2014年1月10日金曜日

あけましておめでとうございます

あけましておめでとうございます。
今年は、私たちのグループとしても、研究所としても、何かと盛りだくさんの1年になりそうです。今後ともどうぞよろしくお願いします。

新年早々、私たちは大変地味に、細胞の数を数える方法の条件設定をしています。

 むかしむかし、私は哺乳類培養細胞を用いて研究をしていました。こういう細胞の場合には、まずはたくさんの細胞を遠心分離で集めてきて、それを小さい体積の培養液に懸濁し、1ミリリットルの培養液にいくつの細胞が入っているかを血球計算盤なるもので計数します。
 血球計算盤は、0.1マイクロリットルきっかりの体積に当たるところに碁盤の目が引いてあり、この体積の中にある細胞の数をカウントすれば、どのぐらいの細胞が懸濁されているかわかるというもの。この時、計数を正確に行うには、0.1マイクロリットルに最低100個の細胞があるのが望ましい、ということになっています。つまり、正確に計数しようと思うと、1ミリリットルに100万個の細胞が入っていればいい。
 実際に実験で使う時には、もっと希釈して、例えば1ミリリットル当たり1万個ぐらいで使うことが多かった。
 
 この経験から、単細胞藻類のヘテロシグマを使って実験しよう!と思って私が一番最初に買い揃えたのが、この、血球計算盤。これさえあれば、計数なんて何の問題もないはず・・・・・。

ところが。
ヘテロシグマを遠心分離で集めようとすると、ヘテロシグマの外被の糖脂質の性質からか、べたべたとくっついてしまいます。一度くっついた細胞は塊のまま懸濁できない。これでは実験には使えない。
ヘテロシグマを普通に培養すると、大体1ミリリットルに数十万個ぐらい。となると、上の方法では正確に計数できないことになります。

コマッタところで見つけたのが、市販の自動細胞カウンター。プラスチックでできた使い捨ての『カセット』をセットして、そこに少量の培養液をスポットすると、含まれている細胞の数を数えてくれるのです。1ミリリットル千個から正確にカウントで来て、それぞれの細胞の体積まではかってくれる。
 素晴らしい!!
・・・・・しかし、この機械、手のひらに乗る大きさながら30万円しました。しかも、使い捨てカセットは、1回使うたびに160円。細胞を数えるのにお金がかかるなんて!!
 去年初頭から使い始めたのですが、去年1年間で、カウンターのカセット代=細胞を数えるために使ったおカネは、なんと、10万円以上。低予算ラボには、ううむ、ちとくるしい。

 他にも広く使われている方法があるのですが、試してみたらなんと、これは大変信頼性が低い。なんとか、安く手早く正確に、細胞を数える方法はないものか?と試行錯誤した1週間でした。
 Hさんと、ああでもない、こうでもないといろいろためし、実用に耐える方法に、1週間で一応行き当ったようです。
 大変地味ではあれど、結構幸先の良い一年のスタートかもしれません。



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