2018年2月16日金曜日

6週間後は。。。。

 今年度も残り6週間となりました。

 ここ2日ほど、やっとの事で倉敷の厳しい寒さが和らいでいます。最低気温マイナス4度、最高気温3度、などという日が続くと、さむさに体が硬く、一回り小さくなってきたような気がするのですが、昨日は、最高気温9度。本日は10度以上だそうで、ちょっと一息ついています。

 毎年、この季節って、物品は買いにくいし、寒いし、なんやかんやで血の巡りが悪い時期なのですが、今年はデモでお借りしている機材を試してみたり、終わらせようとしているシークエンスプロジェクトに頭を絞ったりしているうちに、どんどん日が過ぎていきます。
 来年度=6週間後から本格的に始動するチリプロジェクトのためのキックオフミーティングは倉敷で行いましょう、ということになり、弊所のゲストハウスや会議室を予約したり。

 ふと気がついた、4月初めは、数週間後に過ぎないのに桜が咲いているのですね!
 最後の詰めで悪戦苦闘しているシークエンスプロジェクトといい、ずらりと並んだヘテロシグマ数十系統からのDNA抽出といい、油断しているとあっという間に年度が終わってしまいますね。ここはサクサク働いて、さっぱりと新年度に備えたいものです。

2018年2月9日金曜日

よりどり悩みどころ

 一昨年終わりぐらいから手を染めている、ヘテロシグマのミトコンドリアゲノムに存在する遺伝子配列の解析。
 すでに論文も発表してきましたが、この遺伝子(MtORFvar)の配列が、ヘテロシグマの出身海域によって結構違う、というのを見出し、それでは、と、あちこちの海域からのヘテロシグマについてこのMtORFvar配列を読んでみたところ、例えば高緯度地方と低緯度地方のヘテロシグマの配列がかなりくっきりと違うことがわかりました。
 また、どうも、大西洋出身の株と、太平洋出身の株でも結構違う。
 この配列は遺伝子として機能している、つまり、この遺伝子が設計図として働いて、最終的には機能するたんぱく質を作る、と考えているわけで、つまり、あっちとこっちのヘテロシグマでは、異なる特徴を持つMtORvarタンパク質を持っている、となると、このタンパク質は、ひょっとしたら生息水域の環境に適応するために何か重要な役割を果たしていたりして、などと夢想したりするわけです。

 色々夢は膨らむ一方で、より確信を持つためにも、もっと多くの地方からヘテロシグマを取得して、それらについてMtORFvar配列を読んでみようとしているのですが。変異が入りやすい配列というだけあってか、同じ塩基がずらずらと続いているところが多い.....AAAAAA, TTTTTT, ATATATなどなど.....。これって、遺伝子配列をPCR増幅するときに変異が入りやすいし、またサンガー法で配列を読むときにも間違いが多かったり、長く読めなかったりしやすいし。
 わくわく読んでみる割に、トラブル多し。
 
 じつは、学位とってから今まで、これだけの数の多分変異が入りやすい遺伝子をPCRで増幅して、しかも確実に間違えなく読みたい、と言う仕事ってしたことがなかったような。PCRにつかうポリメラーゼだって、一種類に決めてずっとそれを使ってきました。安いときにまとめ買いしてみたり。
 でも、どうもこの実験していると、そういう風にstraight forwardに行かない。。。。。とりあえず、手をつけやすいところからと、PCRにつかうポリメラーゼのFidelityが高そうなものを試してみることに。
 この予算の苦しいときに(笑)、色々買ってみて、少しずつ設定も変えて。。。。というのを繰り返しています。
 この酵素が良いのかな、というのがわかる一方で、いや、どうも、これは読み間違いと思っていたのが正しいのかも。。。。。実はとっても面白い発見をしているのか、それとも単なるartifactで読み間違いに過ぎないのか、これを確かめるのは至難の技ながら、いや、やはり興味があるのです。
 酵素の数だけコンディションがある、どころか、反応プログラムののちょっとした違いでも結構違いが出てしまうPCRだけに、条件はより取り見取り。これ!と言えるものに出会うまでに、というより、何を持ってこれ!といえるのか、というところから、悩んでいるところです。ううむむむ。。。。。。

2018年2月2日金曜日

2月です

 寒さにちぢこまる気分にとらわれているうちに、2月になってしまいました!
 毎年のことながら、寒い上に予算の自由がだんだん効かなくなってくるこのシーズン。これまで非常の場合に備えて意識して取っておいた予算を、そろそろ使い切らなければ、と思いきや、う、サーマルサイクラーの調子がおかしい、とか。

 7回目ですからね、そろそろ動じなくなってきた(笑)、季節の風物詩ですね。

 新しいものの購入が難しいこのシーズンですが、ありがたいことにとある機器の1ヶ月間デモをお願いすることができました。岡大本学にある某研究グループと共同研究を始めているこの件、まずは条件検討して最適条件を見つけて、の段階にいるのですが、条件検討はあちらで、でもヘテロシグマを扱い慣れている私は倉敷に座っていて、というのは、何かと隔靴掻痒の感あり。
 私もちょっとは貢献したい、と思えど、機器がなくてできないのよね、と言う状態だったのですが、ひょんなところから納入業者さんを通じて話が転がり、この機器のメーカーから1ヶ月間のデモ機貸し出しをお願いすることができました。
 
 いろいろな仕事を、「閉じる」方向に行くはずのこの時期に、こういう流れって、ありがたい!
 そうそう簡単にいく手法でもないようなのですが、機器の開発担当者さまからいろいろなお話を直接伺い、うむ、やはり直接教えていただくにしくはなし、です。
 ちょっとした条件を変えながら、毎日少しずつ試してみよう、と、このプロジェクト用に新しい実験ノートを下ろしてみたりして。
 毎年のことながら、暖かい気候が待ち遠しいばかりのこの季節に、ささやかな『スタート感』が味わえるのは、嬉しいです。一足先に早春な気分で行きたいものです。