2014年10月17日金曜日

台風一過

 ずいぶんよく降った3連休でしたね。
岡山県、特に岡山南部は、『晴れの国』を自称していますが、確かに雨の日が少ない(今年の夏は、例外的に多かったですが)。加えて、中国山地と四国山地に挟まれた地形のせいか、台風がそれる傾向にあるのですが、今回は、ちゃんと直撃してくれました。

 3年ほど前にオープンした倉敷駅前のアウトレットモールが、台風の影響でなんと、休日午後2時で閉店。とはいえ、万全の構え(?)のおかげでか、県下での被害は少なく済んだようです。

 さて、個人的に、旅が多い今年の秋。
 まず、宮崎大学にBootcampにお邪魔したのを皮切りに、九大農学部に共同研究者からご紹介いただいて特別講義を聴講にお邪魔し、これもしっかり勉強させていただきました。
 今週末は、将来の共同研究を夢見て勉強会に出席、そして、来週末からは、ヘテロシグマについての私たちにとっては初の発表をしに学会@ニュージーランド。
 仕事が立ち上がってくるのと同期して、他大学の研究者との交流も増えてきて、とても健全な感じがしています。

 あっちに行ったりこっちに行ったり、加えてこの秋は研究所の100周年があり、それとは別件で研究所の国際交流イベントあり、バックグラウンドでは、恒例の科研費シーズン、と、なんだか落ち着きませんが、実験もしたい。

 特に、科研費を書いていると、あんなことやりたい、こんなことおもしろそう、と、夢が広がって、ついつい、将来の仕事のはずをいまから着手したりしてしまいます。本末転倒な気もしますが、アカデミアの研究って、楽しい、面白いが言動力よね?をいいわけに、とりあえず今月末の海外出張までにできるだけのことを終わらせようと動きまわっている毎日です。

2014年10月10日金曜日

100周年!

 先週は、当所にとって大変大きな行事がありました。
 研究所創立100周年記念行事です。
 何と、倉敷駅にも記念式典の広告が出現しました!

 当研究所は100年前、大原美術館の創立などで知られる大原孫三郎氏に『大原農業研究所』として設立されました。時代の変遷とともに、1952年に岡山大学に移管され、その後幾度かの改組をへて現在に至るのです(詳しいことは、当所の公式ホームページをご覧ください。)

 広い圃場を町中にどおん!持てているのは、実は、この長い歴史のおかげなのですね。

 というわけで、この研究所の100回目の誕生日を祝うために、記念式典+シンポジウムを開催しました。担当者は、既に去年度から着々と準備を進めて、その本番が先週10月2・3日だったわけです。
 大変好都合なことに、当所の前には、倉敷市の公民館のひとつ、『芸文館』があります。こちらのホールを2日間借り切って、研究所の沿革についてのお話から、今後の農学のありかたについて、まさに過去から未来まで、いろいろな講演を聴講するよい機会でもありました。
 多くの来賓の方々を始め、当研究所のOBも集まってくださり、よい会となりました。

 夕方は、100周年祝賀会が催されたのですが、このときに出されたのが、当所の圃場で栽培された大麦を原料として醸造された発泡酒(←法的区分としてはこうなるのですが、実際はビールに香りをつけた飲み物、といったところでしょうか)!実は岡山大学の近くにある醸造所にお願いして作っていただいたものです。
 そして、お土産は、やはり研究所で栽培された大麦を原料にした焼き菓子。
 自分の職場のことながら、すてきな趣向だと思いました。

 この夏あたりから、『100周年記念行事』は、研究所の大きな行事として皆が少しずつ分担して取り組んできたのですが、終わってしまうと、なんだか寂しいような気もします。
 なんといっても、1世紀に一度しか経験できないこと、なのですよね。かなり非日常な2日間でした。

 というわけで、今週から、なんだかとっても、『Back to normal』気分でいます。さ、実験しよう……。

 
 

