2016年6月24日金曜日

二週間あいてしまいました

 はっ!!と気がついたら、すでに週末だった先週。二週間ご無沙汰してしまいました。

 最近、日が過ぎるのが早いです。幾つかのテーマをお手玉しているからだと思うのですが、物事が進むのと競走でカレンダーもめくれていく、という感じ。梅雨に入ったと思えば、6月もあと一週間で終わりではないですか!

 さて。
 5月12日に届いた、泥の話。

 何の変哲もない海底の泥を人工海水に懸濁して、待つこと二週間、いろんなプランクトンが生えてきた!と書きましたが、目的としていたヘテロシグマ4箇所の泥のうち、3箇所からわんさか生えてきてくれました。
 で、これらからHさんが技を駆使して黙々と細胞拾い。私がPC前で解析で手首をおかしくしている間に、合計140株近くを樹立してくれました。
 これからの研究へのインパクトはもちろんですが、単純に数だけ見ても、「やった!」という達成感が生まれてしまいます。

 さて、これを使って何をするかは・・・・ここにはまだ書けないのが残念。大雑把に言ってこれから二つの絡み合うテーマを扱うことになるのですが、ほんと、株を数多く持っているって重要です。

 環境微生物学系の研究って、サンプル数をこなすことが非常に重要で、こなせばこなすほどいろいろなことが言えるわけで。この辺が私自身が経験のある細胞生物学とはかなり違うところ。
 6週間前に受け取った海底の泥、まさに宝の山だったわけです。

 というわけで、ガラスの培養管も大量に買い足して、しばらくはインキュベータの中はヘテロシグマ入りの培養管でぎっちり!になりそう。数をこなすのは大切、というのは、言い方を変えれば、最小限の手間で扱わないと大変なことになる、わけで、慎重に作業手順を決めようと思います。

2016年6月10日金曜日

試行と錯誤

 津々浦々からの泥や頂いた海水からのヘテロシグマその他単細胞藻類をピックアップ。

 この、拾う作業をおしえてくださったNさんは、まず、藻類が入った海水を自分が欲しい藻類細胞が通らない程度の大きさのメッシュにかけて、通ってしまったものは捨て、上に残ったものを回収して、そこから拾うと言う手順を踏まれるそうです。そうすると、小さい(多くの場合、生育が早い)藻類を先に除いて、目的の細胞をいわば濃縮して、そこから拾うことができるから。

  ポリエチレンのパイプにナイロンメッシュを張って使っていらっしゃるとのことで、ウチでもそれを真似して作りたい。

 また、泥を懸濁しておいて、目が覚めてきたプランクトンを拾うときに、大粒の泥や鉱物の塊を除いたらやりやすいよね、という話になりました。この場合には、大きすぎるものを除いて、ちょうど良い大きさのものを残したい。つまり、網目を通り抜けたものを取っておきたい、わけです。

 メッシュサイズが何種類かあるといいなあ。それに、今までの習慣から、オートクレーブ滅菌したい、などと思ってしまいます。ポリエチレンパイプとナイロンはなんとか高温に耐えるらしいのですが、それらを貼り合わせてる接着剤は、多分、無理、とのこと。
 
 パイプは、金属に替えればよい。
 ナイロンメッシュは、これはサンプルを出してくださったメッシュをたくさん販売していらっしゃる会社の方からのお知恵で、PETメッシュがよい、とのこと。より高い温度に耐えるのだそうです。メッシュは目の粗さの違うものがいろいろあります。素晴らしい。

 じゃあ、どうやってパイプとメッシュをくっつける?
 くっつける、だけじゃなく、メッシュサイズが違うものと交換したりできたら最高。一つを使い回すのはクロスコンタミが心配だから、数が欲しいし。

 というわけで、いろいろ考えて、思いついたのは刺繍枠。金属製のパイプを5センチぐらいに切ってもらって、そこにちょうどいい大きさのメッシュを置いて、上から金属でできたネジで止める結索で押さえて締める。

