っているうちにあっという間に時間がたってしまいました。<br />
実験データを足す必要はないのですが、配列データを解析する方法と、その記述にいただいたコメントにどう返そうかと知恵を絞っておりました。<br />
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論文にしても、研究費申請書にしても、「紙に書いて、一発勝負で判断される」というのは、プレゼンテーションとは全く異なる次元の厳密さが要求されるのに加えて、ちょっとした言葉の選択や図の出し方によって印象がガラリと変わるのにもかなり緊張します。<br />
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今回も、そのあたりにコメントがつき、こちらの意図をきちんと説明しあちらの懸念にもお答えするにはどうしたら良いか。。。いくつかの解析と図示の仕方を試し、文章を練っているうちにあっという間に10日近くが経ってしまいました。<br />
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まあ、これまでも、このグループから出る論文を書く作業は、相談相手が近くにいない状態でやってきたのですが、今回は正真正銘single author論文であるせいもあり、かなり慎重になっています。<br />
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とはいえ、『ささやかではあっても、自分がそこを掘らなければ見つからなかった何らかの『真実』の面白さをどう伝えるか』に知恵をしぼるのは、なんだかんだ言って、研究の醍醐味の一つだと、いつも思います。そして、議論の洗練と厳密化を可能にする「査読」のシステムって、やっぱり時間をかけて培われてきたアカデミアの知恵だよなぁ、とも。<br />
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ちょうど、ただいま卒or修or博論シーズン。学生さんたちは、今頃皆苦悩しながら仕事をまとめようともがき、そして指導教員からのダメ出しを受けて時に頭から湯気を立てている時期な訳ですが。<br />
指導教員が、誠意を持って、適切に厳しく指導すればするほど、多分ダメ出しする数は増えるけれど、特に卒論あたりだと、締め切りがやってきたら、とにかく提出(そして受理)ということになりがち、だったりも、します、ね。<br />
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一方、論文の査読って、ちゃんと隅から隅まで答えないと、いや場合によっては答えても、それが適切でないと判断されると、却下されて正真正銘振り出しに戻り、別の雑誌に投稿なんてことも十分あり得るわけで。<br />
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考えてみれば、大学という場所にいる人間たちの中で、ダメ出し係に見える教員が、一番ダメ出し受けた経験が多いことに今更ながら気づき、ちょっと苦笑いです。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-39983835104596419702019-01-11T00:00:00.000+09:002019-01-11T00:00:05.239+09:00Happy New Year! あけましておめでとうございます。<br />
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<a href="https://innoveresg.blogspot.com/2018/12/2018.html">色々惑うことの多かった2018年も無事終わり</a>、2019年です。昨年最後のこの記事、そこはかとなく、重症感が.....笑。<br />
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今年の目標は、『自分で線引きすること』、『引き摺られないこと』。<br />
年が明けたからって何が変わるわけではなく、しかし、どこかでキリッと線を引かないと、良いことも悪いこともずるずると引きずってしまうわけで。<br />
去年の『惑』気分は、結局は新しく始まった大型プロジェクトに振り回されていたわけで。自分で始めたプロジェクトに振り回されていては仕方ない。きちんと自分たちの重心を決めて譲らない、のが一番大切だよね、と。<br />
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特に、うちのグループは、配属された学生さんがおらず、つまりは教員とはいえ私も手を動かす必要があり、また、その時間もあるわけで。今年は、Wet Labで手を使う人、の立ち位置を十全に生かす一年にしようと思います。<br />
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などと考えていたところ、昨年フランスのNantesでの学会で会った北欧の研究者より連絡が。以前、ノルウェーに、藻類のコレクションセンターがあったのですが、こちらはしばらく改組統合のため閉鎖していました。このセンターに、ヘテロシグマが何株か保存されているはず....なのがアクセスできなかったわけですが、藻類譲渡業務がやっと再開したよ!どこかに紛れ込んでひやっとしたけど、ヘテロシグマコレクションも見つけたよ!とのこと。早速取り寄せてみようと思います。<br />
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というわけで、きっぱり気分を変えて、新しいスタート!と行きましょう。<br />
本年もどうぞよろしくお願いします。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-14788925485393698862018-12-28T00:00:00.000+09:002018-12-28T00:00:05.281+09:002018年仕事納め チリから無事帰国し、先週は又しても失礼してしまい、はっと気づけば、仕事納めです。<br />
今年は、こちらでのご報告の「一回休み」が多い年でした。色々あった気がするのですが、なんだか年の初めなどがよく思い出せず。<br />
