やってまいりました、修行道場、改め、Summer boot camp of infectious disease modeling, 2017@統計数理研究所、立川、東京都。
10日間の感染数理モデリング短期集中講座です。特に感染数理モデリングに関わりたい初学者に焦点を絞ったコース。数理生物学的モデリングとか、シミュレーションとか、実は学生の頃からの漠然とした憧れがありまして。とはいえ、自分で教科書読んでみたけど、いまひとつわからないし・・・。なんとか勉強したいけど、どうも私には独学は無理らしい。なんとかしたいな .... と思っておりました。
2年ほど前に、調べ物をしていて見つけたこの短期コース。理論とともに、 Rなども使った実践講座もあるとのことで、一度受けてみたい!と思い、実は去年受講手続きまでしたものの、仕事の都合でギブアップ(ゴメンなさい‼︎)。今年雪辱を果たしました。
予習しないとついていけないだろうと、実は去年の受講に向けて一昨年からぼちぼち予習を始め・・・・大学教養レベルの微分・積分、線形代数、確率・統計ときたのですが、全ては終わらず・・・・、直前になって、あ〜あ、結局全部は終わらなかったし、そもそも一昨年ぐらいに勉強した部分は結構忘れちゃってるし。10日間もあるのに、結局ついていけなかったら、悲しい・・・・などとうじうじ思い煩いながら向かったのですが。
いやはや、行ってよかったです。10日間、みっちり総数40講義に加えてPCを使った実習に加えて、参加者を8グループに分けて、チームでそれぞれ違った課題に取り組むグループワーク。公式には朝9時からほとんどの日は夕方5時半まで、長い日は18:45まで、というぎっちりなスケジュール。
まだまだわからないことだらけながら、微分方程式と行列式を解いて出てきた式のパラメータをちょっといじるだけで、ガラッと感染者数が変わったりするのは、単純に興奮します。興奮するタイプだからこそ受けたかった講習なわけで、つまりは堪能したわけですね。
自分たちの研究にすぐに役立てることができるかは別として、有給+夏休みをつぎ込んで、朝から晩まで、自分が訓練を受けてきたものとは全く異なる思考様式にどっぷりつかることができたのは、本当に贅沢でした。これを糸口に、何と何を少しずつ勉強したいかもメドがついたような気がしています。
ところで。
興味はあるけど、そもそも役に立つかどうかもわからないことに大の社会人が10日も使うって、我ながら何なのだろう?⁇と何だか気後れしていたのですが。コース初日終わりぐらいに仕事関係のメールで連絡を取り合っていた尊敬する同僚に、「下手の横好きで感染数理学入門コースに来てるのですが。何やってんだろう感満載です〜」と書き送ったところ、「タイミング的にもサバティカルで新しいことを学んでいると思えばぴったりなのでは」というお言葉をいただきました。
サバティカル、というのは、欧米の多くの国で特に教育・研究職に伝統的に認められている、長期有給休暇と言えば良いでしょうか?だいたい7年間に1年間ぐらいの割合で、本来の所属機関から離れて、別の大学だの研究機関だの(別の国でももちろん OK )で色々勉強するために認められているリフレッシュ制度のこと。私も今のポジションに6年いたわけで、これが欧米ならば半年から1年のサバティカルが認められる時期。それを自主的に取ったと思えば、ということですね。
強力な講師陣・400ページある教材・老若男女の高スペック受講者に囲まれて、気後れてしていた私は、おお!その手があった!!と一挙に元気になりました。
実際、このコースのお題だった数理感染モデリングだけではなくて、ディスカッションのまとめ方、とか、プレゼンテーションの仕方、とか、いわば仕事術的な部分でもずいぶん勉強になりました。
というわけで、そう、この10日間は、大人の夏休み、改め、マイクロ・サバティカルだったのだ!と、すっきり。そう考えて、7年目の今年は、着任6年間に学んだことをかっちりまとめて、また新しいことを吸収するのに使う一年にしようかな、なんて思い始めています。
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