2014年2月7日金曜日

"書くこと" 雑考

 STAP細胞の論文発表に沸いた一週間でしたね。

 既に1週間たっていろいろな話が出きったところで、私などが付け加えることは何もないのですが、STAP細胞確立の方法の着想から論文発表までの道のりは、良質なドラマと凄い・素晴らしい人物が詰まった話だったなぁ、と思います。
 私が行きあたった中で特に興味を持った二つの記事、一つは新聞一つはブログ。ぜひぜひ読んでみてください。

 面白い、ということにくわえて、これらの二つの文章は、ともに『固い』『地味』と引き換えに、情報量が多いく、わかりやすい。ともに科学に関わる人々が語り手・著者なわけですが、よくいう『理系』人間として生きている人たちは、『文学的』ではないが、自分が見聞きした事象をわかりやすく言語化し、それを受け取り手に伝える訓練はされているんです。

 こういう、地味で歯ごたえが硬い文章を、この件ではもっと読みたかったなぁ…。今回は、仕事の中心となった研究者が若い女性だったことから、特に発表直後は小保方博士の人となりへの興味に偏った記事が多すぎました。

 多くの新聞で『小保方博士は・・・・誇らしげに30分にわたって発表した』とか、『枕を涙でぬらす夜も』・・・・などなどの表現が見られましたが、テレビでの録画を見る限り、誇らしげというよりは、非常に謙虚な方にお見受けしました。30分にわたって研究成果を発表したのならば、新聞は、その内容をしっかり書いてくれた方が面白いのになぁ。この研究発表30分には、好きな色も割烹着も入っていなかったでしょうし。
 『枕を涙で・・・・』も、世紀の大発見についての第一報である新聞で読む言葉でもない。1週間後に出た週刊誌ならばまだわかりますが。

 新聞から読者が得たいのは『確かな情報』。情緒的色付けは、受け取った情報に基づいて当方でいたしますので、どうぞお構いなく、と思うのです。

 ・・・・思うに、この情緒過多・事実欠乏記事と報道の数々、実は日本における作文教育=『読書感想文』であることの影響なんじゃないかなぁ・・・・・・などとも。

 日本の学校教育、特に義務教育で、たぶん唯一の文章を書くトレーニングは夏休みの宿題、『読書感想文』だった気がします。あれ、読書した『感想』を書きなさい、と言われるんですよね、あらすじの説明などは一切なく。
 
 『感性』は、もちろんとても大切です。

 でも、残念ながら、読書感想文では事実を要領よく伝える、という最低限のコミュニケーション能は育たない・・・・・・。そして、社会に出て絶対に必要とされる、物事をわかりやすく最低限の言葉で説明する=説明文を書く、という教育は、実は大学に入ってもほとんどされない。
 私が知る限りでは、大学院も修士課程に入ってから初めて文章を書いて事実=研究結果を伝達しようという教育を受ける、という人は多いようです。

 新聞記者って、やっぱりいわゆる『文系』の人が多いから、情緒の勝った文章になる、とか??でも、文系だろうが理系だろうが、学校で教えるような『学問』は論理で構築されているわけで。どちらにしたって、論理的文章で事実を伝達する必要は絶対あるはずなのになぁ。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・って、最初の話題から横っ飛びし過ぎ(笑)?

というよりも、私の頭の中にはずっと、理系・文系という学問における区切りって、なんかヘン、ということと、『説明文を書く』教育を義務教育でするべきだよね、というのがあるのですが、そこに都合よく、STAP細胞『報道』あれこれが引っ掛かってしまったのでした。

 とにかく、最初の記事2本、おすすめです。
 特にブログの記事、小保方博士の『研究における感性』についてのお話が載っています。これ、感動したし、わが身を反省しました・・・・。というわけで、是非どうぞ。

 
 

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