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この時期になると、毎年飽きもせず、今年を表す一文字、を考えてしまうのですが、今年は、、、、正直言って、パッとしなかった気がします。例えば、ラボに大きめの設備を入れたり、ラボメンバーが増えたり、と、一見ポジティブなことは多々あったのですが、それらを最大限に活かしきれてない感じ。<br />
今年の一文字は、うむ、『惑』、がぴったりかも。<br />
今年はなんとなく色々と戸惑った年でした。<br />
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大きかったのは、なかなか軌道に乗り切らないチリのプロジェクトでしょうか。すでに過去5回訪れたチリという国にもかなり馴染んだ感を抱くようになり、付随する楽しいことはたくさんあり、とはいえ、いまだ助走期間中の感は否めません。<br />
国際プロジェクトって、国境をまたいで活動するって、大変なことなのね、としみじみ。<br />
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とはいえ、その一方で、特にチリ側からの参画研究者との距離感はどんどん縮まっており、今後の活動も固まってきています。<br />
仕事を間に挟んだ緊張感のある関係の一方で、緊張を緩めて良い時は思いっきりフレンドリーに話ができる、というのは素晴らしい。<br />
2年前に、ほとんど出来心、のノリで大規模と言って良い国際プロジェクトに応募したのがきっかけで今がある、のを考えると、今までの変化は、結構な拡張だったのかもしれません。<br />
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着任して3年ぐらいはかなり迷走の感があったことを思い出すと、また、ここからスカッと自由になることもありましょう。<br />
というあたりで、まとめたいと思います。<br />
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今年も、どうもありがとうございました。来年も、どうぞよろしくお願いします。<br />
来年は第二週の金曜日に新年のご挨拶をさせていただきます。<br />
みなさま、どうぞ良いお年をお迎えください。<br />
innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-20383599766797659262018-12-14T00:00:00.000+09:002018-12-14T00:00:01.551+09:00再びオソルノにて 3週間の滞在も、明日で終わり。明日夕方に、日本に向けた発ちます。<br />
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今回は、オソルノ-> テムコという、オソルノから車で(チリ人の運転で)4時間弱のところにある都市(以前来たことがありました)--> 日本の軽井沢といえそうなプコンという町で、テムコのLa Frontera大学教授で、チリプロジェクトのパートナーであるJorquera教授が主催してくださったミニシンポジウムに出席 --> オソルノに戻る、という、車での移動が多い滞在でした。<br />
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このプロジェクトは、研究を中心に据えたものですが、一方で、研究成果を社会に還元することを狙ったものでもあります。今回は、そもそもどういうニーズがあるか、そして、どのような方法で成果の還元を狙うか、という点について、実際に赤潮対策に関わる人々、漁業に関わる人々のお話を聞く機会が多い滞在でした。<br />
未だ整理しきれず、こちらに書ききれない話がいろいろありますので、代わりに風景の写真をアップ。<br />
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プコンにほど近い、Villarica山と、Villarica湖<br />
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<a href="https://3.bp.blogspot.com/-wobRjpbbVZo/XBFDdW6kwAI/AAAAAAAACWM/W0MHAAnCpp0y5zLI9Y95IBx85FvbfDimQCLcBGAs/s1600/IMG_1248.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1200" data-original-width="1600" height="240" src="https://3.bp.blogspot.com/-wobRjpbbVZo/XBFDdW6kwAI/AAAAAAAACWM/W0MHAAnCpp0y5zLI9Y95IBx85FvbfDimQCLcBGAs/s320/IMG_1248.jpg" width="320" /></a></div>
山の方は、活火山ですので煙がたなびいています。富士山のような山ですが、高さは2000メートル程度だそうです。<br />
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これまでの滞在で、これ以外にも、オソルノ山、カブルコ山という、やはり富士山のような山を見たのですが、こういう格好の山としてはチリで見るのは3つ目。<br />
日本人の持つ富士山崇拝の念がちとぐらつきます。<br />
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<a href="https://3.bp.blogspot.com/--rZ8m5vvKjg/XBFDeHvAhUI/AAAAAAAACWQ/3JZvhRqoMuIl99hFq2Dyj8M2SASGGbdqwCLcBGAs/s1600/IMG_1271.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1200" data-original-width="1600" height="240" src="https://3.bp.blogspot.com/--rZ8m5vvKjg/XBFDeHvAhUI/AAAAAAAACWQ/3JZvhRqoMuIl99hFq2Dyj8M2SASGGbdqwCLcBGAs/s320/IMG_1271.jpg" width="320" /></a></div>
