2016年1月29日金曜日

試練です。

 先週、楽しみにしていたゲノム支援のRNAseqの結果が返ってきました。
実はリードのクオリティが悪くて、どうにもならない、かも・・・というコメント付きで。

 そもそも、すべてがうまくいっていたとしても、初めて手をつける解析は、いろいろと学ばなければならないことがたくさんあるわけですが、「うまくいかなかった」となると、これは全くお手上げです。

 支援班は、エキスパートが揃っているわけですが、「うまくいかなかった」というだけでは当然原因は絞れないわけで、「とにかく結果を見てみてください」と言われたけれど、見てみてって、どうやって??の世界。

 ありがたいことに、この結果が出てくる頃をめがけて、共同研究者のSさんがこちらに来てくださる予定になっていました。彼の助けを借りて、と言うより彼の手によって、リードのQCから始まり、リードの内容をざっと「覗いてみて」今後どうするかを支援班にご相談することに。

 去年の今頃、とある国立研究所でトレーニングコースを受けたのですが、これはきちんと出た結果をある程度前処理したものを使っての実習でしたので、その前の段階を踏むこと自体が初めて、さらに、何が悪かったのかを突き詰めるための解析を教えていただきました。

 一対一でみっちりいろいろなことを教えていただき、さらにどのような手順を踏んだかをわかりやすく整理した形で手渡していただき、教わった内容もですが、全体的な「仕事術」についても、とても勉強になった4日間でした。
 
この一年間、自己流でも少しは使えるようになっているかな、と思っていたのですが、ううん、上級者のお手並みを拝見してしまうと、先は長い・・・を実感。自分って、絶対センスないよね・・・も、実感。
 コマンドラインによる解析もなのですが、苦手意識があるRにしばらく触っておらず、こちらは何も思い出せない状態でした。

 これではいけない。

 週末を使って復習と、次の解析がうまく行った時に自分でも使えるようになれるところまでRになじむために、何か自分に課題を課そうと思います。

 それにしても。
 研究の進行のためには、すんなりうまく行ってくれるのが一番良いのですが、こうやって、「うまくいかない」状態を通り抜けないと、いわゆる経験が積めないのですよね。今後長らくいろいろな解析方法を身につけて行くためにも、今回のトラブルは試練と心得て、修行の機会にいたします。


 


2016年1月22日金曜日

あと一息?

 さて、ウイルスゲノムのアセンブルは、まだ続いています。

 そもそもは、大きなcontigsは6本あり、その間をPCRで埋めていって、2本のscaffoldsまで持ってきた。
 当然と言えば当然ですが、つながりやすいところから繋がっていって、ううん、最後の最後が繋がらない。
 今までやったところに実は間違いがあって、そのせいで矛盾が生じて・・・というのではないような感触がしっかりあるのは救いです。 ここまで頑張って、あれ、話が合わない、これまでつなげたものがおかしい、というのが一番困りますよね。

 もう少し詳しく言えば、大きな2本はつながりそうなのです。ただこのうちの1本がさらにつながりそうな短いcontigがあります。この、短いのと長いのを繋げようとしてPCRしてみると、間をつないでいると思しき配列は出てくるので、それを読んでいくと、もう一本のコンティグ上の配列が出てくる。よかったよかった、と思いきや、あれ??予想しているのと向きが逆。

 この部分、実はリピートが多いということはわかっていて、大変扱いづらい配列なのですが、う〜〜ん、このリピート部分のアセンブル自体を疑ってかからなければならないような・・・
 とりあえず、疑わしい部分を挟んで何組かのプライマーを作ってみて、PCRをかけてみると、

 バンドが出ないね・・・。

 ううむ、こういうパズルって、どうやって解くんだろう??リピートが多くて厄介な部分ということならば、お金があってゲノムもたくさん取れたらPacBioとなるのでしょうけれど、そもそもゲノムがたくさんは採れない系統ですし、それにもう、年度末だし。
 しばらく手元の材料で出来る頃をやってみます。

 

