岡山・倉敷っていうのは、例年本当に雨が少ない土地です。
梅雨も軽いし、台風もよけてくれる。
でも、なぜか、去年晩秋から今年の春にかけては、実によく降りました。
今までに無い頻度で、天気予報の傘マークを目にする日々だった気がします。今年は、桜が満開になると同時に雨が降り始め、あっというまに桜が散ってしまい、皆が花見ができなかったとぼやいていました。
でも、ゴールデンウイークを前にして、そんな長雨もやっと終止符が打たれたようで、今週は、久々の晴れマークが続いています♪中庭の、頑張って咲いた桜に変わって、今度は藤が咲き始めています。
さて。
前から気がついていたのですが、ヘテロシグマって、育てる容器によって増殖速度がかなり違います。
縦長なガラス管で育てると、増殖は一晩で1.2倍。三角フラスコに少しだけ培地を入れて育てると、最高で1.5 倍ぐらい。三角フラスコにも、いろいろなサイズがありますが、大きな三角フラスコに多めに培地を入れると、増殖が悪い。結局、培地体積あたりの水面の面積が広くて、しかも、容器自体のガス交換がうまく行くものが一番増殖速度が早いみたい。
つまり、光合成と呼吸に必要なガス交換が律速になってしまうということらしい。
これは、当たり前と云えば当たり前。例えばバクテリア等は、震盪培養をしますよね。ヘテロシグマは、鞭毛をもち、自分で泳ぐことができるので、静置培養でも増殖しますが、それでもガス交換を促進してやった方が効率がいいのでしょう。
ゆっくり震盪しながら培養するとよさそうですが、残念ながら、気温と照明がきちんとコントロールされている環境下で震盪機を備えた設備というのが手近に無いんです。それに、今までの経験から、容器内での水面でのガス交換に加えて、容器内外のガス交換も結構重要な気が。
というわけで、試しに強制的に通気することに。変わった形のフラスコを見つけて、これを熱帯魚を飼うときに使うエアポンプにつないで、ぽこぽことバブリング。で、増殖速度を測ると、あら、最高で一晩に2倍近い。ずいぶん順調に育ちます。
今まで、たとえば100ミリリットルのカルチャーをするには、容量300ミリのフラスコが必要で、しかし、増殖速度が遅かった。でも、この方法ならば、一つのフラスコで350ミリリットルぐらいの培養ができます。培養器の中の面積もとらないし、最高培養密度も結構上がる。
ささやかなことのようですが、これ、実はこれから始めたい実験にとっても役立つことなのです。これはうれしい!
というわけで、手始めに、前からココロに秘めていた実験をしてみよう。これ、4時間ごとのサンプリングを48時間ぐらい続けなければならないので、納得できる実験系を思いつくまで逆に手を付けたくなかったのです。
日中のサンプリングはHさんにお願いするとして、夕方〜朝は私…寝袋抱えて泊まり込みか?
うーん、大学院生時代に戻ったような気分。できればGW前に一度おわらせて、休みはゆっくり休みたいと思います(笑。
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