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こういった、素晴らしい景色が見られる小さな町、リゾート地なのですが、ここに小さいながらLa Frontera大学のキャンパスがあります。セミナーハウス、というには大きく立派、キャンパス、というには、小さいのですが。</div>
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<a href="https://1.bp.blogspot.com/-hDK96PxKTP0/XBFDinQwp-I/AAAAAAAACWU/MFb6_EphrLEka1rzkqlikjDZIczPfKE5gCLcBGAs/s1600/IMG_1282.jpg" imageanchor="1" style="clear: left; float: left; margin-bottom: 1em; margin-right: 1em;"><img border="0" data-original-height="1200" data-original-width="1600" height="240" src="https://1.bp.blogspot.com/-hDK96PxKTP0/XBFDinQwp-I/AAAAAAAACWU/MFb6_EphrLEka1rzkqlikjDZIczPfKE5gCLcBGAs/s320/IMG_1282.jpg" width="320" /></a></div>
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こちらでミニシンポジウムが開かれたのですが、一番肝心な発表風景は撮り忘れ、中庭でのブレイクをぱちり。<br />
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ものすごく天気が良く、珍しく気温も高い日だったのです。実は、上空にオゾンホールがあるそうで。まぶしいまぶしい中での木陰のティータイムは素敵でした。innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-79895316089797285732018-11-30T22:40:00.001+09:002018-11-30T22:43:17.582+09:00オソルノにて さて、やってきました、チリは<a href="https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%BD%E3%83%AB%E3%83%8E">オソルノ</a>でございます。<br />
養殖で栄えている街プエルトモンから車で1時間ぐらいの距離にあります。こちらの街のはずれにある、ロスラゴス大学オソルノキャンパスのガハルド教授のラボにお世話になっております。上にリンクを載せた中心街にはビルなどの写真がありますが、この辺りは、牛が放牧されている牧場とか、森とか、緑がいっぱい。<br />
11月、ということは、北半球の5月ぐらい。日差しは強いのですが、特に朝晩は冷えます。ちょうど、札幌の5月という感じ。<br />
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夏が、気持ち良さそうですね。夏といえば3ヶ月近く熱暑にあえぐ倉敷の住人としてはこの上なく羨ましい。。。。。<br />
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今回は、まずはプロジェクトに付随する色々な計画(特にアウトリーチ活動)について調べたり打ち合わせたり、その後、テムコという街に移動して、プロジェクト全体の打ち合わせなどなど、そこからリゾート地として有名なプコンという街に移動して、研究会に出席、またオソルノに戻ってきて数日、という計画。<br />
オソルノも緑が多く美しい土地ですが、特にプコンを訪れるのが楽しみです。<br />
今回は、風景の写真をたくさんアップできたらと思います。<br />
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本来、こちらはラボブログ、研究ブログの筈なのですが、今回の滞在は、ちょっと旅行記めいたことも書いてみようというわけで、まずは、オソルノの街でのいろいろについて。<br />
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英語で言えばBed and Breakfastと言えそうな宿に泊まっています。国道を挟んで大学の真ん前にあり、朝ごはんもついて一泊64 USD。チリは、結構宿泊も、レストランで食事しても、日本に比べて割安感はないのです。そういうことを頭に入れてみると、結構お値打ちな宿かな、という感じ。<br />
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各お部屋にはシャワーとトイレがついて、食事は食堂で、お願いすれば洗濯も引き受けてくれて、夕食も頼めば付けられる、とあって、定宿にしている人が多いと聞いていました。で、泊まっている人たちのかなりの部分は、ヨーロッパ・英国に住む農場主。オソルノ周辺は、花卉やベリー、あるいはヘーゼルナッツの栽培に向いているそうで、花農場(っていうのか??)、ベリー農園、ヘーゼルナッツ農園を年に何度か監督に来る人が多く泊まっているそうです。特に、ヘーゼルナッツは、最近値段も高騰し、良い投資対象なのだそう。とはいえ、それにつれて農場の地価も上がり、今から参入するのは難しいねえ、だそうです。<br />
海から1時間ぐらいの土地なのですが、内陸に1時間入れば肥沃な農地が拡がる、って、考えてみたら豊かな話です。<br />
花農場は、今、シャクヤクのシーズンだそうで、宿のテーブルにも、2階のロフトに上がる階段にも、茎の長いのやら短いのやら飾ってあるのは素敵な贅沢。<br />
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このあたり、結構ドイツにルーツを持つ人が入ってきていて、ドイツの影響が見られます。宿の朝ごはんに出てくるケーキ類がクーヘンと呼ばれているあたりにでてますね。<br />