2016年1月15日金曜日

驚き・・・

 知っている人は知っているよ、という話なのでしょうが。

 ここのところ、ウイルスゲノムアセンブルを終了しようとcontig間のgapを埋めるべくPCR→シークエンスを繰り返しています。
 contigの端と別のcontigの端の間をPCRして得られたgapを含む配列が長い場合、何度もシーケンスを繰り返して、配列全体の情報を得るわけですが、うっかりして、年末の物品購入が難しい時に、ABI BigDye Terminatorの「バッファーだけを」切らせてしまいました。

 一番重要なMixはかなり残っているのに、テンプレートもプライマーもあるのに、バッファー「だけ」がない。よって実験ができない。
 トンカツ作ろうと思って、上等の豚のロースを買ってきて、わーい、こんばんはトンカツだよ♪あ、小麦粉がないから衣がまぶせないからやっぱり無理、みたいな(例えが幼稚ですが)。
 くううぅ。

 というわけで、暮れも押し迫った12月30日、悔し紛れにネットを検索していたら、な、なんと見つけてしまいました、ABI x5 bufferの代替品となり得るものの組成を!

 興味がある方、ネットを検索してみてください。
 要は、
 ABI BigDye Terminator を、ケチケチ 使いたい、わけですよね?

 (このブログ、大学HPにぶら下がっており、そういう場に載せた情報は、公式性の高いものという自覚を持て、ということになっておりますので、こういう書き方にさせていただきます。興味のおありの方、お便りください。でも、↑をヒントにネット検索すれば出てきます笑)

 実は、ものすごく簡単な組成なんです。もちろん自分で作れます。
 バッファーは、1-ml 7000円程度で純正品が買えるのですが、ううん、自分で作ったら、10 mlが70円で出来ちゃうんじゃないでしょうか。

 こういう情報を手に入れると、どーしても周りに喋りたくなってしまう私は、早速、いつもいつもお世話になっている所内シーケンスサービスの担当者さんにレシピをお送りし、さらに、現在居室をシェアしている同僚に注進。

 で、知ったのですが、彼はなんと、5 µl以下のサイズでシーケンス反応しているそうで。
 5 µlで反応したら、一度ABI BigDye Terminator kit購入したら、永久に使えるじゃないですか。

 スゴい!!

 これから、それでいこう。Mixは、まだ結構残っているので、年度末の物品購入が難しい時に、ふえーん、Mix切らせたから実験できないよお、という悲しくも無様な事態は、これで避けられそうです。

 久々のびっくり情報でした。

 

 
 

 
 

2016年1月8日金曜日

新年あけましておめでとうございます。

 新年あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いします。

 今年は、三が日終わるとすぐ仕事で、なんだか理不尽な扱いを受けているような気分でしたが、良いお正月でしたでしょうか?

 年末ギリギリまで仕事をして、元旦に帰省したのですが、登り新幹線の車窓から見える富士山が美しかったです。
 今回は、他のグループとシェアしている大部屋ラボでの年越しでしたが、留学生が多い職場ななのもあり、年末とはいえ、結構人が出てきているのが印象的。修士1年生が大晦日まで実験しているのを見ながら、自分の学生時代を懐かしく思い出したりもしました。

 年明けて、4月には研究所全体の改修が終了し、新装ラボへ最後の引越しが待っています。最後の引越しを目指して、ささやかながらラボ用スツールと居室用椅子(ピンクと赤!)を新調してみたりして。

 さて、年越ししながら手をつけていたのは、ヘテロシグマに感染するウイルスのゲノム配列決定。実は、一系統はすでに解読済みなのですが、もう一系統手元に持っているもののゲノムも解読しようとして、しかし、これはそこまで喫緊の課題ではないから横に置いてあったものを、仕上げてしまおうとしているのですが。
 口で言うのは簡単ながら、結構難しい....。
 1系統目をde novoでアセンブルするのは、共同研究者が終了させてくださって、私がやっているのは、その配列を参考にしながら、すでに読んであるcontigを組み立てる、というものなのですが、慣れてないからか、センスがないからか、手こずっています。でも、これ、今後研究を進めていく上で、絶対に欲しい情報・・・。
 終了するまであとひと頑張りです。

 一方で、今週は研究所全体の新年会が開催されました。席をくじ引きで決める、というのは、去年から始まったアイディアですが、日頃やりとりがない方々と楽しくお話できたりして、楽しい会でした。今年も楽しくいきたいものです。