2014年10月3日金曜日

ミトコンドリアだらけ

こまったな。

と、思案中。

以前、葉緑体のゲノム配列を読んでいただくために、葉緑体をたくさん精製した話をしました。ここから精製した葉緑体ゲノムを次世代シーケンスで解読していただいたのですが、いくつか技術的にむずかしいところがありまして。
 解読していただいたデータを解析してみたら、葉緑体ゲノムは解読できなかったのに、ミトコンドリアゲノムがしっかり読めていたりしました。

 つまり、葉緑体を精製したハズの画分に、結構な割合でミトコンドリアが混入していた訳です。

 やれやれ。

 と、解析を教えていただくためにお尋ねした研究室でお話しして、帰ってきて2週間。

 現在、こちらは外部委託でウイルスゲノムを読んでもらっているのですが、ふとこちらが心配になりました。
 で、試しに、凍結保存してあったウイルスを取り出してきて、希釈したものを鋳型にウイルスに特異的なプライマーセットと、ミトコンドリアゲノムに特異的なプライマーセットを使ってPCR。

 .....両方の反応でばっちりきれいなバンドが!!
 つまり、ウイルス粒子としてとってきた画分の中にミトコンドリアが結構な割合で混じっているということでしょうか。イヤになっちゃうなあ!

 まあ、配列解読をすれば、ミトコンドリアはミトコンドリアとわかるのですが、たくさん混ざり物があると、その分そちらにリードがとられてしまう訳で、ミトコンドリアゲノムの10倍以上の大きさがあるウイルスゲノムがきちんとつながらなかったりして…。

 ま、こちらは、結果が帰ってくるまでどうしようもないのですが、外にも考えている実験があり、そちらにも混ざり物は欲しくない。ミトコンドリアをどうして除くか……しばらく思案投げ首です。

 

 

2014年9月26日金曜日

Bootcamp!

 Bootcampっていうと、日本だと、ちょっとまえに話題になったBilly's Bootcamp、キビシいエクササイズで知られてますよね。
英語だと、新兵を対象にした特訓コースって感じでしょうか。あるいは短期集中速習コース、といおうか。

 先週は、2泊3日でゲノム支援でお世話になっている某研究室に、遺伝子解析を教えていただきにお邪魔しました。少人数どころか、1対1で教えていただくという、これ以上恵まれた条件はあり得ないような短期集中特訓です。

 ここ1年ぐらい、手を染めては挫折し、本を買っては途中でなげ……コンピューターを用いたデータ解析。幾つか身に付けなければならないことはあったのですが、それらすべてがいわゆるコマンドラインで動かすもの。
 コマンドラインって、確かに、コトバでいろいろなものを指定する訳で、直感的にはそれほど取っ付きにくい感じはしない…のですが、ちょっとしたオプション指定とか、そもそもうっている最中にスペルミスでスタックするとか、私には挫折要因満載。でも、ゲノム支援拡大班会議のときにご挨拶した支援担当の先生に、『なかなか独習は苦しくて』と云ってみたところを、『わかっている人に教わった方が早いですよ。そのつもりで訪ねてもらえれば、なんとかしましょう』という頼もしいお言葉をいただきました。勇んでスケジュール調整をお願いして、2泊3日でお邪魔してきました。

 お邪魔する方は、自分の身になることで、ありがたい一方なのですが、受け入れ側は、大変だと思います。嫌な顔一つせずに受け入れてくださったことに、心から感謝です。O先生、本当にありがとうございました!