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写真を撮って載せたいのですが、ネットが遅くてアップロードがうまくいかず。機会を見つけては載せていきたいと思います。<br />
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<br />innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-8194106197713354182018-11-23T00:00:00.000+09:002018-11-23T00:00:05.735+09:00そして再び.... さて、学会から帰着し、這々の体で申請書を書き上げたところで、またしても三週間空いてしまいました。<br />
ここのところ、こういうのが多いです。。。<br />
月日が過ぎる速さに地味にびっくりしているわけですが、再びチリ行きが近づいています。<br />
もう、海外出張というのが、楽しみでも晴れがましくも、あるいは特別でもなくなってきました。その分、準備と時差対策は随分手際が良くなったような。<br />
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割合まとまった海外出張というのは、いつもの職場から離れる=実験ができないけれど、ちょっとした雑用が入らない、というわけで、うまく時間を取れば、論文書きとか進むんじゃないの?と思っておりましたが、どうも私は旅先で論文を「書く」のは苦手らしい。それをいうのならば、日本語である申請書書きも苦手なようです。<br />
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とはいえ、査読から帰ってきた論文を読み直す、のはなぜか特に苦痛ではなかったので、いつもの生活の場で論文を書き、査読までの待ち時間もろとも出張先で消費、というのが一番良さそうです。そうそう、考えてみれば2年前、テニュア審査通過に不可欠な複数の論文=一つでも落としたらクビが飛ぶ、の査読待ちの間に、<a href="https://innoveresg.blogspot.com/2016/11/blog-post_25.html">初めて南米を訪ねた</a>のでした。その前後の記事を読み直してみると、一報は出発直前にアクセプト、一報があちらについての顔合わせディナーの席でアクセプトの報に接し、しかし一報はリジェクトされ、そのリカバリーに頭を使っていたというのを思い出しました<span style="font-size: x-small;">(そんなタイミングで3週間も海外に逃亡するな!という声が聞こえてきそうですが。。。)</span>。なかなかスリリングでしたが、でも、その時のチリ訪問のおかげもあって、今のチリプロがあるわけでもあります。う〜〜ん。<br />
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というわけで、ここしばらく燻らせていた書物に終止符を打ち、投稿までは済ませて飛行機に乗ろうと思います。とりあえず、文献管理ソフトウェアだけはアップデートして、行ってまいります。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-7665686128209494961.post-77944503611311775182018-11-02T10:58:00.004+09:002018-11-02T11:08:41.094+09:00提出週 さて、今年も科研費の提出が終わりました。<br />
申請書を書いて、同僚と交換してお互いにコメントしあって、を何度も繰り返し、ギリギリまで推敲を重ねましたが、もう、直すところも尽きた感が。<br />
こんな風に、申請書をざっと書き上げて、交換して、磨いて、交換して。。。というやりとりは3年目になります。研究トピックも程よく付かず離れず、的確なコメントと豊富な知識に基づいたアドバイスをいただけて、大変ありがたい関係です、が、う、実は過去2年間、あちらは全て通し、私は全て落とし。。。。<br />
今度こそは、いろいろ教えていただいたあれこれを生かして、ポジティブな結果とともにお礼が言いたい、んだけどなぁ〜〜。<br />
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申請内容については、同僚に助けていただいいているわけですが、一方で、弊学は、中央の担当部局が頑張ってくれているらしく、学内締め切りは11月2日。他大で、10月半ばに締め切りの例などを耳にすると、うちの大学でよかった〜〜、と毎年ほんのり感謝しています。<br />
希望すれば事務チェック、という、主に予算内容をチェックしていただくこともできるのですが、予算欄だけと思いいや、本文にもチェックしていただいていたり、また、返却していただいた予算の一つ一つの数字を書く欄に、小さくエンピツで2つずつ印がつけてあるのを見ると、一人につきダブルチェックしてくださっているらしく。<br />
ありがたく、頭が下がります。つまりは、ううぅ、サポート体制は万全なわけで、今年こそ通したい。。。。<br />
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まあ、とにかく、年内の大きな節目の一つは終えたわけで、ちょっとホッとします。<br />
しばらく手を離していた論文書きに戻らなければ。そして、実は三週間後には再びチリへ!なのです。<br />
このプロジェクト、始めたら大変、とは聞いていたのですが、確かに、何だか落ち着く間がありません。。。。<br />
とはいえ、研究するために取った予算、何が何でも腰を落ち着ける時間は確保して、少しでも前に進まなければ。<br />
あたりまえのことではありますが、多分、今まで通りの仕事への取り組み方・捌き方とは、ちょっと変えなければならないことがあるんでしょうね。一息ついたところで、そんなことを意識して見る必要もありそうです。。。。<br />
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innovreshttp://www.blogger.com/profile/09869794238304148035noreply@blogger.com0