2015年5月22日金曜日

試行錯誤と些細(?)な進歩

 最近、フィルタリングにこっています。
 ウイルスに感染したり、或は随伴細菌と培養したりしたヘテロシグマの遺伝子発現変動を調べたいのですが、ヘテロシグマというのが、遠心で集めにくいのです。フィルターを通して減圧濾過すればよいわけですが、これが結構トリッキー。フィルターのポアサイズによって濾過しやすさが違う。ヘテロシグマの大きさが直径6〜20ミクロンぐらいなので、それらは通さずにそれよりも小さいものは通すフィルターを選んで濾過すればよい訳ですが、ぎりぎりの大きさのものを選んだりすると、ポアを塞いでしまってあっという間に目詰まりしたりします。
 ポアサイズが違うフィルターを何種類かそろえて、一つ一つ試してみて...。さらに、捕捉したヘテロシグマからちゃんと核酸がとれてくるか、も実験。これでよいかな?と思われる条件がやっと揃ってきました。


 そして、先日書いた、奇妙な形のフラスコの話。
 ヘテロシグマを培養するのに、エアレーションが大切かも、ということで、バブリングで強制通気をしながらヘテロシグマを培養すると、ずいぶん増殖が速い上に最高培養密度も高い。しかも、大きな体積で培養できる。
 ウイルスの感染実験にしても、たとえばゲノムDNAやRNAをとるための抽出実験の材料とりを目的としても、大変調子がよろしい。
 最初のころは、つないでおいたはずのバブリングのチューブがぽろっと外れることが相次いだのですが、こつが分かると、使いやすく、気に入ってしまいました。

 とりあえず、一つ買って試してみて、気に入って二つ買い足して、継代用に更に買い足して…、と、既に七つになりました。前から試してみたかったのですが、一つがある程度のお値段がして、しかも、他の目的には流用できないものなので、年度終わりの予算が苦しいときには手が出なかったのですね。実は、上記のフィルターも、試してみないと分からないのですが、一つ一つが結構な値段するんですよね〜〜。

 こういうふうに新しいものに手が出せるのは、年度始めならでは。そういう意味で、ココロが軽い季節です。って、そういう直情径行的なことなので年度末が苦しくなるのですが…。

 

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