2014年11月28日金曜日

コップの中の水

 遅々として進まず。

 という表現がありますが、最近、身の回りでは『遅々ながらも』進捗中、なものが多く目に入る気がします。

 コップに半分はいった水を見て、『半分はいってる♪』と思うか、『半分しか無い....』と思うか、という表現がありますが、私は、『実験/研究とはうまく行かないのが普通』と思い込んでいるところがあるので、遅くても進展が見えると嬉しい気分が先に立ちます。

 年の初めに出してみた論文、これじゃいろいろ足りないよ、といわれて返ってきたので、それではデータを足してよい論文にいたしましょう、と計画。そこからが長かった。ああだこうだと試行錯誤をしているうちに、夏が終わり、秋も終わりの今頃になって、やっとのことでうまく行かなかった原因が分かった気がします。Hさんの着実ながんばりに感謝です。
 長いことスタックするのは癪に触りますが、問題解決することで、小さいながら新しいネタを見つけたような気もしますし、なにより、頭のうえにどしんと乗っかっていたギモンがするりと解けたのはよいことです。スッキリしたね〜、とHさんと話しています。

 一方で、ウイルスゲノム。こちらも少しずつ進展中。今後の研究の基礎になる物だし、完成する前から興味を示してくれる人もいるし、こちらももうひと頑張り、仕上げを目指します。

 等といっている間に、やはり進行中の新棟建築。
 基礎のコンクリートが流し込まれました。今の眺めはこんな感じ。
 
土台のコンクリートが流し込まれ..........
枠が取り去られたらこんな感じ。更地とは大変な違いです。

 更地になるまで、結構な時間がかかった気がするのですが、一度きれいに平らにされたら、こちらはずいぶん急展開です。下地を整えるまでが一番大変ってことかしら、あるところまでいったら、後は急展開できるのね♪と、都合良く解釈して、私たちも年末に向けてもうひと仕事ですね。


2014年11月21日金曜日

年末まで6週間

 あと10日で11月が終わります…。
 このブログを読み返しても、1月2月の記事は、ついこの間のことを書いているような気がするのに、あっという間に年末が射程範囲内です。

 この分だと、あっという間に年度末が目にはいりますね。カレンダーを見ては、ひやりとするこのごろ。

 さて、ウイルスゲノム。
 次世代シークエンス技術を持ってしても、一気に1本につながった結果を得ることはできませんでしたので、何本かに分かれたゲノムの断片をつなぎ合わせるパズルを解いています。
 長いExtensionが必要なPCRを毎晩かけて、朝になったら、出来上がった産物を電気泳動。これまでの実験で明らかになった断片配列同士をつなぎ合わせる部分を増幅して、サンガー法で配列を読もうというわけです。
 遺伝子のクローニングはこれまで数多く手がけてきましたが、ここまで大きいものをつなぐという作業は初めて。きれいにつながって行く経過が、単純に愉しいものです。

……なんていっていられたのは、実は半分つなげるまで。
半分はさくっとつながり、さて、後半分をつなげようとして、ううむ。うまく行かない…。
ショートリードをアセンブルして得た『ドラフトもドラフト』な情報に基づいているので、もちろん間違いだって含まれていておかしくはない。というわけで、後半を終わらせるには、つながっていない断片の配列、ことに両端近くの配列を疑ってかからないといけないようです。

それにしても、最近、プライマーの合成が早くなりましたね。
朝早くに注文すると、うまく行けば翌日夕方までには届いたりします。
実験が進まない言い訳がどんどん少なくなる…とはいえ、今みたいに試行錯誤を繰り返すような実験では、使いたいと思ったらさっと届くのはやはり助かりますね。

 試行錯誤に頭を悩ませる最中ではありますが、途中までつながったものを、幾つか簡単な方法で解析して、どんな遺伝子が乗っているかを調べてみると、信頼性が高い情報が得られている手応えがあって、ウレシイ。
 はやく全長の解析を終わらせたいものです。






2014年11月14日金曜日

急ピッチ!

 あと1ヶ月半で今年も終わり。早いものです。

 先週返ってきたウイルスの配列の委託解読。
 配列を解読したファイルを送ってもらい、それを自分で解析=ショートリードのファイルを処理してつなげようとしていた訳です。改良点はあれど、結構長い配列までつながり、未知ながら既存の遺伝子配列に相同性があるものが結構のっているのが分かりました。

 こういうのって、気分があがりますね。
 足さなければならない実験は沢山あるのですが、それでも確かに一歩踏み出している、という感覚は大変うれしいものです。
 以前教えていただいた解析方法で、自分でできるところまではなんとか終えましたが、しかし、長いのはここから。この手の仕事に初心者にとって強い見方、統合TVと首っ引きです。

 と、PCに向かうこのごろですが、一方で例の増改築工事が着々と進んでいます。
 NZ出張の前には、地ならしが終わったぐらいだったのですが。
 現在は、こんなふう。



 建物の解体にずいぶん時間がかかっていたような気がして、来年春の完成は無理っぽい?、などと思っていたのですが、とんでもない。
 大げさではなく、毎朝見に行くと何かしらの進捗が目に留まります。
 来年春には新棟完成か!そちらも気分があがります♪



 
 

2014年11月7日金曜日

Back to school

 さて、国際学会も終わり帰国、そして日常生活に復帰しました。
 米国で、特に夏の終わりに、長い夏休みが終わって、気を引き締めて新学期開始!というのを、Back to schoolと表していましたが、まさにそんな気分。
 発表は、おかげさまで、無事終了。単に問題なし、というよりは、好意的に、興味を持って受け取っていただけた気がします。

 ありがたかったのは、『こんなことをやったら面白いんじゃないかな、でも、一人だと無理だな…』と思っていたアイディアを、サポートしてあげるよ、といってくださる方々と出会えたこと。
 こんな風に話が進むって、直接顔をあわせて、何日間か楽しく過ごした相手とだけ可能になることです。一日限り、日帰り研究会などだと、初対面の人とここまで話を詰めるのは、むずかしいですよね。そして、見渡すかぎり日本人だけ、という、日本の学会でよりも、世界各国から集まった人々の中に少数の日本人、というセッティングの国際学会の方が、より密度の高いコミュニケーションが可能になる感じ。逆説的ですが。
 長い目で見て、一番いい方策を探るためにも、まずは、あちらの施設を見学にいったり、もう少しじっくり話し合ったりしましょう、ということで帰国しました。

 こういう『新しい見通し』って、スーツケースには入れられない、貴重なお土産です。

 というわけで、気分よく帰着した第一日目に、待ちに待ったウイルスゲノムの解読結果が届きました。
 これを自分で解析できるようになるために、例のBootcampにお邪魔したわけです。
 おそるおそるやってみたら、おお、自分でもある程度解析できた!
 教えていただいたことを、そのままコピペにちかい操作をしているわけで、できるのが当たり前なのですが、でもウレシイ♪

 最終的に必要な情報の完備まではまだ道のりがありますが、重要な基礎は得た感じ。嬉しい滑り出しの一週間でした。

 常にこういけば、研究もいつもいつも愉しいものになるのになぁ……笑。