2014年6月20日金曜日

3度目の田植えの季節

 今週も葉緑体との格闘は続き……ゴールが見えて参りました。
 葉緑体を無傷でとってくる、という操作は、イメージとしては、葉緑体回収バッファーの中でぴりっと一部分だけ細胞を破いてやると、パラパラッと傷のない丸ごとの葉緑体が細胞の外に出てくる。そして、それを密度勾配遠心にかけて、壊れた細胞核とか、別の細胞内小器官とか、細胞壁・細胞膜のかけらとかにくらべて、密度が重い葉緑体だけとってくる、という操作です。
 現在、私たちがもっているヘテロシグマは6系統。このうち5系統から、それぞれの葉緑体をとってきたい。
 と思っていたけれど、5系統それぞれの細胞壁だか膜だかの強度がかなり違ったため、それぞれについて条件検討。全く壊れなければどうしようもないし、もろい細胞に強い条件を使うと、葉緑体にまで傷がついてしまうのです。
 さらに、密度勾配遠心法による分画のステップで、なんと、葉緑体の密度が系統によって結構違うことに気がついて、密度勾配に用いるパーコール密度を検討して……やっとこさ、葉緑体を3系統からとって来れました。
 あと2系統も何とかなりそうな気分になってきました。こうなったら、土日も使ってもうひと頑張り。やれやれ、ここまで3週間かかりました!

 などと実験室内は牛歩の歩みの毎日ですが、窓の外を眺めれば季節はちゃんと移り変わっています。ほ場は大麦の刈り取りも終わって、田植えの季節。

 この研究所に着任するまで、田んぼが広がっている地域に住んだことがなかったのですが、苗が植わったばかりの田んぼの水面って、空が映るんですね。
 ここにやってきて3度目の梅雨ですが、ちょっと感動します。
 


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