 この二泊三日の訪問で、多分、必要なことは身につけた…気がする。これで充分かどうかはわからないけれど、やっぱり使ってみた〜い。というわけで10月中に仕上がってくる外部委託した配列解析結果を待つのみ。物によっては、次世代技術を持ってしても、そう簡単には読めないよ、という専門家の声もあるのですが、それはそれ、せっかく教わったことが頭からこぼれないうちにと、結果を首を長くして待っています。
 

2014年9月19日金曜日

時の移り変わり、もうひとつ

 最近、改築以外に時の移り変わりを感じたことがもう一つありました。

 こちらでグループを立ち上げた2011年9月から、ずっとお世話になっていた販売代理店の担当者さんのうちのお一人が移動されることになったのです。

 着任当時、つまり、米国から帰国したばかりの私が一番びっくりしたのは、理化学実験に使う機器・消耗品の値段の高いこと。当時、1ドル78円と空前の円高だったのですが、日本のこの手の製品のお値段、1ドル100円に換算しても、米国の2〜3割増ぐらい。とにかく、消耗品をそろえるのが精一杯、というわけで、チップ1本、プレート1枚のコストにまで血眼になっていたわけです。

 物品購入の際の条件は、1にも2にも安いが一番!という、営業さんにはまったく面白くない顧客だった訳ですが、試薬や消耗品を買おうとすると、あと○○日待てばキャンペーンで半額になるという、おトク情報を教えていただいたりいろいろ親切にしていただきました。また、この業者さんの会社が秋に開催する『アウトレットセール』のパンフレットをいただいたその場でめぼしいものを注文し漁った、なんていうこともありましたね〜〜。

 当グループの貧乏自慢がいくらでもできた時期から一番お世話になっていた上に、ご本人がこちらを担当されるようになって15年!とのこと。ワタクシ的には、苦しくも楽しくもあった立ち上げ期、その後予算が入るたびに一つ一つ機器を揃えていった、その過程でよく相談に乗っていただいたわけで、なんとなく、ずっとお世話になる気分でいたのですが、移られるということで、あら、驚き。なくなってしまった旧管理棟とともに、『時間はたっているんだな〜』と実感しました。

 というわけで、ここに書ききれないこともたくさんありますが、Mさん、お世話になりました。あたらしい場所でも元気で頑張ってください!
 

 
 

2014年9月12日金曜日

この夏、楽しかったこと

 先日、大学院をでたばかりの若い研究者と、今後一緒に働けたらいいね、と、プロジェクトを立案して、さる研究助成に応募しました。7月初めに、読むべき論文を何本かお渡しして、こんなことをやってみたら面白いかも、というぼんやりした枠組を最初におはなしし、さて、立案開始。

 あちらは、ヘテロシグマは、触ったことが無い人。
 こちらは、ぼんやりしたアイディアはあるけれども、それをまとめるところまで持って行っていない人。

 ほとんど面識のない人と、そもそもぼんやりしたアイディアのかけらについて意見を交換し、最終的には研究計画書にまとめあげたわけです。

 考えてみれば、研究計画を練る=研究費の申請書を書く、という活動って一人でしがちなものです。私についても、練って書き上げるところまでは一人で済ませた後、共同研究者に意見を求める、というかたちでやってきた訳です。
 脳みそ二つをもちよって、計画の枠組みを決めて練り上げて最終的な文章にする、という道筋を、すべて共同で、というのは、本当に始めて。

 ……だったのですが、この過程が、すごく楽しかった!1ヶ月たらずの間の交換したメール計画を練り上げるための添付書類をつけたものだけで50往復。最初はぼやっと『面白そうだよね』という程度の形だったものが、最後のメール5往復で、急激に『研究計画書』の形に立ち上がって行くのは、共同作業だから余計に印象的でした。

 鍵はやはり、密な会話=debateでしょうか。
 研究計画は一人でも練れる、ひとりdebateすればよい……が、当たり前ながら、興味を持った生身の人間と会話を交わす方が数倍楽しいものでした。

