2018年6月22日金曜日

梅雨と地震

 晴れの国岡山 とはいえ、梅雨は鬱陶しい・・・・などと思っていたところ、大阪の大地震。被害が大きく、心が痛みます。
 大阪周辺に住んでいる知人友人たちが無事とわかり、ほっとしました。
 以前の熊本を震源とする大地震の際もでしたが、今回も、研究室と居室の安全を見直し。
 実は、前回、職場の安全衛生の向上のために一定の頻度で受ける産業医による職場巡視で、私たちのラボ&居室は、「指摘すべき問題点がない」というコメントをいただきました。研究所初、ということで、ちょっと誇らしかったのですが(単に所有している機材が少ないという話がある)、例えば大きな地震が来たら、自分で持ち上げるのが辛いぐらい重く大きいPCのディスプレイがごろっと落ちてきそうとか、キャビネットの上に置いているプリンター、これが落ちたら一大事、とか、短期間のつもりで、重いものを頭より高いところにおいている、とか、見回せば数点ですが、色々と目につくところが。
 これらの対策は練っておいた方が良さそうですね。
 

 
 
 
 

2018年6月8日金曜日

カフェならぬ、トーク

 さて、先週は岡山大学主催のサイエンス・カフェの話を書きましたが、今週末には、地元のとある高校で、サイエンス・「トーク」でお話をさせていただきます。
 10名以上の高校生と直に話をする機会なんて、実に実に久しぶり。
 この会は、高校生に、実際に科学・技術を生業として日々を過ごしている大人たちと直に交流する機会を設けて、授業で触れる教科としての理科だけではなく、日々の生活に生かされている科学技術について考えたり、あるいはそれぞれの今後の進路について考えるきっかけにしてもらおうというもの。土曜日の不規則課外活動、つまり、興味を持って出席したいと考えた生徒さんたちが出席するというタイプのものだそうです。

 だそうです、というのは、今回が第一回の試みだから。緊張しますね 笑。
 この高校で非常勤教師として教鞭をとっていらっしゃる方がコーディネーターをされているのですが、たまたま私のことを思い出してくださり、このような機会をいただいたのです。今後考えている内容などをお伺いすると、あら、それ、私も生徒として出席したい、、、、と思うようなトピックがあれこれ。土曜日という、普通であればお休みである日を利用して、そのような会をもたれるという、コーディネーター始め先生方のお志に頭が下がります。

 で、どんな風にお話をすれば良いかここしばらく考えていました。
 聴衆は真面目な高校生。まあまあ真面目な高校生だった自分は、どんなことを考えてどんなことを知りたかったかな、、、、などと。私自身は、その頃生物学の研究職を目指しているわけでは全くなかったのですが、一方で、学校だの予備校だのその他だので出会った大人のちょっとした言葉に、結構影響を受けた気がします。
 この仕事をしていて面白い、よかった、と思えることは多々あるわけですが、一期一会のこの機会にそういうものがわかってもらえたら良いな、と思いながら、お話の内容を準備しています。私が興味を持っている研究から話起こして、最後はやっぱり、アンデス山脈@チリの写真で〆、でしょうか。

2018年6月1日金曜日

サイエンス・カフェ転じて.....

 大学本部から、大学主催のサイエンス・カフェでお話する機会をいただきました。最近、本学が取り組みを強化しているSustianable Development Goals(SDGs)=持続可能な成長に貢献する科学的な取り組みを紹介するためのサイエンス・カフェ。一般公開で、特に、高校〜大学生をターゲットとして、の会で、8月開催だそうです。
 この企画を動かしていらっしゃる方がお二人、こちらにおいでくださり、企画の目的、これまでの経緯、どんなデザインを思い描いているか、、、、などなど、1時間ほどお話を伺いました。
 実は、例の(?)チリプロ、これもやはりSDGsをプロジェクトの目標に据えています。赤潮〜チリプロ、と繋げれば、ちょうど主催者のご希望に合致したお話ができるかな?といったところです。

 なんていうお話をした後で、「そうそう」という感じで聞かれたのが、「どうして赤潮の研究を始めたんですか?」

 これ、一口でお答えするのは結構難しいご質問です。
 そもそも、私はこちらに着任する前は、植物と植物ウイルスの間の相互作用を細胞と分子の視点から解明する、という仕事をしていました。
 で、こちらでテニュアトラック(=ひとまず任期付き、審査に通れば終身雇用、通らなければそこで解雇)というポストをいただいた際に、これまでの研究とともに、もう少し新しいことも初めてみようか、と思ったのがきっかけです。
 新しいことを初めてみようか、の背後には、独立のポジションをいただき、更地からラボを作る、という条件だったため、設備投資が切実に必要(研究費取れないと研究も始められないし、となると、当然審査は通らない)という事情があったわけですが。

 新しいこと、となると、自分のそれまでの研究の流れから、ウイルスと他の生物間の相互作用なら都合が良さそう、また、それまでは多細胞生物である宿主でのウイルス感染過程を研究していたのですが、では単細胞生物を攻めてみようか、となり、着任先は植物に特化した研究所なので、単細胞+植物、で、藻類かな。そうそう、岡山は瀬戸内海に面してますが、赤潮って藻類だよね?virus+algaeその他色々なキーワードで文献を検索してみたら、え?赤潮が消滅するって、ウイルス感染なの?という研究に突き当たったわけです。

 というわけで、伝手を頼ってヘテロシグマに行き着き、以後、ヘテロシグマを中心に据えて赤潮の研究をするに至った、というわけです。

 着任する前は、米国にいて、あちらでラボを持ちたいと切実に願っていたのが叶わず帰国、で、生物としての赤潮に携わることになったわけですが。「ということは、あちらにそのままいたら、赤潮研究始めることはなかったわけですね?」と問われ、そう、そうなんですよね。あちらにいて、希望通りのポジションをゲットできていれば、(あちらには、まとまったスタートアップ資金を支給する制度があるので)資金難ながらラボをつくる、を経験することはなかったし、それがなければ、多分、赤潮研究始めることはなかったし、紆余曲折の果てにはチリにご縁ができたりも、多分しなかったでしょう。今、私の居室机の左手には世界地図が貼ってあるのですが、これは、これから研究をしている限り追ってみたいテーマについて考えるために貼ったもの。あちらに落ち着いたら、世界地図を眺めながら夢をみる、なんていう生物学の研究に関わることもなかっただろうな。。。チリでのプロジェクト=研究を通した国際協力・貢献なんていうものに、一隅基礎研究者の自分が関わる日が来るとも思っていなかったし。

 なんていうことをお話ししながら、人生わかりませんね、と、地味にぼーぜんとしました。考えてみれば、サイエンス・カフェの対象者は、特に高校生〜大学生といった、今後のキャリアについて考える人たち。案外この辺の話の方が興味を持ってもらえたりして、などとおもったりもします