 刺繍枠、太鼓みたいにピンとはれますもんね。グッドアイディア。

 ‥‥‥と思ったのですが、実際買って試したところ、いや、メタルの結索をパイプに「きっちり」巻きつけるのは、至難の技だった。

 では、と方針を変え、家に転がっていた仕付糸を持ってきて、これで縛ってみようか、と思いました。
 でも、木綿糸をつるっとすべりやすいメッシュの上からきっちり巻くのは、これも至難の技だった。

 う〜〜ん。こうなったら、特注で、刺繍枠のネジ付きの方みたいなものを薄手の金属でオーダーして作ってもらおうかしらん。
 そう考えて、業者さんにご相談。案外安く済むかもね、という話でまとまりました。

 で、次の日になって、業者さんいわく。

 『いわば刺繍枠みたいな仕組みで、挟んだ布地をピンッとはれて、耐熱性があって、簡単にきっちり巻き付けられて、何度も使えるもの』が欲しい、と金属加工業者さんに相談してくださったところ、
       シリコンでできたゴムバンドでいいじゃん、とのこと。
 思わず膝を打っちゃう説得力ですね。それが一番簡単ではないですか♪

 よかったよかった。金属パイプを5センチと3センチにスライスして、両側にやすりをかけたものを10個作っていただいたのですが、それほどお高いものでなくても、無駄にするのはやはり惜しい。ラボ開きから5年近く経つ『新奇非モデル生物』を扱うラボには、大した値段じゃない、実験に使えないかな?と購入してみたものの、やっぱりダメだった・・というものが年月とともに増えてきているのです。試行があまりに頻繁に錯誤に終わると、それこそ分類不可能品引き出しがあっという間にいっぱいになりそうで。
 少なくとも、パイプ加工品の方は、当初の希望通り機能してくれそうです。

 ところで、メタル結索は10本購入したのですが、どなたか、他の目的に使ってみたいという方、ご連絡ください。圃場で使わないかな・・・。


 

 

2016年6月4日土曜日

梅雨はすぐそこ?

 暦の上では、梅雨入り目前のはずですが、今週、倉敷は、本当に爽やかな天候に恵まれました。
 ちょうどこのぐらいの時期、昔の職場@Stony Brookの駐車場に朝、車をつけてドアを開けると、野ばらの香りをいっぱい含む暖かい空気が、まさに「顔を打つ」2、3日があったのですが・・・・急激に上がった気温のせいか、白い小さな野ばら(つまりは雑草ですが)が一気に花開いで香りを撒き散らす時期があるのです・・・気候の具合は、、ちょうどそんな感じ。
 小さなトゲだらけで扱いに困る野ばらですが、あれ、懐かしいです・・・。

 さて。
 3人で当てよう!と目論んでいる予算申請。申請書を書いてはみたのですが、これじゃ通らないわ、もうふた磨きぐらい必要・・・・。というのが今週月曜日。とりあえず、コメントください、と、他のお二人にお送りし、さらに、アイディアの大枠を書いて、ブレインストーミングお願いします、何か気がついたこと・いれた方が良いキーワードなどがありましたら、ポロポロ書き込んで返信してください、と、お願いしてみました。
 この一週間のうちに幾つかのメールが飛び交ったのですが、なるほど、と膝を打つようなアイディアが出てきて、こういう風に建設的にやり取りができる人たちと組めたって、ありがたい。
 
 一方で、蒐集中のヘテロシグマ株。つい数日前、共同研究者からメールがあり、鹿児島の海水が手に入るから送るよ、とのこと。あれ、鹿児島にご出張かな?と思いきや、そうではなく、彼が所属している組織の一部である鹿児島支局がサンプリングに行くという連絡が入ったのだそうで。そうか、自分が大学にいると、直にいつも連絡を取っている相手か、あるいは自分が行くか、しないとサンプルは集まりませんが、全国にネットワークがある組織にいる人は、こういうやり方があるのか。
 
 一人で座っているだけでは、あるいは、所属している研究グループ内でやり取りしているだけではできないことってあるなあ、とあらめて感じました。
 いきなり何の素養もない分野に参入した割には、私たちは外部ネットワークには、本当に恵まれています。感謝。

 そして、ああ、週末から天気が崩れる模様。もうしばらくで、日本の梅雨、突入かな?
 最近、季節が巡るのが、ことに早く感じます。