昨日今日と抜けるような青空が続いています。本日、倉敷は最高気温29度の予想。
ほとんど夏ではないですか。
梅雨は、曇り空とぱらぱら雨が続く程度の倉敷のこと、このままなんだかんだと暑い夏に突入するのか・・・と、爽やかな青空を見上げながらも、ちらりと憂鬱がかすめたりします。
今週は、岡大農学部の学生さんが2日だけ実験をしにやってきました。
今年から農学部のM先生と始めた共同研究、学部生の学生さんに参加してもらって進めてみようという試みです。
私たちの研究所では、岡山大学から学部生を正式に指導生として引き受けることはできないのですが、学部と研究所の間での共同研究を介して、部分的にこちらで実験を進めてもらうということになったわけです。4月から加わった新メンバーに加え、もう一人、ヘテロシグマ研究に参入者がふえたわけです。すでに走っている、工学部のS先生との共同研究も加えると、岡大でヘテロシグマ研究に関わっている人は、4名になりました。
去年までは、1〜2名でしたからね、結構増殖した感あり♬
学生さんに実験手技を教えたり、は、実はかなり好きだったりします。
米国でポスドクしていた時、通算で30人ぐらいの学生さんと一緒に実験しましたが、プロトコールづくりにはじまり、説明の仕方も練り、当時は英語での意思疎通を円滑に測るためにも、結構色々と気を使った。。。。わけですが、この手のコミュニケーション、手間をかけ、工夫をすることで色々なことが変わってくる、ちょっとした工夫や努力がとっても報われるのが驚きでした。
こちら側のちょっとした努力、は、こちらの理解だの説明能力だのをあげてくれる、という意味でも、やっぱり、研究しながら教える機会は欲しいものです。
今年の初め、「新メンバーが欲しいのならば、数名で働きやすいラボを作ろう!」というわけで、細々とした整頓だの、動線の検討だのをしたわけですが、なんだか目論見が当たった感じ。7年前のラボ開闢以来初めて、22平米という小さい部屋に入った中央実験台のあちらとこちらでそれぞれ別々の実験している人がいる、というのは、超ささやかながら達成感がありました(笑)。今の所は、研究の過程のほんの一部をこちらで、というメンバーなわけですが(4月からの新メンバーMさんも、9月にはチリのラボに移動します)、こうやって少しずつチームを大きくしていく、という手もあるな、などととも思いました。
岡山大 資植研 萌芽・学際新展開G公式ブログです。 毎週、私たちがどのような仕事をしているか、大学で研究するというのはどういう生活なのかをお知らせしていこうと思います。 どうぞよろしくお願いします。
2018年5月25日金曜日
2018年5月18日金曜日
あれから6年
昨日は、こちらに着任して一番最初にいただいた研究費を助成財団、長瀬科学技術振興財団の30周年記念の会に出席してまいりました。いただいた際の、贈呈式に出席した時から、6年経ったんだわ、と、ちと感慨深いです。
大阪で開催されたのですが、この会で、なんと、ノーベル賞受賞者 大村智博士による講演会が行われるということで、楽しみにしておりました。
大村先生といえば、微生物より数々の抗生物質を発見し、さらにそれらを改良して、人や動物の感染症治療に多大な貢献をされた功績をたたえてノーベル賞を受賞された方です。
特に、抗寄生虫薬であるイベルメクチンは、もともとは線虫の成長を抑制する化合物として開発されたものが、昆虫や蜘蛛に対しても効果があるということで、これらが起因している病気の治療・拡散防止に大きく貢献したもの。犬のフィラリア症の治療・予防に始まり、最近では皮膚病の疥癬(ダニが原因なのだそうです)の治療にも使われているそうです。なにより、いわゆるNeglected Tropical Diseaseとして知られてきた、熱帯の風土病であるオンコセルカ病や、リンパ系フィラリア症の抑制・治療、そして、地域の住民全体に投与することで拡散予防が実現し、2020年〜25年には撲滅の見通し、というお話を伺って、『科学ができること』の大きさに改めて感動。抗生物質の開発に始まり、研究成果から上がった収益をより社会に役立てるための病院の設立にまで、大村博士ご自身がご尽力されたというお話を伺い、スケールと行動力に圧倒されました。