 このdebate、私自身とても学ぶところがありましたが、タブン、誰かと一緒に練り上げる、というのが一番役に立つのは、『研究計画』を始めて書く人、つまり学生さんですね。
 学部・大学院を通して博士号をとるまで、研究のうちでも、『実験して、された質問(提示された仮説)に答えを見つける』、という活動はたくさんしますね。学生時代には、所属講座の教官が既に研究計画を持っており、それを、学生さんが各自の創意工夫で実行して行く、という形が多いわけです。一方で、研究計画、というのは、『そもそもの仮説を提唱し』、『必要な実験を幾つか組み合わせて、仮説を証明する道筋をつける』ためのもの。学生時代には、この部分を自分で行う訓練は、ほとんど受ける機会がないわけです。
 でも、最近になって、殊に『有為な質問を見つける』能力は、研究者として生き残るために不可欠な要因だという気がしています。

 この能力をわかりやすい形の訓練で身につけることができるかどうか、は、微妙。でも、質問を見つけるためには、たぶん、情報とアイディア交換のための密なdebateがとても助けになり、この夏私たちがかわした100通以上のメールでは、それがうまくできていたわけですね。

 たまたま一回うまくいっただけでしょ、と云われると、うもすもありませんが、このやり取りは本当に楽しくて、味をしめてしまうに充分でした。

 大学院にいこうかな、と考えている学生さん、うちにきて早いうちから一緒にScientific debate満載で研究計画をたてませんか〜〜?実験はもちろん面白いもので、大切にちがいありませんが、研究計画を立てるって云う部分、学ぶのを後にとっておくのがもったいない楽しさがあります。科学するとは、『仮説をたて』『それを証明する』繰り返しによって真実を探求する、ということ。仮説を立て、の部分から始めないと、醍醐味の半分ぐらい取り落としている格好になります。まっさら白紙の状態から、ああだこうだとやり取りして、最終的にはビシっと決まった『研究計画』の形に書き上がったときの快感って、ほかではなかなか味わえないです。(ま、快感を持って書き上がっても、審査がキビシく落とされることは大いにありえます。それはそれ、として。笑)。
 そもそも、このブログ、学生さんへの宣伝のために始めたのです。久しぶりに宣伝文句を書いてみました。

 
 





2014年9月4日木曜日

萌芽G創立3年です!

 9月に入り、このグループも設立して3年が経ちました!私自身にとっても、倉敷での季節も、そして、日本の大学での暦も4巡目に入った訳です。年間スケジュールにもなれてきて、いろいろやりやすくなってきました。

 夏の間に依頼した葉緑体ゲノム読みも、ウイルスゲノム読み、進捗状況についてのお知らせをぽつぽつといただいています。夏の間は書き物が重なったのですが、その間に確実に仕事が進んでいるって、本当に心強いことです。
 これらが無事完了して、解析もなんとか終わらせたら、これからやりたいことの準備がしっかり完了します。下準備の長いプロジェクトで、少々焦りも感じておりますが、本格的に展開できるまであと少しの辛抱です。

 書き物も一段落ついたので、さて、やりたいことがいろいろ。今後の実験の計画を考えて行くと、きちんとつめていおいた方が後々便利な条件設定実験をたくさん思いついてしまい、ひとつひとつつめて行く毎日です。なにごとも、基礎がしっかりしていないと、後々たたられますからね。あとで泣き面しないで済むように、慎重に再現性を見ながらあれこれと試してみています。

 というラボ内のあれこれとは別に、着々と進んでいるのが、例の増改築。私たちが、今年の改築に際して入った部屋の一つは、旧・管理棟に一番近い部屋なのですが、ここからは、工事の模様がよく見えます。
お盆直後ぐらいまでは、防音シートで囲われていた建物が、あら、ある日、なんか低い…?と思ったら、まず2階がなくなっていました!そして、次の日には、1階も砕かれていました!写真奥、オレンジ色のクレーンが動いているあたりは、ちょうど、例の大会議室だったあたり。あの、みんなで落書きした部屋の壁も、色付きのまま粉みじんに成って運び出されて行ったのでしょうか。

…う〜〜ん。秋の気配の中に諸行無常を感じてしまいます。なんちゃって…。