新しいことを始める嬉しさに、宝の山、という表現を使ったわけですが、いやはや。
送っていただいた泥に、海水を加えて照明付きインキュベーターへいれたのが二週間前。人工海水に泥を懸濁して、それを1-mLずつ48-wellプレートに植えてみました。
x100程度の倍率で顕微鏡で見ると、うむ、泥、というものの結構な割合は、まるでガラスの破片のように見える鉱物だ、ということはよくわかりました。 その後一週間ぐらいまでは、何か動くものはあれど、小さくて何だかわからないものがうようよしてる....。ときどき、動きが素早い動物プランクトンかな?というものがひゅっ!と視界を横切っていく、ぐらい。
なんにおもしろそうなもの、生えてこないなあ〜〜。
などと思っていました。
しかし、一週間と1日経った朝、顕微鏡を覗いてみると、
おお!
まず、目についたのは、円板状の珪藻。
泳ぎまわるプランクトンも。
そして、小さくてなんだかわからないものがうようよ・・・は、なんだか大きくなってる。
そして、この実験の目的である、ヘテロシグマらしきものもいる...!wellごとに、生えてきているものの種類・組み合わせが違うのが面白いところです。
直径1センチ内外の小さなwellの中で、海底の生物たちが目を覚ました、って感じ。
週末中に育ちすぎて死に絶えては悲しいと、一部をとって、植え継いでおきました。
すごいなあ、これ。まさに、赤潮の実験室での再現って感じ!
まあ、使っている人工海水は、ふつーの海水に栄養塩などをたっぷり加えた組成。理想的すぎる環境なので、再現は言い過ぎ、かもしれません。でも、同じ容器で散々混ぜ合わせて懸濁したはずの泥入り海水、しかも、数日前まで、数種類が共存していたはずが、wellごとにこんなに優占するものが違うって...。いますぐ飛びつくわけにはいかないけれど、これは、今後、興味を持って追ってみたいトピックになりそう。
とりあえず、当面の目的に絞ってヘテロシグマ、と思えども、これほど劇的な変化を目にすると、単純に興奮します。泥とってきて、海水加えて、暖かい明るいところに置いてみました、というと、小学校の夏休みの宿題のようですが、やっぱり自分の手でやってみる、自分の目で見てみるって、大切ですね。
そして、とりあえず必要に迫られて顕微鏡だけ買ったのですが、こうなると、顕微鏡につけるカメラとビデオが欲し〜〜い.....。お買い物欲も刺激されてしまいます。空き時間にネットでいろいろなカメラをサーチしながら、頭の中でやりくり算段中です。