2019年2月22日金曜日

卒論発表会@農学部

 今週は、今年度卒業研究をご一緒した農学部の学生さんの晴れ姿を見に、卒論発表会に潜り込んでまいりました。

 弊所には、大学院生=修士・博士課程の学生さんは配属になるのですが、大学生の配属というのは、正式には認められておりません。そこで、他学部のグループと共同研究の形で卒業研究をサポートさせていただいておりました。
 特に学部を卒業して就職する学生さんの場合には、4月からしばらく就職活動が入り、また、内定をもらった後でもある時期まで結構色々と就職先の会社からのイベントが入ったり、実は、じっくり卒業研究にだけ向き合える時間って、そうそう短い。
 前々から、そんな話を聞いてはいたのですが、初めて実際を目にして、時代は変わったな。。。と感じました。

 正直、まとまった結果を出すところまで行くかな?間に合うかな?と危惧もしていたのですが、年末からのスパートで着実に結果を出して、Hくん、卒論も発表も大変立派に仕上げてくれました。

 弊所には大学院生のみが在籍、ということで、実は私、現在の職場に着任して、卒論発表会、というのに出席するのは初めてなのです。発表時間は短いものの、人数が多く、研究室の数も多いことから色々はトピックの発表を聴いて、なんとも久々に、大学らしい活気を感じた気がします。
 毎年5月、弊所と農学部の間に交流会というのが開催されるのですが、ついこの間まで高校生だった大学一年生が百人近く訪ねてきてくれるたびに、「そうか、大学って本当はこういう感じよね」と、ちょっとびっくりするのですが、この度の卒論発表会も、同じ気分。

 厚かましくも、発表会後のお疲れ様会にまで参加させていただいたのですが、卒業生全員が一言ずつ挨拶するという場面があり、無事に卒業に必要な要件を満たした満足感と今後の抱負とを聴かせていただき、良い一日でした。
 そう、研究所は、『大人』ばかりである意味仕事は進めやすい温室ではあるのですが、大学って本当は、教育の場で、若い人たちの成長の場なんだ、という、とても当たり前のことを久々に思い出した感じ。
 今後も、できるだけ、こんな風に学生さんの受け入れを積み重ねて行くことができたらいいな、と、しみじみ思いました。

 最後になりましたが、学生さんを通して共同研究を引き受けてくださいました農学部の先生方、本当に感謝です。どうもありがとうございました!今後ともどうぞよろしくお願いします。

2019年2月8日金曜日

まとめる季節

 またしても2週間明けてしまいました。今年からは、週一更新ではなく、随時更新で行こうかとも思います。。。

 さて、そろそろ卒論修論その他諸々の提出の季節です。

 今年は、初めて農学部の四年生が一人、うちのグループで実験をしてくれています。こちらでの実験で卒論をまとめる、というわけで、私としては、岡山大学に着任して初めて....8年目にして初めて!....学生さんの卒論指導に非公式に関わることとなったわけです。

 ツイッターでフォローしている他大の先生方から、秋あたりにときに見るつぶやきとして『卒・修・博論シーズンのあるある』=コンピューターあるいはメモリスティックが壊れ、インフルにかかり、ノロに呪われ、彼女・彼氏と喧嘩する、ので、早くから備えられることには備えておくが良い、などというのがありますが、確かに、これ、一度でも聞いてみたことがあるかないかでかなりこの時期のQOLが違ってきそう。

 私自身、実は、decades agoの卒論発表前夜に、つたない500行程度のスクリプトを書き、最後に図を打ち出そうとしたところ、フロッピーディスク(若い人は知らないでしょう、各種アプリケーションの保存マークとしていまだにその姿を留める、removableなデータ保存媒体)が壊れて、後にも先にも聞いたことのないぴぴぴぴぴ〜〜!!というエラー音が深夜の学生部屋に鳴り響き、全てが失われ、、、、そうだったのを、スクリプトのプリントアウトを見ながら手作業で打ち込んでなんとかした、という恐怖の思い出が今でも鮮烈に....。笑

 あの時、手で打ち込む私の横でスクリプトを読み上げてくれた同級生のT島さん、今になってあらためて感謝です。本当にありがとう 涙

 という話は、しばらく前から卒論に取り組む学生さんにお話ししておきました。そう、バックアップは命を救います!

 彼は大変良くできる人で、そつなく手際よく秋から冬にかけて実験を進め、生データを揃えて、現在は最終段階、卒論要旨提出し、卒論発表と執筆にさしかかっています。
 このプロジェクトは、たくさんの遺伝子配列を読んで蓄積して、最後に一気に解析をして結論を出す、つまり、最後の最後になって色々な知見が一気に上がってきて、それをまとめ上げる、というタイプの研究なわけです。
 で、ざっくりした解析の末に、こんなかんじだね、と、データの感触を整理し、それから何が言える?というも少し突っ込んだディスカッションをほとんど初めてしたわけですが、ここで初めて、面白さに気づく、という具合の研究でもあるわけです。
 彼は、卒業したら就職ということになっており、卒業前に研究の面白さを味わえてよかったような、面白さに気づいたところで時間切れ、というのは残念なような。。。

 うまくまとめればなんとか小さい論文になるかな?というところまで頑張ったのは、お手柄ですね。あとは、発表の場に出せるような図を書くという大仕事が残っています。そう、そこが意外に大変なんだよね〜〜、頑張れ〜〜、と、心でエールを送りつつ、私自身も、例のsingle author論文、revision最終段階で声に出さずに唸っております。