2016年6月10日金曜日

試行と錯誤

 津々浦々からの泥や頂いた海水からのヘテロシグマその他単細胞藻類をピックアップ。

 この、拾う作業をおしえてくださったNさんは、まず、藻類が入った海水を自分が欲しい藻類細胞が通らない程度の大きさのメッシュにかけて、通ってしまったものは捨て、上に残ったものを回収して、そこから拾うと言う手順を踏まれるそうです。そうすると、小さい(多くの場合、生育が早い)藻類を先に除いて、目的の細胞をいわば濃縮して、そこから拾うことができるから。

  ポリエチレンのパイプにナイロンメッシュを張って使っていらっしゃるとのことで、ウチでもそれを真似して作りたい。

 また、泥を懸濁しておいて、目が覚めてきたプランクトンを拾うときに、大粒の泥や鉱物の塊を除いたらやりやすいよね、という話になりました。この場合には、大きすぎるものを除いて、ちょうど良い大きさのものを残したい。つまり、網目を通り抜けたものを取っておきたい、わけです。

 メッシュサイズが何種類かあるといいなあ。それに、今までの習慣から、オートクレーブ滅菌したい、などと思ってしまいます。ポリエチレンパイプとナイロンはなんとか高温に耐えるらしいのですが、それらを貼り合わせてる接着剤は、多分、無理、とのこと。
 
 パイプは、金属に替えればよい。
 ナイロンメッシュは、これはサンプルを出してくださったメッシュをたくさん販売していらっしゃる会社の方からのお知恵で、PETメッシュがよい、とのこと。より高い温度に耐えるのだそうです。メッシュは目の粗さの違うものがいろいろあります。素晴らしい。

 じゃあ、どうやってパイプとメッシュをくっつける?
 くっつける、だけじゃなく、メッシュサイズが違うものと交換したりできたら最高。一つを使い回すのはクロスコンタミが心配だから、数が欲しいし。

 というわけで、いろいろ考えて、思いついたのは刺繍枠。金属製のパイプを5センチぐらいに切ってもらって、そこにちょうどいい大きさのメッシュを置いて、上から金属でできたネジで止める結索で押さえて締める。

 刺繍枠、太鼓みたいにピンとはれますもんね。グッドアイディア。

 ‥‥‥と思ったのですが、実際買って試したところ、いや、メタルの結索をパイプに「きっちり」巻きつけるのは、至難の技だった。

 では、と方針を変え、家に転がっていた仕付糸を持ってきて、これで縛ってみようか、と思いました。
 でも、木綿糸をつるっとすべりやすいメッシュの上からきっちり巻くのは、これも至難の技だった。

 う〜〜ん。こうなったら、特注で、刺繍枠のネジ付きの方みたいなものを薄手の金属でオーダーして作ってもらおうかしらん。
 そう考えて、業者さんにご相談。案外安く済むかもね、という話でまとまりました。

 で、次の日になって、業者さんいわく。

 『いわば刺繍枠みたいな仕組みで、挟んだ布地をピンッとはれて、耐熱性があって、簡単にきっちり巻き付けられて、何度も使えるもの』が欲しい、と金属加工業者さんに相談してくださったところ、
       シリコンでできたゴムバンドでいいじゃん、とのこと。
 思わず膝を打っちゃう説得力ですね。それが一番簡単ではないですか♪

 よかったよかった。金属パイプを5センチと3センチにスライスして、両側にやすりをかけたものを10個作っていただいたのですが、それほどお高いものでなくても、無駄にするのはやはり惜しい。ラボ開きから5年近く経つ『新奇非モデル生物』を扱うラボには、大した値段じゃない、実験に使えないかな?と購入してみたものの、やっぱりダメだった・・というものが年月とともに増えてきているのです。試行があまりに頻繁に錯誤に終わると、それこそ分類不可能品引き出しがあっという間にいっぱいになりそうで。
 少なくとも、パイプ加工品の方は、当初の希望通り機能してくれそうです。

 ところで、メタル結索は10本購入したのですが、どなたか、他の目的に使ってみたいという方、ご連絡ください。圃場で使わないかな・・・。


 

 

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