帰ってくる新幹線の中でも、今、こちらを書きながらも、思い返して余韻を噛み締めています。
私自身が理学部出身だからか、研究というのはまずは面白いのが一番大切(その他のことは、そのあとのこと)という発想が抜けないのですが、大村先生のお話は、まさに科学が世界を変えたストーリー。穏やかな、ユーモアを交えた語り口で、普通のことどもを語るようなリズムで語られた内容は、ちょっとやそっとのドラマでは書ききれないようなお話でした。
という一方で、この財団からいただいたのは、赤潮の研究を始めて、初めていただいた外部研究資金。なんというか、私にとっての、ある意味の『原点』なのです。この研究費の申請書に目標として記述したことで、いまだに実現していないことが多々あるのは心が痛むことなのですが、原点、にまつわる会で、良いお話を聞かせていただきました。
スケールは違うものの、実は、私たちが参加しているチリプロジェクトも、世界の片隅でお役に立てるような成果を目指しての仕事。とにかく、まずは目の前の基礎研究をしっかり、という思いがあるのですが、一方で、この講演会で伺ったお話は、このプロジェクトが進むにつれ、思い返すことになると思います。
大阪で開催されたのですが、この会で、なんと、ノーベル賞受賞者 大村智博士による講演会が行われるということで、楽しみにしておりました。
大村先生といえば、微生物より数々の抗生物質を発見し、さらにそれらを改良して、人や動物の感染症治療に多大な貢献をされた功績をたたえてノーベル賞を受賞された方です。
特に、抗寄生虫薬であるイベルメクチンは、もともとは線虫の成長を抑制する化合物として開発されたものが、昆虫や蜘蛛に対しても効果があるということで、これらが起因している病気の治療・拡散防止に大きく貢献したもの。犬のフィラリア症の治療・予防に始まり、最近では皮膚病の疥癬(ダニが原因なのだそうです)の治療にも使われているそうです。なにより、いわゆるNeglected Tropical Diseaseとして知られてきた、熱帯の風土病であるオンコセルカ病や、リンパ系フィラリア症の抑制・治療、そして、地域の住民全体に投与することで拡散予防が実現し、2020年〜25年には撲滅の見通し、というお話を伺って、『科学ができること』の大きさに改めて感動。抗生物質の開発に始まり、研究成果から上がった収益をより社会に役立てるための病院の設立にまで、大村博士ご自身がご尽力されたというお話を伺い、スケールと行動力に圧倒されました。
帰ってくる新幹線の中でも、今、こちらを書きながらも、思い返して余韻を噛み締めています。
私自身が理学部出身だからか、研究というのはまずは面白いのが一番大切(その他のことは、そのあとのこと)という発想が抜けないのですが、大村先生のお話は、まさに科学が世界を変えたストーリー。穏やかな、ユーモアを交えた語り口で、普通のことどもを語るようなリズムで語られた内容は、ちょっとやそっとのドラマでは書ききれないようなお話でした。
という一方で、この財団からいただいたのは、赤潮の研究を始めて、初めていただいた外部研究資金。なんというか、私にとっての、ある意味の『原点』なのです。この研究費の申請書に目標として記述したことで、いまだに実現していないことが多々あるのは心が痛むことなのですが、原点、にまつわる会で、良いお話を聞かせていただきました。
スケールは違うものの、実は、私たちが参加しているチリプロジェクトも、世界の片隅でお役に立てるような成果を目指しての仕事。とにかく、まずは目の前の基礎研究をしっかり、という思いがあるのですが、一方で、この講演会で伺ったお話は、このプロジェクトが進むにつれ、思い返すことになると思います。
2018年5月10日木曜日
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