2013年7月19日金曜日

初体験

 ヘテロシグマのサンプリングに連れて行っていただきました。

 アカシオ原因藻ヘテロシグマを実験材料に使っています、といいながら、私はこれまで、他の研究室からいただいた「株」、つまり、海水サンプルからヘテロシグマだけを単離したもの、を使っていました。
 そもそもは、「分子から環境まで」つながる研究を志したからこそ非モデル生物のヘテロシグマに手を出したにもかかわらず、私自身は海からのサンプリングの現場を見たことがない・・・・・。
 これはいけません。

 そこで、こういう仕事に詳しい水産系研究者のサンプリングに便乗させていただきました。
 彼らは、夏の間、特に赤潮の発生過程をモニターするために、決まったポイントの海水と底泥を1~2週間おきに採取します。で、そこに含まれる有害化学物質を測定したり、あるいはサンプル中の生物種を同定したりするわけです。フィールドサンプリングのプロたち、です。

海底近くの海水を採取中。このポイントでは、大
体2.5mぐらいの深さでした。海のある深さのポイン
トから水を採取する、これはきちんとした道具がな
いとできませんね。
今度は底泥を採取中。

 
 
 まずは、バケツをどぼんと海に投げ込み、「表層水」を採取。そして、今度は底に近い水を採取し、さらに底泥も採取。水温を計ると、海水温は27℃~29℃。浅い海(水深2-3メートル)で暑い日だったとはいえ、案外高いものですね。

 結構な力仕事で、一日に離れた地点を3か所ぐらい回るそうで、朝9時ぐらいに出発して、彼らが職場に帰り着くのは4時ぐらい、そこから分析作業に入るのだそうです。
 本当は、ヘテロシグマ赤潮が発生して海が褐色になっているところが見てみたかったのですが、今回は赤潮はありませんでした。私は拍子抜けですが、周辺水域のためにはよいことです。

 持って帰ってきた海水を低倍率の顕微鏡で見ると、肉眼ではただの細かいゴミに見えるものがちゃんとプランクトンだったりして、おもしろいものでした!毎回便乗させていただくわけにもいかないのですが、フィールドからのサンプルを使った研究も少しは手を染めてみたいと思っており、彼らには今後も是非お世話になりたいと願っております。

 ヘテロシグマは海水中にはいつでもいるのに、いくつかの条件が重なった場合だけに爆発的に増殖して赤潮発生!となるのですが、いったいどんな条件がこの大増殖を引き起こすのか、実ははっきりとはわかっていないんです。私自身の興味の焦点からは外れてはいるものの、気長にその原因を探るような研究もできたらなぁ、と思っています。

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