先週、初めて遭遇したヘテロシグマ赤潮。
印象に残ったのは、まず、強烈に茶色いこと。
そして、その茶色が、「むら」になっていること。
フィールドとしているのは、防波堤の内側に四角く囲われた形になっている桟橋、つまり、外海(といっても、瀬戸内海ですが)と繋がってはいるものの、外からの波が直接打ち寄せないような場所です。
とはいえ、潮の満ち引きはちゃんとあり、同じ時間に到着しても、日によって海面の高さが多少違う。
波打ち際のように、『うちよせてくる』訳ではないのですが、それでも、ちゃぽんちゃぽんと海面は揺れています。いわゆる、湖よりはかき回されている感じ。
それでも、ヘテロシグマは、ちょうど雲のように漠然と寄り集まっていて、そうそう簡単には散らされないようです。
そういえば、海底から1メートル程度の場所には、ヘテロシグマはほとんどいないのだそうです。お昼間はほとんどが海面に寄り集まっている。海の水って、海水温と塩強度の具合で、層状に分かれているのだそうで、たとえば、雨が降って海水面の塩強度が下がっても、海底は影響を受けにくいし、また、海水表面付近の水温は気温につれて高くなっても、海底近くの海水温は非常に変わりにくい。同じ場所でも、高さによって、じつはかなり環境に違いがある訳ですね。
そして、ヘテロシグマが沢山いる部分は、海水の動きが、いかにも、トロッと粘稠性が高そうに見えます。なんとなく、さらさらした海水にとろっとした茶色い液体の『島』がある感じ。
実験室で、フラスコでヘテロシグマを飼っても、こういうことはないのになあ。
…と思っていたのですが、海でとってきたヘテロシグマを、いつも培養に使っている人工海水に希釈して培養し、次の日にインキュベーターのドアを開けてみたら、あら、びっくりするほど塊まって泳いでる…!
急いでいるときに見たので、そのままにしてしまったのですが、写真を撮っておくべきでした。痛恨。
赤潮は、増えることは増えるけど、それだけじゃなくて寄り集まるからあれだけ赤くなるんだ、という意見は聞いたことがあったのですが…。でも、なぜ、フィールドのヘテロシグマ『だけ』が寄り集まりたがって、長期にわたって培養されているヘテロシグマはそういう挙動を示さないのだ?
うっふっふ、これについては、ちょっとアイディアがあります。面白そう。
というわけで、1週間以上にわたる重労働、報われることを願って、検証実験を始めます♪
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